2019年06月17日

学ぶということはとことんのめり込むことだとムツゴロウさん

'19年6月17日(月)

少年時代の満州の原野での
生活、そして戦後の貧しい
暮らし。
そんななかで、僕は
たくましく生き抜く術を
身につけることができま
した。
ところが、僕の子どもの
世代となると、なかなか
そうはいきません。
僕には娘が一人いますが、
彼女が幼い頃は、夏休みを
目一杯使って自然のなかへ
出かけ、女房と三人、
野山を駈けまわって遊びま
した。
でも、笹や雑草が生い茂る
藪に入り込んだりすると、
もうダメなんですね。
トゲが刺さって
「パパ、痛いよ」なんて
泣き出す始末。
こんなことで泣くのかと
ビックリです。
「これではいかん!」と
思いました。

東京での暮らしを捨てて、
北海道の無人島に
移り住んだのは、そんな
理由からでした。
電気もガスも水道もない
島で、ヒグマの子一頭と
犬と馬、それに家族三人が
一緒に暮らしました。
生きるとはどういうことか、
動物を愛するとはどういう
ことか。
日常の一つひとつの体験の
なかから、そんなことを
学んでほしかったんです。
結局それが、後の
「ムツゴロウ動物王国」の
設立につながっていきました。

動物王国は、今も北海道
中標津(なかしべつ)
あります。都会から
乗馬体験にやってくる
子どもたちもいれば、
将来飼育員を目指す専門
学校の生徒たちが勉強の
ために訪れることもあり
ます。ただ、彼らは、
自然のなかでは、いつも
おっかなびっくりで、
無力なんですね。

今の若者はスマホを使って、
情報は何でも知っている
つもりになっています。
でも、今ここにある命の
きらめきは、やはり実際に
目で見て、直接手で触れて
みなければわかりません。
何かを「学ぶ」とは、
そうやって自分自身の身体を
まるごと使って、つかみ
取っていくことです。

これはどんな学問でも同じ
ではないでしょうか。
興味があることは、自分の
身体の一部になるまで、
とことんやり尽くす。
これからを生きる若者には、
そんな気概をもって人生を
燃焼させてほしいですね。
(取材・文 金原みはる)
(作家畑 正憲 一つのことに、
 とことんのめり込む
 PHPNo.854‘19/7)

  
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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