2012年08月10日

ハンマー投げの奥深さ、父重信氏が語る室伏広治の世界

'12年8月10日(金)
[ロンドン五輪] ブログ村キーワード

以前「さだはる」という
言葉が流行った。

野球の王貞治氏の活躍から
造り出された若者の言葉で
年齢の割に頑張っている
ことを差して
「貞はっている」と
使われた。

ロンドン五輪
ハンマー投げで「銅」の
室伏広治選手は
数え年38歳、文字通り
「貞はっている」とは
いえないだろうか。


中京大名誉教授の
室伏重信さんは、
1945(昭和20)年生まれ。

元陸上競技選手、陸上
競技指導者。
専門はハンマー投。
五輪代表4回・
日本選手権10連覇・
アジア大会5連覇などの
金字塔を打ち立て
「アジアの鉄人」とうた
われた(Wikipedia)。

NHKラジオ深夜便での
対談から、御子息
“室伏広治”選手の
成長記録を覗いてみる。


---1984(昭和59)年、
38歳で75b96という
日本記録を樹立。
98(平成10)年、
その記録を破ったのが、
当時23歳の広治選手
だが?
室伏:ほんとうによかった
と思います。
私の記録を超えていかない
と、世界では勝てませんの
でね。

それよりも、
よくこれまで来たなと。
なにしろ、陸上競技を
始めたときの広治は
体が細すぎて、
ハンマー投げには向かない
と考えていましたから。

---特別な教育方針は?
室伏:競技スポーツは、
自分が高まっていく実感が
あるから面白い
んですね。
競技を通じてそこを自覚
して
自然に競技者に
なっていった
ということ
だと思います。

---広治さんの幼いころの
身体能力は?
室伏:赤ん坊のころから、
かなり高かったですね。
生後4、5か月で
物干しざおにつかまらせて
みたら、
小さな手なのに
ぶら下がって懸垂みたいな
ことをした
りしてね。
それから、寝転がっている
広治の足を押さえて
「広ちゃん」と呼ぶと
腹筋を使って
ぐっと上体を
起こしました
(笑)。
よく病気もしましたけどね。
風邪をひいたり、熱を出し
たり。私も小さいころ、
そうだったんですよ。

---スポーツに関して
英才教育のようなことは?
室伏:英才教育ということ
ではなくて、
いろいろなスポーツに
親しんではいました。
野球に水泳、テニスも
やったし、少林寺拳法にも
通っていました。
ハンマー投げは、10歳の
ときに。
私の真似をして、
よく軽いハンマーで遊んで
いたんですが、
自己流じゃだめだと思って、
フットワークですとか
ハンマーを動かす
ポイントを、3日ほどかけて
教えたことがあります。
それでハンマー投げの
動きががらっと変わって
一挙によくなりましたね。

これは一般論ですが、
競技者の素質は
体力と体型だけではな
くて、
センス、つまり器用さ
リズム感そのた多くの
感覚的な能力が
非常に重要
なんですね。

人間の感覚が
ぐんと育まれるのは、
12歳前後まで
なんです。
特に8歳から12歳の時期を
逃してしまうと、
どんなにいい指導者に
ついても身に付きにくい。
覚えの早さでは、
10歳くらいの子どもに
大人は勝てないでしょう?

---広治さんは
陸上競技の名門
千葉県成田高校へ進学
室伏:そのころの広治は
身長が175a前後、体重は
62、3`とひょろひょろ
でしたから、
ハンマーはちょっと難しい
なと思っていたんですよ。
でも、
「ちょっと教えてくれ」
と言うので投げさせて
みたら、
すごいセンスを持っているな
と感じましたね。
10歳のときに教えたことが、
きっちりできている
んですよ。

大学を卒業してから
ようやく大きくなり始め
ましたが、
2000年に初めて
80bを超えたときも、
体重は90`そこそ
こ。
海外の一線級は
みんな120`とか140`
ですから。
だから、広治が80bを
投げたときは、
世界中の選手や指導者が
驚いた
んです。

---重信さんのスランプ
室伏:当時のスポーツ界は、
勝つためには猛練習
あるのみという時代です。
その猛練習が逆効果だった
ということもある
でしょうが、
要するに、間違った練習
だったということです。
学生たちにも
よく言うんですが、
「悪いフォームで
 1万本投げたってだめ」
と。
かえって飛ばなくなるん
ですよ。

辞めようという気持ち
にもなりましたけど。

心・技・体のうち、
何が自分に足りなかった
のか。

12時間ぶっ続けで
300本投げる猛練習にも
耐えたのだから、
心の面は大丈夫。
体力は(ライバルと)
同じくらい。
残るは技術、まさしく
そこだと。

8ミリカメラで
私のフォームを撮影して
もらい、(ライバル)の
フォームも撮りましてね。
それを部屋の襖に映して
ひたすら見て比較しました。
勤務が終わると
グラウンドには行かずに
ずっと。
時には明け方まで見る
こともありました。

最初は見る目がないため
違いがわかりませんで
したが、思いついて、
画面の上半分を隠して
見てみたんです。
足の動きだけを
3時間ぐらいずうっと見て
いたら、
動きの違いが見えてきた。
そうやって身体の各部位を
見ているうちに、
効率よい動きのアイデアが
次々に湧いてくるように
なったんです。
ハンマー投げは
自己のアイデアを体で
表現するもの
だと確信
しました。
それが、スランプ脱出の
転機でした。

---ハンマー投げの魅力は?
室伏:スランプは、
「壁」「障害」など
いろいろな言葉で表され
ますが、
逃げてしまうと
自分が高まっていかない

そこを超える作戦を
練るから自分が高まる。
乗り越えたときの喜び
なるんですよ。
(室伏重信 ハンマー投げの
 頂点を目指して 聞き手松本一路
 ラジオ深夜便'12/8 no.145
 NHKサービスセンター 抜粋)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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