昔、
お釈迦さまが
霊鷲山
(りょうじゅうせん)に
おられたとき、
王舎城にレンゲ
という
美しい女性が
いました。
この女性の
美しさは、
他に比べようが
ないほどで、
人々の羨望の的に
なっていました。
ある日レンゲは、
ふと世の中の
無常を感じ、
出家することを
思い立って
霊鷲山へ
向かいました。
途中、
水を呑もうとして
川に近づくと、
自分の美しい姿が
水面に映り、
自分の姿に
見とれている
うちに、
出家することが
バカバカしくなり、
もと来た道を
引き返しはじめ
ました。
お釈迦さまは
この様子を
ご覧になって、
レンゲにも勝る
絶世の美女に
姿を変えられ、
途中でレンゲを
待って
おられました。
レンゲは、
帰る途中で
この女性に出会い、
たちまち
意気投合し、
しばし
泉のほとりで
語り合いました。
そのうち、
美人の女性は
眠たくなったと
いって、
レンゲの膝を枕に
眠って
しまいました。
レンゲが
その美女の寝顔に
見とれている
うちに、
美女は
息が止まり、
死骸は
腐りはじめ、
皮は破れ、
髪は抜け、
歯は落ち、
臭気が
ただよい、
うじ虫まで
湧いてきて、
ついには
骸骨になって
しまいました。
レンゲは、
その様子を見て
「いかに
美しくても、
死ねば
この通りである」
と思い直し、
ついに
出家することを
決心しました。
お釈迦さまは
「人は誰しも
必ず
老いていくもの
である。
人は誰しも
必ず死ぬもの
である。
親兄弟など
親しく
集まっても、
必ず
別れなければ
ならないもの
である。
いかに金持ちに
なろうとも、
その財は
必ず
離れてしまうもの
である」と
お説きになり
ました。
レンゲは
仏のおしえを
聞いて
悟りを得ることが
できたのです。
(蒼竜寺住職公方俊良
般若心経90の知恵
三笠書房
知的生きかた文庫)
タグ:出家 老 死 悟り

del.icio.usに追加
Googleに追加
Technoratiに追加
Diggに追加




