2020年02月12日

不都合な情報が滞れば、国家は重大な血行障害を起こす

‘20年2月12日(水)

○新型肺炎と中国
新型コロナウイルスによる
肺炎の拡大が止まらない。
中国の習近平政権は事態を
収拾することができるのか。
危機管理能力が問われている。

習政権は最高指導部の会議で、
「今回の対応で露呈した
 欠点や不足について、
 対処能力を高める必要がある」
との見解を示した。
地方政府の幹部らの
責任追及や処分も進めている。

共産党政権が統治上の過ちを
認めるのは異例だ。
政権の責任まで認めたわけ
ではないが、このままでは
状況が更に悪化しかねない
という危機感の表れだろう。

初期対応に問題があったのは
明らかだ。発生源となった
湖北省武漢市では昨年12月に
入って原因不明の肺炎患者が
増えたが、市が公表したのは
年末だった。

市の公表前にSNS上で異変を
指摘した地元の医師は、
「事実でない情報を広めた」
として市当局に処分された。
医師はその後、感染し、
死亡した。

習近平国家主席が国を挙げた
対応を指示したのは、
1月20日になってからだ。
人口1100万人の武漢市を
封鎖するという強硬策を講じても、
感染拡大の速度には追いつかな
かった。

中国は2003年にも重症急性
呼吸器症候群(SARS)への
対応が問われた。
公表まで約3か月かかり、
情報隠蔽などが国際的な批判を
浴びた。今回は
公表までの時間は早まった
とはいえ、教訓が十分
生かされたとは言えない。

患者が中国に集中しているにも
かかわらず、治療の参考になる
具体的な症例の報告が
少ない、と海外の専門家は
指摘する。
中国は情報開示を徹底し、
知見の共有を進めなければ
ならない。

国際的な防疫体制の構築には、
すべての国や地域が協力する
ことが欠かせない。
世界保健機関(WHO)に加盟
していない台湾でも感染拡大が
懸念されている。
中国は、台湾を情報共有の
枠組みから排除する姿勢を
改めるべきだ。

今回の問題で浮かび上がった
のは、共産党による
中央集権体制や言論統制が、
非常時の対応の妨げになる
ということだ。

習政権はインターネットや
顔認証システムなどを通じた
社会監視を強め、政権への
異論を封じ込めてきた。
習氏に権力が集中し、習氏の
指示がなければ物事が動かない
傾向が目立つ。

強権的な体制は、危機対応に
求められる政府内の情報共有や
迅速な発信、現場への
権限移譲などと相反する。
習政権は、この矛盾をどう解決
するのか。
(社説 讀賣新聞2/1 3(総合)面)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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