2018年02月03日

プロは方法を自分で見つけて動体視力を鍛えている

'18年2月3日(土)
[キャッチボール] ブログ村キーワード

大洋やヤクルトで監督を
務めた関根潤三さんいわく、
「キャッチボールは
 目の鍛錬」だという。
講談社の宣伝誌「本」の
対談で以前、スポーツ
ライターの二宮清純さんに
語っている
◆ふれあった選手らに
伝えてきた。
「キャッチボールは
 ただの肩慣らしじゃ
 ない。ボールの縫い目を
 見る癖をつけなさい」と。
打者は縫い目が見えれば、
回転から変化が分かる。
守備ではゴロやフライの
動きを予測しやすくなる
◆プロの目に映る
ボールの像は、常人の
想像をはるかに超えた
ものなのだろう。
選手一人一人が、
とことん自らを鍛えあげる
春季キャンプが始まった
◆硬式ボールの縫い目は、
人間の苦しみや迷いを
数えた除夜の鐘と同じ
百八つ。
『巨人の星』の父、
星一徹のせりふを思い出す。
「すべての苦しみ、
 悩み、迷い・・・その涙を
 この白球だけに込めて
 乗り越えてくれ。
 わしの飛雄馬よ」
◆すぐれた動体視力を養う
奥義もあれば、はてない
競争のなか浪花節もあるのが
プロ野球の醍醐味だろう。
公式戦はセ・パ両リーグとも
3月30日に開幕する。
鍛錬に鍛錬をかさねて、
今年も感動を届けてもらおう。
われらの野球人よ。
(編集手帳 讀賣新聞2/2)

王貞治は電球の点滅が
気になって、電光掲示の
ニュースが読みづらかった
という。
常人の動体視力ではない。
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2018年02月02日

母のように優しく、そして、母の分も生きていく

'18年2月2日(金)    
[母] ブログ村キーワード

「お、せ、ん、べ、い」
今井登茂子
コミュニケーションスクール
「ともこ塾」主宰

三十代半ばのある日、
婦人科の誤診が重なり
子供を持つ夢を絶たれ、
仕事も中途半端に
追い込まれる失意の中、
ふと風に当たりたくて
入院中の病院の屋上に出た。

おりしも秋の夕焼が
空いっぱいに広がり、
ざわめくビル街も車の列も
全てがすっぽりと柔らかい
紫色の世界になっていて、
その中でハッと
我にかえったように
思い出したのだ。
私が六歳のときに亡く
なった、母の最期を。

それは終戦直前のこと。
父は満州に出征し我が家は
母子家庭。
それでも若く明るい母は
隣組の訓練の先頭に立って
バケツリレーをやっていた。
が、正月の挨拶にも来ないと
本家の伯父が心配して
みに来てくれた時には、
母は当時大流行した結核に
かかり、寝込んだ傍らに
ちょこんと座って
吐血した血を洗面器で
受けている私がいたらしい。
あわてて入院させたものの
一般人に薬が手に入るわけ
でもなく、栄養ある
食べものどころの騒ぎでは
なく、結核菌は頭にのぼり
意識は混濁。
「入院できただけでもまし
 だった」と後で伯父は
言った。

そのベッドの横に、チビの
私はジッと立つ。ただただ
立つ。
腹水を抜くゴム管だけが、
床のバケツにたれていた。

しばらくすると
母は首を傾け、私を
ジーッと見つめ、なんと、
ささやいたのだ。
「と・・・・・・も・・・・・・こ」
次に天上のシミをもがく
ように取ろうとし、
私の口に入れようとする。
「お、せ、ん、べ、い」
・・・・・・食べさせてくれようと
する。
母は、もう一週間以上食べて
ない。
それなのに私にくれようと
もがく。
痛みや苦しみを訴えるわけ
でもなく、ましてや
ずっと会えていない夫の
名でもなく、私の名を呼んで、
母は三時間後に息絶えた。

両肺とも真白で空気なんて
一滴もない身体中の力を
ふりしぼり、
その生命の全てを託して、
手を差しのべてくれたのだ。

私は三十代まで自分のこと
だけで精一杯で生きてきたが、
苦境に立ってはじめて、
このひと言のすごさに気付き、
夕焼の中で号泣した。

たった今も、想えば魂が
ふるえる。

そしてこの時から私は
迷いなく
「母の分も生きていこう」
と強くなれたし、
「母のように」と優しくも
なれる。以来今日まで、
生きる原点となっている。
(心に残る
 父のこと母のこと157
 PHPNo837 '18/2)

