「がん」という言葉は、
がんが、結核、エイズ、
心筋梗塞などと同じ、
1つの病気であるという
誤解を与えます。
しかし、
がんは千差万別で
治癒率が
99%のがんも、
0%に近いがんも
存在します。
どちらも同じく
「がん」と
呼ばれますが、
患者さんの
立場からすれば、
とても
同じ病気には
みえないはずです。
がんはDNAの
コピーミスが
原因ですので、
1つとして
同じがんは
存在しないのです。
しかも、
がん細胞は、
どんどん突然変異を
くりかえしして
性質が変わって
いきます。
ですから、
すべてのがんは
それぞれに違った、
「世界に1つだけの」
病気なのです。
しかし、
どの臓器から
できたものか
によって、
がんの性質は
おおよそ決まります。
たとえば、
タチの悪さで言えば、
@膵臓がん、
A肝臓がん、
B肺がん、
C乳がん、
D前立腺がん、
E甲状腺がん、
の順で、
番号が小さいほど
より悪質です。
結核や肝炎などの
感染症であれば、
細菌やウイルスが
カラダのなかなら
消えれば
完治を意味します。
しかし、
がんの場合には、
毎日5000個もの
がん細胞が
新たに発生している
こともあって、
がん細胞が
カラダから完全に
なくなることは
ありません。
乳がんや
前立腺がんなどでは、
治療後20年以上
経って
がんが再発することも
あるのです。
この場合、
過去に治療を行った
同じがん細胞が
再発するわけですが、
カラダのどこに
潜んでいるのか
よくわかって
いません。
しかし普通は、
治療後5年間
再発しなければ
まず
大丈夫だろうと
考えて、
5年生存率を
治癒率として
使っているのです。
ただし、
乳がんや前立腺がん
では、10年生存率を
もって治癒率と
考えることが
一般的。
がんが完治したと
100%断言することは
不可能です。
がんの治癒とは、
「再発しない確率が
非常に高くなった
状態」と
考えるしかありません。
(東大病院放射線科
助教授、緩和ケア
診療部部長中川恵一
がんのひみつ
樺ゥ日出版社)
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参考
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