世界同時不況からの
回復競争に例えれば、
中国経済が
頭一つ抜け出した
というところだろう。
大型の景気刺激策の
効果が、
各国に先がけて
現れた形である。
ただ、
現時点での回復は、
公共事業による特需
に支えられている
側面が強い。
中国が以前のような
高度成長軌道に
戻れるかどうか、
今後の動きを
なお見守る必要が
あろう。
景気回復の最大の
要因である
大型の景気刺激策は
総額で4兆元
(約53兆円)に
上るが、
その7割余りは
地方における事業だ。
設備と建設を
合わせた投資総額は、
7〜9月期も
前年同期比で
33%の高い伸びと
なった。
道路、鉄道、港湾
などの
中央直轄事業に加え、
住宅やビルなど
不動産開発が、
全国で活発に実施
されていることが
背景にある。
輸出入を合わせた
貿易総額は欧米向け
輸出の回復が
見られず、
7〜9月期は
17%減だった。
だが、
前期の22%減、
前々期25%減に
比べ、
減少幅は縮まり
つつある。
同時不況後、
大幅に改善した
日本との貿易にも
改善の兆しが
見られ、
中国経済の回復は
日本経済にとって
追い風となって
いることが分かる。
農村での
家電購入の補助金
支給や、
都市部を含む
自動車取得税の
減税にも
かかわらず、
個人消費全体の
伸びは
1〜9月で15%だ。
こうした政策が
なかった中で
2割台だった
1年前と比べて、
伸び悩みは明らかだ。
中国政府は
生産過剰に陥って
いる鉄鋼、造船、
セメント、板ガラス
など8業種に対し、
新規計画や
銀行からの融資を
抑制する方針を
打ち出した。
産業構造の転換に
つなげるためにも、
徹底した改革が
必要だろう。
党官僚の腐敗や
少数民族問題に
悩む胡錦濤政権に
とって、
経済成長は、
国民の信任を
得るための
唯一のカードだ。
一方で中国は、
最大の二酸化炭素
排出国になり、
環境問題への
一層の取り組みも
迫られている。
国民の貧富の格差
是正など様々な
難題を抱えつつ、
開発と環境に
どう折り合いを
つけるか。
世界はこの点にも
注目している。
(讀賣朝刊10/24社説)

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