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2018年02月01日

五輪史に刻まれた54年8か月というマラソンの記録

'18年2月1日(木)
[金栗四三] ブログ村キーワード

漫画『釣りバカ日誌』の
浜崎伝助の名字に濁音はない。
「はまざき」と呼ばれるや、
「はまさきです」」と返す
場面がたびたびある
◆浜ちゃんは九州出身という
設定で、姓の読みは
西に行くほど濁らない傾向が
あることは知られている。
おそらく
「金栗(かなくり)」さんも
九州的例の一つだろう。
再来年100年を迎える
箱根駅伝の創設に取り組み、
日本のマラソンの父と
称される金栗四三は、
名字ばかりか、名前も
濁らないことが分かった
という
◆出身地の熊本県玉名市が
調査の結果として、
「しぞう」を「しそう」に
改めると発表した。
◆NHKが来年の
大河ドラマの主役モデルに
選ぶだけあって、
波乱の人生を歩んだ人で
ある。
当時のマラソン世界記録を
引っさげ臨んだ
ストックホルム五輪では、
レース中に倒れ行方不明に
なった。
農家に介抱され、目覚めた
のは翌日だった
◆昭和半ば、その地に
赴きゴールを駆け抜けた。
その記録「54年8か月・・・」は
最も遅い記録として五輪正史に
刻まれる。
それも「しぞう」の名で。
どんなお人柄だったろう。
まさかドラマに浜ちゃん
みたいなやり取りが・・・。
なわけないですかね。
(編集手帳 讀賣新聞1/31)
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2018年01月31日

雪の結晶のように傷つきやすい当世の米国若者気質

'18年1月31日(水)
[スノーフレーク] ブログ村キーワード

「スノーフレークの
 やつらには参ったよ」
 
この1年、
ワシントン周辺の大学に
勤める米国人教員らと
ビールを飲みながら
放談していると、何度か
こんな愚痴を聞かされた。

説明によれば
「スノーフレーク
 (雪の結晶)」とは、
純粋だが傷つきやすく、
ストレスに脆弱な
当世の大学生気質を
雪に例えた揶揄なのだ
そうだ。

今の学生は総じて
政治意識が高く、左派的な
進歩主義を奉じる傾向が
強い。
ただ、自らの立場を絶対的
正義と信じて疑わず、
異なる意見を持つ人との
接触は嫌う。
先の大統領選での民主党の
クリントン候補の敗北を
いまだに受け入れられない
連中も多いという。

また、日頃は
「言論の自由を守れ」と
叫んでおきながら、
トランプ政権を支持する
保守派が大学に
講演に訪れようとすると
抗議デモを展開し、
言論封殺に及ぶことは
全くいとわない。

さらに大学の授業でも、
厳しい指導をされると
すぐに挫折する。
大学当局としては
高い学費を払っている
学生たちは
「大切なお客さま」で、
教員たちには学生の機嫌を
損ねないよう配慮を求めて
くるという。
「こんな左派かぶれが
 抜けない甘ったれが
 社会に出ていったら、
 米国はこの先一体
 どうなるんだ」
教員の一人は苦々しげに
つぶやき、グラスを
空けるのだった。(黒瀬悦成)
(外信コラム ポトマック通信
 産経新聞1/29 8(国際)面)

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2018年01月30日

仮想通貨の金庫破りにはトンネルは掘らなくていい

'18年1月30日(火)    
[不正アクセス] ブログ村キーワード

ブラジルの最大都市
サンパウロで昨年10月、
大捕物があった。
警察は、窃盗団が掘った、
銀行の金庫に通じる500b
ものトンネルを摘発した。
逮捕された16人が狙って
いたのは、
現金約10億レアル
(約358億円)である

▼成功すれば、
「史上最大の金庫破り」に
なるはずだった。
ブラジルでは2005年にも、
トンネルを利用した
窃盗事件があり、
このときは80億円が
奪われている。
もっとも、
インターネット上で
取引される仮想通貨の
強奪に、トンネルは必要
ない

▼なんと580億円相当の
仮想通貨「NEM(ネム)」が、
取引所の運営大手
「コインチェック」から
流出した。
不正アクセスにより、
約26万人の顧客から
預かっていた資産が、
たった8時間で消えうせた。
管理体制の不備が指摘
されている

▼門外漢の小欄でも、
お笑いタレント出川哲朗
さんのCMは知っていた。
派手な宣伝活動の一方で、
まだ金融庁から正式な登録を
受けていなかったとは、
驚きである。
コインチェックは、顧客に
返金すると発表した。
ただ今回の騒動は、
安全性への不安から、
ビットコインなど
他の仮想通貨市場にも
冷や水を浴びせた

▼「3万円で始めて
  800万円になった」
「1日で100万円を失った」。
週刊誌に掲載された投資
体験者の告白は、仮想通貨の
価格変動の激しさを示して
いる。
米ウォール街の首脳からも、
17世紀オランダで起きた
チューリップの球根バブルを
例に挙げて、通貨ではなく
投機にすぎない、と批判の
声が上がる

▼数百年遡(さかのぼ)
なくても、日本人はほんの
一昔前の経験から
大きな教訓を得ているはずだ。
狂乱と絶望の数十年が、
どれほど大きなダメージと
なったか。
仮想通貨の取引に多数参加
する若者に、伝えきれない
のがもどかしい。
(産経抄 産経新聞1/29)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする