2017年06月17日

人を使うことの難しさは今に始まったことではない

'17年6月17日(土)    
[テロ等準備罪] ブログ村キーワード

吉田兼好は『徒然草』に
書いている。
<よき細工は、
 少し鈍き刀を使うといふ。
 妙観(みょうかん)
 刀はいたくたたず>
(二二九段)
すぐれた細工を作るときは、
少し切れ味の鈍い刀を使う
という。
練達の仏師、妙観の刀も
それほど鋭くない、と
◆そうは言っても、
ものには限度がある。
切れ味の鈍すぎる刀も
困りものだろう。
首相を仏師とすれば、
使う刀は閣僚である
◆テロ等準備罪を創設する
改正組織犯罪処罰法が、
きのう(15日)国会で
成立した。
心の内面が罰せられるとは
思わないし、息苦しい
世の中になるとも思わない。
ましてや戦前の
治安維持法を持ち出しての
反対論には
苦笑するばかりだが、
“刀”はたしかに
お粗末だった
◆ときに棒読みの、
ときにしどろもどろの、
不安定きわまる金田勝年
法相の答弁が法改正を
めぐる誤解を増幅した
ことは否めない。
大蔵官僚出身の金田氏は
財政や厚生労働行政の
政策通と聞く。
法相は適材適所だったか
◆江戸期の教育者、
広瀬淡窓(たんそう)
人材登用の要諦を詠んだ
歌がある。
<鋭きも鈍きも
 共に捨てがたし
 錐(きり)と槌(つち)
 とに使い分けなば>。
使い分けにしくじった
ことを安倍首相は反省
していい。
(編集手帳 讀賣新聞6/16)

安倍首相の人材登用は
間違ってはいなかった。
饒舌の上げ足を取られる
よりは、棒読みでも、
しどろもどろでもよい
という深謀遠慮があった
のではないか。

首相が仏師、妙観だったの
であろう。
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2017年06月16日

通訳という機転を要する仕事の裏話

'17年6月16日(金)
[駐日大使] ブログ村キーワード

同時通訳の草分け、
村松増美さんに、
“誤訳”の失敗談がある。
静岡県下田市に
日米の財界人が集う
国際会議「下田会議」での
ことである。
当時のマンスフィールド
駐日大使が登壇し、
開口一番、「オメデト」と
言った
◆何がおめでたいのか
分からない。
とりあえず、
米国側の参加者に向けて
「コングラチュレーション
 ズ」(おめでとう)と
訳してみた。
あにはからんや、
「オメデト」は英語だった
という
◆Oh made it
(王がやりましたぞ!)。
1977年(昭和52年)の
9月3日、巨人の王貞治
選手が756本の本塁打世界
記録を樹立した日である
◆大使が議題そっちのけで、
王選手の打席にこっそり
一喜一憂していた。
今か今かと大記録の達成を
待つ列島の空気が察せられ
よう。
昨夜、40周年を記念する
イベントが東京ドームの
巨人−ソフトバンク戦で
催された。
拍手の中をグラウンドに
現れた王さんの姿に、
“あの日”を思い起こした
人は多いはずである
◆ひとのことは言えないが、
胸を熱くした野球少年たちも
いいオジサンだろう。
<今思へば
 皆遠火事(みなとおかじ)
 ごとくなり>
(能村登四郎)。
歳月である。
(編集手帳 讀賣新聞6/15)

英国ロンドンに
West Kensingtonという
ところがある。
ここまでの切符を買うのに
「上杉謙信」と言ったら
うまく通じたという話が
ある。
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2017年06月15日

外国の食文化は自国民の味覚に合わせて変えられる

'17年6月15日(木)
[ラーメン] ブログ村キーワード

ソウルに赴任し半年以上。
韓国料理が嫌いではない
ので、食生活にさほど
困らないが、たまに
無性に食べたくなるのが
こってりした
日本式のラーメンだ。

日本食がブームの韓国に
あって「本場日本の味」を
売りにしたラーメン店も
続々登場。行列ができる
店も少なくない。
九州仕込みの
豚骨ラーメンを出すという
店に足を運んでみた。
麺の硬さも選べる
本格的な店だが、一すすり
してみると、
何だかもの足りない。
味が薄いのだ。

九州の名店で修業した
という店長に尋ねると、
開店当初は日本の味のまま
出していたところ、
日本人客や日本の味に
なじんだ客には好評だったが、
一般の韓国人客には
「塩辛すぎる」
「においがきつい」と
不評だったという。
徐々に味を薄めていって
今の味に落ち着いたのだ
という。

他の店のラーメンや韓国式
麺のククスの店でも塩味が
足りなく感じる。
在韓日本人の知人も同じ
感想を漏らしていた。
日本で韓国人の知人を
飲食店に案内したとき、
よく聞いたのも「塩辛い」
という苦情だった。
日本滞在歴の長い韓国人も
当初、この塩辛さに苦労
したという。

