2018年04月16日

自然の営みが災害を生む 先人の知恵で命を守る

'18年4月16日(月)
[気象] ブログ村キーワード

(産経新聞)
春の風が、そよと吹くとは
かぎらない。
気象用語の本をめくると、
風向きの急変に備えを促す
言葉がこの季節に多い。
「鉄砲西」や
「西風(にし)落とし」は
前線の通過後に吹く
強い西風を指す。侮るな、
との戒めである
▼北に退く冬と南で力を
養った夏が、列島の上で
折衝を繰り返す。
その図を思えば空の変転は
自然な営みといえる。
花曇りの空を指し
「天気が怠ける」
(『風と雲のことば辞典』
 講談社学術文庫)の
穏やかな表現もあるが、
春は総じて天地がざわつく
時節なのだろう
▼2度の震度7が熊本県を
襲ったのも、この季節
である。最初の激震から
14日で2年がたち、
いまも3万8千人以上が
仮住まいでの暮らしを
続けている。壊れた家を
建て直し、二重三重の
ローンを抱えて再起の道を
歩む人もいると聞く。
「被災」は終わっていない
▼犠牲者の中には地震後の
豪雨災害に巻き込まれた
人もいた。桜前線が足早に
北へ去った今年も、風から
雨へと気を抜けない日々が
続く。
テレビでは気象予報の
キャスターが今夏の猛暑を
告げていた。
被災地にとっては
3巡目の四季も骨身に
こたえる試練に違いない
▼復興の進む町では、
仮住まいから新居へ移る
人も増えよう。
気がかりなのは、
避難生活で培った
人間関係の途絶や環境の
変化に伴うストレスの
蓄積である。
被災地の−と書きかけて
手を止める。
日本の正念場として、
過去の震災が残した教訓を
生かさねばなるまい
▼大分県の耶馬渓で起きた
山崩れは、安否不明者を
残したまま発生から
72時間以上がたった。
折あしく雨にぬれる現地の
模様をニュースが伝えている。
季節を前に進める上で、
雨も風も欠かせぬ営みと
分かってはいる。
空に向けて「降るな」とは
言うまい。
しばし怠けてくれないか。
(産経抄 産経ニュース4/15 15:3)

(読売新聞)
元は、さる新聞人がつづった
私的な雑録だった。
『熊本明治震災日記』。
筆者の名から水島日記とも
呼ばれる。
地震の発生から一月の間、
明治期の熊本がどんな混乱に
陥ったか、被災者の目線で
記してある
◆後に本になり、昨年、
現代語訳版が出た。
大きな余震に
<繁みや竹やぶなどに
 莚(むしろ)を敷いて、
 縞蚊に刺されるのも
 厭わず、ひたすら
 身を伏せ神仏に
 祈っている>
<恐怖心を助長させたのは
 学士紳士たちが
 先立って避難したこと
 だった>
◆生々しく詳密な記述が、
まさかへの備えや覚悟を
促す。
水島日記に倣うには。
2年前、震度7の揺れに
見舞われた熊本県益城町の
図書館では、司書さんの
頑張りが続く
◆1年目、避難所の
貼り紙やら弁当の受取票やら、
記憶のかけらを1万点以上
集め、折に触れて展示した。
区画整理や県道の拡幅など
復興事業が進む今は、
公式文書以外の書面、資料
まで全てを残す。
未来図を描く一助に閲覧
する町の人は少なくない
◆記憶はあらゆる物事の
宝であり、守護者なり――
と、古の書物にある。
先の世のため宝をどう
生かすのか。
そのすべてを考え抜く
ことが現代人の務めなの
だろう。
(編集手帳 讀賣新聞4/15)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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