[エボラ出血熱] ブログ村キーワード
江渡防衛相は
(11月)28日、
西アフリカで感染が拡大
している
エボラ出血熱対策で
医療用防護服2万着を
日本からガーナに輸送
するため、自衛隊に
派遣命令を出した。
エボラ出血熱対策での
自衛隊派遣は初めてで、
計14人が派遣される。
(讀賣新聞11/29)
西アフリカでエボラの
感染拡大が収まっていない。
エボラはウイルスだが、
インフルもウイルス。
ウイルスは薬では殺せない
という。
医師でジャーナリストの
富家(ふけ)孝氏は語る。
世界中で感染が拡大中の
「エボラ出血熱」への
不安が高まっている。
そこで、思うのは、
日本人が以外にも
ウイルスというものに
対しての基礎知識を
欠いているということだ。
それは、これほど情報が
氾濫しても、たとえば
風邪をひいたとき、医者に
「抗生物質を
出してください」という
患者さんがいる。
抗生物質は風邪や
インフルエンザには無力で
ある。したがって、
インフルエンザと
同じようにウイルスに
よって引き起こされる
感染症には無力である。
このことを、
多くの患者さんが知らない。
エボラ出血熱もまた、
ウイルスによって引き起こ
される。
じつは、
ウイルス性の感染症は、
病理学的に寛解させることは
できない。つまり、
ウイルスをたたける薬は
存在しないのだ。
もちろん、
「抗ウイルス薬」は
開発されている。
インフルエンザで
有名なのはタミフルである。
しかし、これは抗生物質の
ようには効かない。
なぜなら、抗生物質は
細菌をたたくための薬で、
投与すれば感染症の元と
なる細胞はたたけるが、
抗ウイルス薬はウイルス
そのものをたたけない
からだ。
これは、ウイルスが
細菌のような細胞ではない
ことによる。
ウイルスは細菌より小さく、
ヒトや動物などの細胞の中に
入り込んで増殖する。
そうして、細胞を飛び出し
近くの別の細胞に取り付く
ということを繰り返す。
そのため、攻撃しようと
すると、ウイルスが
入り込んだ細胞そのものを
破壊してしまう。
したがって、抗ウイルス薬
というのは、
ウイルスの増殖を抑制し、
細胞を飛び出さないように
することしかできない。
インフルエンザ用に開発
された抗ウイルス薬が
エボラ出血熱にも効果が
あるとされ、
これまで試されてきたが
有効な結果が得られない
のは、ウイルスそのものの
性質によるからだ。
つまり、抗ウイルス薬を
開発しても、実際に
臨床試験を繰り返さないと、
使えるかどうかわからない。
現在、日本で
インフルエンザ用に開発
された「ファビピラビル」
という薬が有効とされるが、
これも本当に試してみなけ
ればわからない。
というわけで、
エボラ出血熱に対しては、
いまのところ医学は無力だ。
発症患者に対してやれる
ことは、
試験的にいろいろな
抗ウイルス薬を試して
様子を見ることだけ。
それ以外は、ともかく
安静にして、栄養を補給
していくしかない。
ウイルスが恐ろしいのは、
感染を繰り返すことで、
パワーを増したり、変質
したりしていくこと。
だから、薬の開発が
追いつかないということが
起こる。
エボラウイルスは、
これまで人類を襲った
ウイルスの中でも
最も強力なものといわれて
いる。
これに打ち勝つには、
結局、免疫力を高める。
十分な栄養、休養、睡眠、
運動で強い身体をつくる
しかない。
人間はトシを取るごとに
免疫力が低下する。
だから、お年寄りが
インフルエンザにかかって
死亡する例が多い。
エボラ出血熱が
私たちに教えてくれるのは、
免疫力がいかに大事かと
いうことだ。
(富家孝 最新死に方事典
エボラは薬で殺せない
夕刊フジ11/29 32面)
記事中の寛解とは、
医学用語で、
病気そのものは完全に
治癒していないが、
症状が一時的あるいは
永続的に軽減または消失
すること(広辞苑)。
医者は、専門用語を
患者に向かって無頓着に
使う。
ある医師は、
国語教師の母親に
息子の退院の時期を
訊かれたとき、
「レントゲンが改善
されたら」と答えた。
彼女は日本語を
正しく使えない医師に
息子を任せられないと、
間もなく退院させた。
レントゲン写真で
病気が快方に向かって
いることが確認できたら、
退院してもいいでしょう、
という意味。
レントゲンの機械が
改善されたら、という
意味ではない。