とうがらしで真っ赤な
韓国式ラーメンは、顔色を
変えずに頬張る韓国人も
塩辛さは苦手。
味覚の差も越えがたい
日韓文化の差の一つかも
しれない。(桜井紀雄)
(外信コラム ソウルから
 ヨボセヨ(もしもし)
 産経新聞6/14 9(国際)面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月14日

空飛ぶ乗用車を避けようとした観光バスの運転手

'17年6月14日(木)    
[観光バス] ブログ村キーワード

「空が光った瞬間、
 激しい揺れに襲われた。
 前を走る乗用車が、
 スッと視界から消えた。
 あと1秒ブレーキを
 踏むのが遅かったら」

▼平成7年1月17日早朝、
兵庫県西宮市の阪神高速
道路で観光バスを運転して
いた福本良夫さんの証言
である。阪神大震災では、
高速道路が崩落した。
間一髪、転落を免れた
バスの映像に、多くの
国民が息をのんだものだ

▼対向車線から
中央分離帯の
ガードレールを
跳び越えた乗用車は、
宙を舞いながら
突っ込んできた。
観光バスのドライブ
レコーダーが
記録していた、わずか
数秒の映像も衝撃的である。
10日朝、愛知県新城
(しんしろ)市の東名高速
道路で、観光バスと
乗用車の衝突事故があった。
乗用車を運転していた
医師は死亡し、バスの乗員
乗客は骨折などの傷を
負った

▼観光バスの運転手の
山本良宗さんは、衝突を
避けようとして、直前に
左へ急ハンドルを切って
いた。
このため乗用車はバスの
正面ではなく、
骨組みのある頑丈な
部分にぶつかっていた。
山本さんのとっさの判断が
なかったら、被害はもっと
大きくなっていたかもしれ
ない

▼全重量が約350dにも
なるジャンボジェット機が、
どうして空を飛べるのか。
誰もが一度は疑問に思った
ことだろう。
エンジンをかけた飛行機が
滑走路を走り始めるとまず、
翼に空気が当たる。
翼の上側と下側の気圧の差が、
飛行機を持ち上げる
「揚力」を生み出すらしい
 
▼では、乗用車が
空を飛んだ原因は何か。
現場付近の
中央分離帯は、
真ん中のガード
レールに向かって
高さ約50aの法面
(のりめん)がある。
何らかの理由で
制御不能になった
乗用車が、
猛スピードで乗り
上げた。
つまり、斜面が
ジャンプ台の役目を
果たしたらしい。
にわかには信じられ
ない、メカニズムで
ある。
(産経抄 産経ニュース6/13 05:03)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月13日

あなたの意見には反対だが、あなたの言論の自由は守る

'17年6月13日(火)
[言論] ブログ村キーワード

組織犯罪処罰法改正案に
反対してきた
日本ペンクラブは、
鬼の首を取ったかのようで
ある。
「日本における表現の自由と
 プライバシーの権利を
 脅かすものになる」。
5日の記者会見で、
ジェニファー・クレメント
国際ペン会長の声明を発表
していた

▼はて、面妖(めんよう)な。
クレメント氏の
母国メキシコでは、
麻薬犯罪組織による記者
殺害が相次ぎ、廃刊に
追い込まれた新聞社さえ
ある。
国際ペンが本部を置く
ロンドンでは今、イスラム
過激派によるテロの嵐が
吹き荒れている。
法改正の内容を理解して
いれば、出てくるはずの
ない声明である

▼日本ペンクラブには、
もっと身近な言論弾圧に
注目してもらいたい。
言うまでもない。
一橋大学の学園祭で予定
されていた作家、百田尚樹
さんの講演会が、中止に
追い込まれた一件である。
一部の団体から強力な
圧力がかかり、大学の一部
教員からも中止を求める
声が出ていたという

▼大学祭といえば
平成14年の慶応大学の
三田祭でも、台湾元総統・
李登輝氏の講演会が
取り消される事件があった。
どこから圧力がかかった
のか、言わずもがなで
あろう。
市民団体による組織的な
抗議電話などで、
識者の講演会が中止に
追い込まれるケースは、
大学に限らない

▼櫻井よしこさんや
故上坂冬子さんらは、
何度も“被害”に遭って
きた。
ただ朝日新聞などは、
リベラル派文化人の
言論活動が妨害されると
大騒ぎするものの、
保守系文化人が同じ目に
遭っても、それほど関心を
示さない。
奇妙な二重基準がまかり
通っている

▼「あなたの意見には
  反対だ。
  だが、あなたが
  その主張を行う権利は、
  命をかけてでも守る」。
フランスの哲学者、
ボルテールの有名な言葉が
日本で実現するのは、
いつの日のことか。
(産経抄 産経ニュース6/7 05:04)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする