2018年03月11日

お金持って霊柩車に乗りたい、という人もいるでぇー

'18年3月11日(日)
[安藤忠雄] ブログ村キーワード

お金持っては死ねない

安藤忠雄さんが
大阪市北区の中之島公園に
図書館
「こども本の森 中之島」を
建設することを発表したのは
昨年9月です。
鉄筋コンクリート造りで
地上2階、地下1階、
延べ床面積は1000平方b。
3層吹き抜けの壁一面に
本棚を設けて、
子どもたちが自由に本を
手に取れるようにしよう
という計画です。

安藤さん自身が設計し、
建設した上で大阪市に
寄贈します。
2019年夏頃のオープンを
目指し、初代の
名誉館長には
京都大iPS細胞研究所長の
山中伸弥さんが就任します。

建物を造るだけでなく、
子どもたちに向けての
連続講演も計画しています。
講師は山中さんをはじめ
衆院議員の小泉進次郎さん、
宇宙飛行士の毛利衛さん、
京都大学長の山極寿一さん
らに打診しています。

なぜ子ども図書館なのか。
「新聞を読まない、本を
 読まない子どもたちが
 増えている。活字文化の
 大切さを見直したい」
と安藤さんは言います。
大阪の子どもたちの学力
低下の一因は本を読まなく
なったことにあるのでは
ないかとも思っています。

建設費の多くは安藤さんが
出しますが、施設の運営費や
本の購入費はどうするか。
ここからが「安藤流」です。
税金に頼ったのでは何の
意味もありません。
「民の力」で子どもたちの
生きる力を
育んでいくことにこそ
大きな意味があるのです。

そう考える安藤さんは、
年間30万円を5年間に
わたって寄付してくれる
企業・団体の募集を始め
ました。
これまでに約350社が
申し込んでいます。
この中には関西電力や
阪急電鉄、京阪ホール
ディングス、近畿日本鉄道、
住友電気工業、積水ハウス、
大和ハウス工業、さらには、
サントリーホールディングス
などの企業が含まれています。

企業・団体には安藤さん
自身が、一軒一軒足を
運んだり電話をしたりして
協力を求めてきました。
「出さないところは
 大阪から出て行って
 もらおう」
「出さない会社は公表する」
などと、半ば“脅し”と
受け取られかねない言葉を
発しながらです。

その強さはなにゆえなので
しょう。
おそらく自分のためでは
ないという確信が
あるからに違いありません。
「無私」だからこそ
できることなのでは
ないのかと思うのです。

「お金を持っては死ねない」。
安藤さんの口癖です。
それを自ら実践しようと
しているのでしょう。
「しかし、世の中には
 お金を持って霊柩車に
 乗りたいという人も
 いるでぇー」ということも
実感したということです。

このような寄付集めは
世界的な建築家だからこそ
できることだろう、
一般の人にそれを求めても
無理ではないのか。
そういう見方はあるかも
しれません。

しかし、安藤さんの
心意気に共感して寄付
される人も多いに違い
ありません。
そして何よりも
「寄付文化」がなかなか
根付かない日本にあって、
安藤さんのような半ば
強引とも受け取られる
やり方は貴重なのでは
ないのかとも思うのです。
(橋本五郎 特別編集委員
 五郎ワールド 讀賣新聞3/10
 11(解説)面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。