2018年09月12日

勝者と敗者の品格の差が出た全米オープン表彰式

'18年9月12日(水)
[全米オープン] ブログ村キーワード

将棋でも囲碁でも、
勝負の決着は静かにつく。
対局者の表情からは、
どちらが勝ったのか
分からない場合がある。
感情を面に出さないのが、
プロ棋士のたしなみだ
からだ。
スポーツの世界では
あり得ない光景である
▼その意味で、
今年のテニスの
全米オープン
女子シングルスは、
異様な雰囲気のなかで
幕を閉じた。
勝者である
大坂なおみ選手(20)は、
ガッツポーズを
見せることはない。
笑顔さえなく、ただ涙が
こぼれるばかりである。
四大大会シングルス
制覇という、
日本テニス史上初の
快挙を成し遂げたと
いうのに
▼原因は全て、
敗れた米国の
セリーナ・ウィリアムズ
選手(36)にある。
繰り返し受けた警告に
激怒し
審判をののしった揚げ句、
集中力を失って自滅した。
観客はウィリアムズ選手に
加勢して、ブーイングを
浴びせ続けた
▼「みんな彼女を
  応援してたんでしょ。
  こんな結果でごめん
  なさい」。
表彰式での大坂選手の
スピーチは前代未聞である。
元女王のウィリアムズ選手には、
「プレーしてくれて
 ありがとう」と頭を下げた。
大和撫子(なでしこ)らしい
振る舞いが功を奏して、
ようやく祝福の拍手が広がった
▼将棋の話に戻せば、
元名人の升田幸三は、
著書の『王手』でこう説いた。
「師匠が弟子を叱るのは、
 基本を身につけさせる
 段階までです」
「そして基本を出て、最後は、
 その人の心になる」
▼もともと大坂選手は、
強力なサーブとストロークは
折り紙付きながら、精神的な
もろさが指摘されてきた。
昨年12月から
専属コーチになった
サーシャ・バインさんは、
我慢の大切さを教え、
徹底的なトレーニングによる
体作りを重視した。
見事、才能を開花させた
大坂選手はウィリアムズ
選手に代わって、「名人」への
第一歩を踏み出した。
(産経抄 産経ニュース9/11 05:00)

先ごろ惜しまれながら
亡くなった桂歌丸さんは、
じかに拝聴したにちがいない。
その師匠、古今亭今輔に
名言がある。
<迎えの拍手は
 昨日までの人気、
 降りる時の拍手は
 今の人気>
◆大坂なおみ選手(20)に
迎えの拍手は
どう聞こえたろう。
テニスの
全米オープン決勝は
セリーナ・ウィリアムズ
選手(36)の女王復帰を
望む観衆で埋まった。
完全アウェーである。
そのうえ審判の判定を機に
ブーイングがわき起こった
◆サービスエースを
決めても、ざわざわする
だけ・・・。
よく踏ん張れたものである。
大坂選手が日本勢として
初めて、世界の四大大会を
制した
◆それにしても表彰式まで
ブーイングとは
大会の品位を貶めるもの
だろう。
だがそこを2人が救った。
「もうブーイングはやめて」
と元女王がいい、大坂選手は
「みんながセリーナを
 応援していたのは
 知っています。
 こんな終わり方ですみません。
 試合を見に来てくれて
 ありがとう」。
空気は一変して、温かな
拍手が会場をつつんだ
◆テニスの強さばかりでは
ない。やさしさ、率直さに
心を動かされたのだろう。
新女王が初々しく誕生した。
おあとが大変よろしい。
(編集手帳 讀賣新聞9/11)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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