2010年11月28日

対話による異分野の融合を図れと田中耕一さん

'10年11月28日(日)
[コミュニケーション] ブログ村キーワード

10年ほど前、就活に飛び
回っていた息子が、
コミュニケーションの
大切さを口にしていた。

コミュニケ−ションが
息子の理系にとって
文系と同様に重要なものだ
ということが想像できないで
今日まできた。

ところが、
「若手研究者を育む」
というテーマで開かれた
ノーベル賞受賞者を囲む
フォーラムで
‘02年に化学賞を受賞した
田中耕一さんは次のように
話された。

(基調講演の該当箇所)
ノーベル賞につながったのは、
たんぱく質の種類などを
特定する質量分析の研究。
レーザーを当てて
たんぱく質をイオン化
させるが、直接当てると
たんぱく質は壊れてしまう。
そこで、たんぱく質に
金属片やグリセリンという
物質を混ぜると、
それがクッションとなって、
壊さずにイオン化させる
ことができた。

たんぱく質の質量分析は、
私の成果だけではでき
なかった。同僚がイオンを
適度な大きさに分けて
測定する手法を開発するなど、
世界中の研究者がかかわった。
異分野の人が集まった
チームワークが成功の
カギ
だったと言える。
ただ、チームワークとは、
単なる仲良しクラブという
意味ではない。
積極的に自己主張し、
異なる意見を尊重しあえる
こと
が大切だ。

こうした異分野の人が
アイディアを出し合う
「異分野融合」は、
自動車、家電など日本の
ものづくりで進んでいる。
しかし、基礎研究から
応用への橋渡しでは、
海外に比べ遅れている

異分野融合をもっと
広げれば日本はまだまだ
伸びる。

現在、私は国の最先端
研究開発支援プログラム
の一つとして、
産学官で、感度を1万倍
以上高めた質量分析装置の
開発を進めている。
その中で、20歳代の
女性研究者が、化学反応の
実験で失敗し、
狙いとは異なるイオンが
高感度に検出されたことに
気づいた。
こっちの方法が良い。
化学でなく、生物が
専門の彼女だからできた
発想で、病気にかかわる
糖鎖検出につながった。

素人だからできる発見が
ある。だからこそ、
先人の役割は、
若手が挑戦して失敗した
ときに、それを乗り越えて
伸びられるような場を
つくることではないか。
私自身も、多くの
「育てていただく場」を
もらった。

若い人には、夢破れて
挫折した時でも、
知恵は少ないと思って
いても、別の道に生かせる
かもしれないことを
忘れないでほしい。
挑戦すれば、必ず
道が開けるからだ。
(ノーベル賞受賞者を
 囲むフォーラム
 讀賣朝刊11/12 22面)


これに続くパネル討論で、
ソニー業務執行役員SVP
熊谷修氏は

若者には、世界の人々と
コミュニケーション
しながら競い合う体験を
してほしい。
感性豊かな時期に、
様々な経験をし、失敗を
乗り越える力は研究や
好奇心の原点(同記事)

と話す。田中耕一氏は

科学者、技術者はもっと
おしゃべりになる必要が
ある。私が若い頃は、
自分で話さなくても、
評価してくれる目利きの
人がいた。しかし、
化学技術の役割が大きく
なっているにもかかわらず、
逆に評価する人や説明する
人は少なくなっている。
自分たちでどんどん発言
してほしい
(同記事)

と語る。

参考 
 SVP(=シニア・
  バイス・プレジデント)
  ※EVP(=エグゼクティブ・
  バイス・プレジデント)
posted by (雑)学者 at 14:14| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
グーグルアラートで遭遇!田中耕一フェローと糖鎖、そして雑学者に興味を惹かれての書き込みです。タンパク質の質量を測ることができたことでの、近年の糖鎖解析の進展なんでしょうね
Posted by 情報や本舗 at 2010年12月02日 08:25
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