2018年10月06日

千本ノックがノーベル賞というファインプレーを生む

'18年10月6日(土)
[基礎研究] ブログ村キーワード

スウェーデンから
朗報が届いた。
ノーベル医学・生理学賞に
京都大学特別教授の
本庶佑氏が選ばれた。

本庶氏は免疫機能の
ブレーキとして働く
「PD−1」という分子を
発見し、全く新しい
メカニズムに基づく
がん免疫療法に道を
開いた。

本庶氏の成果をもとに、
がん細胞が「PD−1」に
作用するのを防ぐ
新薬「オプジーボ」が
開発され、
皮膚がん、肺がん、胃がん
などの治療薬として使われ
ている。

まさに
「人類のために最大の
 貢献をした人」
(アルフレド・ノーベルの
 遺言)に贈られる
ノーベル賞にふさわしい。
本庶氏の受賞を心から
喜びたい。

日本の研究者の
医学・生理学賞受賞は、
利根川進氏(1987年)、
山中伸弥氏(2012年)、
大村智氏(15年)、
大隅良典氏(16年)に
続いて5人になった。
自然科学の3分野
(医学・生理学、物理学、
 化学)では、米国籍の
2人を含めて本庶氏が
23人目となる。

とくに、2000年以降は
日本の栄誉が相次ぎ、
医学・生理学4人、
物理学8人、化学6人と
19年間に計18人もの
受賞者を輩出している。
ただし、
近年の受賞ラッシュを
日本の科学、基礎研究の
水準の高さを示すものと、
素直に喜んではいられない。

英科学誌「ネイチャー」は
昨年3月、
「日本の科学研究は
 この10年間で失速し、
 科学界のエリートの地位が
 脅かされている」
と警鐘を鳴らした。
ノーベル賞受賞の快挙を、
日本の科学研究力を
回復軌道に乗せる契機と
しなければならない。

本庶氏をはじめ多くの
受賞者が、
日本の科学研究を失速させた
「ブレーキ因子」として、
短期的な成果を偏重する
科学技術政策を挙げる。
基礎研究は画期的で
独創性が高いほど
「何の役に立つのか
 分からない」ものが多い。
本庶氏の「PD−1」の発見も
「初めから臨床応用を考えて
 いたわけではなかった」
という。

現在の日本の研究環境は、
目先の成果にとらわれて、
若い研究者の視野が狭まり、
高い志を持てなくなって
いる。
本庶氏の発見は常識に
とらわれない挑戦から
生まれたものだ。
快挙に沸く今こそ、
科学研究の危機を直視し、
若い科学者が挑戦できる
環境に変えていかなければ
ならない。
(主張 産経ニュース10/2 05:00)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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