2019年03月30日

平成の人生相談から見えてくる孤独の多様性

'19年3月30日(土)

孤独のつらさを訴える
相談は、平成時代に多様化
した。
<今年定年の65歳
 元看護師。
 3年前に夫は亡くなり、
 子どもはおらず。
 広い家で一人暮らしです。
 趣味のサークルは
 楽しいのですが、
 夜一人で過ごしていると、
 寂しさを感じないでは
 いられません>
 =2002(平成14)年=。

身寄りのないお年寄りが
不安を覚えるのは、いつの
世も変わらない。
変わったのは、一人で暮す
高齢者が平成の間に大きく
増えた点だ。
総務省の国勢調査によると、
65歳以上の単身世帯は
1990年の162万世帯から
2015年に593万世帯に。
国立社会保障・人口問題
研究所の推計では、
その後も増えて、40年に
896万世帯になる。

そして老後は長くなった。
<一人暮らしの
 60代半ばの女性。
 長生きをし、
 もし認知症で寝たきりに
 なっても、子どもは
 自分たちの生活で
 精いっぱいで、
 介護してくれないで
 しょう。
 長生きが怖くて
 仕方ありません。
 70代で一瞬のうちに
 死ぬのが願いです>
 =17(平成29)年=。

厚生労働省によると、
65歳の平均余命は
1990年には
男性16.22年、
女性20.03年だったが、
2017年は19.57年、
24.43年に延びた。

一方、中高年は結婚
できない孤独を憂える。
<40代女性。男性とは
 付き合った経験がなく、
 知人に紹介を頼むなど
 していますが、
 全くダメです。休日は
 孤独感や寂しさで
 胸が張り裂けそう>
 =17(平成29)年=。
<50代男性。女性と
 付き合ったことがなく、
 コンパやお見合い
 パーティーに参加しま
 したが、ダメでした。
 どこへいくのもひとり
 ぼっち。カップルや
 家族連れを見ると
 つらくて消えてしまい
 たくなります>
 =18(平成30)年=。

50歳結婚歴のない割合を
示す生涯未婚率は、
平成時代に上昇し続けた。
1990年の男性5.57%、
女性4.33%から、
2015年には23.37%。、
14.06%となった。

立命館大学教授
(家族社会学)の筒井淳也
さんは、未婚化が進む一因
として
「昭和時代に見られた、
 結婚相手を親族や職場の
 上司が見つけるような
 『お膳立て』が、
 平成にはなくなった」と
指摘する。

家族がいても孤独はある。
目立つのは会話の少なさだ。
<40代女性。夫や子どもと
 会話がありません。
 8年も単身赴任していた
 夫には愛情を感じて
 おらず、次男は
 私がきつく言うと物を
 壊したりするので、
 怖くて何も言えなくなり
 ました。本当は家族と
 食卓で談笑したいけれど>
 =17(平成29)年=。
<70代女性。息子の家族と
 同居していますが、
 ほとんどの時間を一人で
 過ごし、嫁とはもう
 6か月もまともに話して
 いません。毎日一人で
 いると言葉を忘れて
 しまいそうです>
 =13(平成25)年=。

筒井さんは
「孤独や孤立が深刻化
 すると、
 周囲は手を差し伸べられ
 なくなる。そうなる前に、
 自分の孤独感や寂しさを
 家族や友人に伝え、
 頼ってほしい」と助言
する。

人生案内回答者で哲学者の
鷲田清一さんは、
ひとりぼっちがつらいと
嘆く50代男性への回答で
「選んだ孤独はよい孤独」
というフランスのことわざを
紹介した。

一人だから孤独とは限らず、
心が通じ合わないなら、
家族や仲間といても寂しい。
自分という個に向き合って
「よい孤独」を味わえるか
どうか。
一人が増えた時代の戸惑いが、
悩みから見えてくる。
(平成の人生案内 こころ編3
 讀賣新聞3/29 
 23(くらし)面) 

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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