2017年03月14日

悟りも説得も下地がなければ沁み込まない

'17年3月14日(火)
[韓国] ブログ村キーワード

その昔、旅先の宿で
隣室から朗々と謡曲が
流れてきた。
なかなかうまい。
「止めてみせようか」と
(うた)い始めたのは、
時の観世大夫である。
隣は水を打ったように
しんとなった。
自分より秀でた腕前に
驚いたらしい。

▼後日、別の宿に移ると、
隣から下手な謡曲が
聞こえてきた。
止めてください。
水を向ける弟子に、
観世は首を振る。
先日のは達人だった。
今日の人は他人の
巧拙がまだ分からない。
うっかり謡い出そう
ものなら
「負けん気を出して、
 声を張り上げるに
 違いない」と。

▼話術も同じ。
独善は慎め。
エッセー『話道の泉』で
この挿話に触れた
徳川夢声が説いている。
身につまされる話ですね、
そう思いませんか…。
熱情にのぼせる隣人の
耳には、届かぬ説法だろう。
「国民情緒」とはかくも
人の理性を狂わすものかと
鼻白む思いがする。

▼韓国・朴槿恵(パク・クネ)
大統領の罷免は予見できた
として、憲法裁判所の
裁判官全員が「弾劾妥当」
と声をそろえたのは意外
だった。
世論の約8割が弾劾を
支持し、「法より情」の
圧力が国の左右を決める。
異質な怪物が威張る隣国を、
民主国家と呼ぶことに
違和感を覚える。
▼隣人の変調に、北朝鮮は
手をたたいていよう。
対北融和と反日色の濃い
左派系の有力者が支持率で
抜き出ている。
大統領選の行方しだいで、
親北政権の誕生も、慰安婦
問題の解決に向けた一昨年の
日韓合意が白紙に戻る恐れ
もある。
事は「わが国の危機」でも
ある。
▼韓国には声で敵を討つ
という意味の「声討」なる
言葉があるらしい。
感情に任せてがなり立てる
街頭の声は、国のトップを
討ち取った。
理性の及ばぬ国情を前に
「目を覚ませ」と道理を
説くのか。
観世流の静観を決め込む
べきか。
始末の悪い“隣の謡曲”に
日本の応手が悩ましい。
(産経抄 産経新聞3/12)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック