2013年06月02日

東大で燃え尽きる学生たち、開成・灘の校長対談から

'13年6月2日(日)
[東大合格者数] ブログ村キーワード

関西では京大を受験する
学生もいるだろうから、
一慨にはいえないが・・・・。

今年、東の雄、開成高校
(東京)からは170名
(現役125名)が東大に
合格。
西の雄、灘高校(兵庫県)の
東大合格者数も105名
(現役80名)、うち27名が
医学部進学コースである
理Vに合格。

日本を代表する東西の
名門進学校校長が
日本のエリート教育の
在り方を語り合った。

(開成中学・高校校長)
柳沢幸雄:今しばしば、
「日本にはリーダーシップを
 持って国際的に活躍できる
 人材が不足している」
と言われますが、
私は必ずしもそうは思いま
せん。優れた資質を持った
子どもがたくさんいます

ただそれを育てていない

私はハーバード大や東大
などで長年、学生を指導し、
2011年に母校でもある
開成の校長に就任しました。
そこで思ったのは、
18歳の集団として世界一
ということです。
開成の卒業生はハーバードの
新入生と比べても上だと
言っていい
でしょう。

開成では手取り足取りの
受験指導や知識の詰め込みを
するわけではない。
生徒が試行錯誤しながら
自分なりの勉強法を見つけて
知識を深めていく
のです。

もう一つはリーダーシップを
とった経験が豊富
なことです。
開成では中高6年間、
ガリガリ勉強ばかりして
いた生徒なんてほとんど
いません。

(灘中学・高校校長)
和田孫博それは灘も同様
ですね。
我が校は伝統的に自主、
自立を主眼に置いた教育を
行っています。
校則もなければ、制服も
ありません

灘高生らしくといった
不文律のみ
です。

学力面でいえば、
最近は高校生を対象にした
理数系の国際オリンピックに
出場する生徒が増えてきま
した。
問題内容はかなり高度で
必ずしも学校の
カリキュラムに対応して
わけではないのですが、
知的好奇心や思考力が
学校の授業の枠を超えて
育っている一つのあらわれ
でしょう。

柳沢:興味深く思うのは、
筑波大付属駒場麻布などの
伝統的な進学校
の先生と
話をすると、自主自立の
方針は共通
していること
です。
やっぱり生徒が自分で何かを
考えて、自分で好きなことを
見つけたときが一番伸びる。

ところが、世界一だった
はずの生徒が東大に進学
すると
一転、伸び悩んで
しまう
ケースが多い。
4年後卒業する頃には
世界一どころか日本一でも
なくなるのです。
それはなぜか。
私が教えた経験から言うと
東大生は大きく、
燃え尽きたグループ
燃えているグループ
冷めたグループの三つ
分けられる
と思う。

まず燃え尽きたグループは、
入試を突破するための
洗練された指導を受けて
きた学生たちです。
高校時代に自分に合った
勉強法を身につけないままに
東大に入ったために、
教授が勉強法を教えてくれ
ない大学では
どうしていいか
分からなくなって
しまう。
“受験偏重教育の弊害”と
世間でよく言われるのは、
このケースでしょう。

一方、燃えているグループ
例えば、地方の公立高校から
数年ぶりに東大に入った
ような学生たちです。
彼らは親元から離れて
一人暮らしをして、
高校の話題で盛り上がる
連中をよそに、一人で
必死に居場所を探そうと
する

18歳でこれまでの生活に
見切りをつけ、主体的に
学ぼうとするのです。
やる気が他の学生とは違い
ます。

問題なのは、第三の冷めた
グループ
です。
首都圏の伝統的な進学校の
ように、手取り足取りの
受験指導を受けず、
課外活動にも力を入れて
きた学生たちが実はここに
陥りやすい。
開成も当てはまります。
自分なりの勉強法も身に
つけたけれど、
これまで通りの自宅通学で、
キャンパスには高校の
友達がたくさんいる。
高校時代の延長のような
感覚で、
東大にも受かったし
 そこそこ勉強すれば
 いいや
“と考えてしまう
のです。
しかも、もともと頭が良い
から必死にならなくても
それなりの成績は取れる。
これまでの成功体験が
かえって更なる飛躍を妨げ
しまう。

和田名門大学の学生でも
アルバイトやサークル活動が
楽しかったりして、
勉強なんかせんで済むやん
という意識の学生も多い
実際、誰かのノートを
ちょっと写しただけで
単位が取れてそのまま卒業
できてしまう。
それでも安易に卒業を許す
大学教育のシステムも問題

と思います。

柳沢:私は、開成の
卒業生には
「まず親元を離れなさい」
と言っているんです。
高校の頃と違う環境に
自分の身を置いて、
自分の殻を破らないと
いけない。
ハーバード大でも
学部時代はみんな寮生活
送っていますね。
そこで全米や世界各地から
集まった“燃えている
学生同士が刺激し合う
学部時代から燃えている
から、修士課程に進むと
より一層伸びていきます。

和田:欧米では定員を定めず
大学に合った人材なら入学
できる。

柳沢:入口の門戸を広げれば、
“出口管理”の重要性が
問われますね。
今のように誰でも簡単に卒業
させるのではなく、
学部の卒業時には、東大の
学士に相応しい能力に達して
いるか厳しく見極めないと
いけない

私も東大で教えていたときは、
就職が決まっている学生でも
落第させました。
(開成中学・高校校長柳沢幸雄/
 灘中学・高校校長和田孫博 校長対談 
 東大で燃え尽きる学生たち
 文藝春秋‘13年5月号抜粋)


参考
 柳沢幸雄('47/4/14 - )
  東京大学大学院教授
  (2012年3月に退官)。
  工学博士。
  開成中学校・高等学校
  校長(2011年〜)。
  (Wikipedia)

 和田孫博 ('52年6月〜)
 ‘65年公立小学校から
  灘校へ、
  京都大学文学部卒業後、
  母校に英語科教諭として
  就職。
  野球部の監督・部長を
  務める。
  2007年から
  灘中学校・高等学校長。
  (SPYSEE)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 憂国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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