2020年11月21日

口中の衛生を軽視すると不治で重篤な病の元になる

‘20年11月21日(土)

近年、歯周病は口の中だけの
病気ではなく、全身病とも
関係していることが明らかに
なっている。
歯周病対策で知っておくべき
ことを、鶴見大学歯学部
探索歯学講座の花田信弘
教授に聞いた。
◇ ◇ ◇
歯周病が全身に与える
弊害は大きく2つある。
「歯周病菌が血液に入り込み、
 全身を駆け巡って
 さまざまな病気のリスクを
 高める」と、
「歯周病によって咀嚼力が
 低下し、栄養不良に
 陥る」だ。
まずは、病気のリスクを
高める弊害から触れたい。
歯周病が悪化すると、
糖尿病、高血圧、脳血管疾患、
心疾患などのリスクが
高くなることは、複数の
研究で明らかになっている。
これらの病気に共通して
いるのが動脈硬化だ。
「歯周病菌の代表的な
 ものが
 ポルフィロモナス・
 ジンジバリス菌
(以下、ジンジバリス菌)
 です。
 このジンジバリス菌の
 外側にある外膜小胞は
 ほかの細胞内に
 入り込む能力があり、
 動脈の細胞内に
 入り込んで慢性炎症を
 起こすのです」
動脈の慢性炎症が起こると、
血液中のLDLが
動脈の内膜に入り込んで
酸化LDLになる。
それを処理するために
白血球の一種がマクロ
ファージに変化し、
酸化LDLを取り込み
炎症性物質を放出する。
すると慢性炎症を誘発し、
動脈硬化が進行する。
歯周病はすべてのがんの
リスクを上げることも
指摘されている。
「かつてはがんは遺伝子の
 突然変異だと考えられて
 きました。しかし今は、
 慢性炎症でメチル化異常
(染色体内の化学反応)が
 遺伝子に起こり、
 がん抑制遺伝子が働かなく
 なり、
 細胞ががん化することが
 分かっています。
 つまり、歯周病菌が
 全身の臓器に血液で運ばれ
 慢性炎症を起こすと、
 遺伝子のメチル化異常
 などが誘発され、がんの
 リスクを上げるのです」
膵臓がんは予後が非常に悪い
がんとして知られるが、
ジンジバリス菌の保菌者は
膵臓がんの発症リスクが
1.6倍高くなり、歯周病菌の
別の菌、アグリゲイティ
バクター・アクチノミセテム
コミタンス菌の保菌者は、
膵臓がんの発症リスクが
2.2倍高くなるという研究
結果もある。
「膵臓がんの危険因子に
 糖尿病があります。
 糖尿病は歯周病との
 関連が深く、内科医は
 糖尿病が膵臓がんの
 危険因子と捉え、
 歯科医は歯周病が
 膵臓がんのリスク因子と
 捉えています」

■認知症にも関係
アルツハイマー型認知症
にも、歯周病が関与して
いる。
「前出の通り
 ジンジバリス菌には、
 ほかの細胞内に入り込む
 能力があります。
 それによって、
 血液脳関門を突破し、
 脳の中に入り込むのです。
 ジンジバリス菌は
 脳のアミロイドβの沈着を
 促し、アルツハイマー型
 認知症のリスクを上げます」
ある研究では、
アルツハイマー型認知症で
亡くなった10人中4人の
脳にジンジバリス菌の
毒素LPSが検出され、
アルツハイマー型認知症で
なかった人の脳からは
一人も検出されなかった。
さらに、アルツハイマー型
認知症で亡くなった人の
海馬にはジンジバリス菌の
LPSが存在していたことを
突き止めた研究報告もある。
歯周病が歯や歯の土台に
ダメージを与え、咀嚼力を
低下させるのも、健康長寿を
考える上では大問題だ。
「食べられるものが限定され、
 栄養面に偏りが出ます。
 軟らかく煮込んだ料理
 しか食べられなくなると、
 ビタミンA、C、E
 といった抗酸化物質を
 取りにくくなる。
 すると体内の
 酸化ストレスが増え、
 慢性炎症が起こりやすく
 なるのです」
がんはステージによっては
治療が難しく、
アルツハイマー型認知症は
いまだ治療薬がない。
一方、歯周病は
予防や治療で進行を抑え
られる。がんや認知症を
はじめとする重大病の
リスクを減らせるのだ。
このチャンスを逃しては
いけない。
(日刊ゲンダイ ヘルスケア11/18 09:36)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。