2009年09月27日

人が冥土に土産で持っていけるもの

'09年9月27日(日)

昔、4人の妻を
持っている金持ちの
男がおりました。

彼は年老いて
死期が近づいて
いました。

そこで4人の妻を
枕元に呼び寄せて
いいました。

まず、第一の妻に
「お前は、
 立っているときも
 座っているときも、
 働いていつときも
 休んでいるときも、
 絶えず気にかけ、
 毎日のように
 風呂に入れたり
 整髪してやり、
 寒いにつけ
 暑いにつけ
 いたわり、洋服でも、
 食べ物でも、
 旅行でも、
 望むものは何でも
 いうがままに
 聞いてやった
 そこで
 頼みがあるのだが、
 わたしといっしょに
 冥土へ行って
 くれないだろうか」
と頼みました。

すると第一の妻は
いかにわたしを
 愛してくださっても
 いっしょに行くことは
 できません」
と断りました。

仕方がないので
第二の妻に
「お前は
 大変苦労して、
 人と争ってまで
 得た妻
で、常に
 わたしの傍において
 大切にしてきた

 わたしといっしょに
 冥土へ行って
 もらえないだろうか」
と頼みました。

第二の妻は
「あなたが
 わたしを愛し、
 わたしを得たのは、
 あなたが勝手に
 わたしを求めた

 すぎません。
 わたしはこの場で
 お別れします

とつれなく
断りました。

今度は、第三の妻に
「お前は、
 お金をかけて育て、
 なぐさめ合ったり
 語り合ったり
して
 きた。
 いっしょに冥土まで
 行って
 くれないだろうか」
と頼みました。

第三の妻は
「わたしは
 あなたのご恩を
 受けておりますから、
 墓場までは
 お見送りいたします

と答えました。

とうとう第四の妻の
番になりました。
「お前には何一つ
 思いをかけも
 しなかった
が、
 わたしの意のままに
 つき従ってくれた。
 こんなお前に頼むのは
 どうかと思うが、
 いかがだろうか」
と遠慮がちに
頼みました。

すると第四の妻は
「わたしは
 苦しくても楽しくても、
 あなたのゆかれる
 ところなら
 どこへでも

 お供いたします」
と答えました。

金持ちの男は、
そのときやっと
人生の真の伴侶とは
誰かを知り、
喜んで第四の妻と
いっしょに冥土へ
旅立ちました。

さて、
この第一の妻とは、
自分の身体です。
いくら愛しても、
肉体は死と共に
別れてしまいます。

第二の妻とは、
お金や財産です。
どんなに苦労して
貯えても、
死ねば
その場の別れです。

第三の妻とは、
夫婦、親子、兄弟、
親戚、友人、縁者
です。
墓場までは
涙ながらに
見送ってくれます。

第四の妻とは
です。
よいときも、
悪いときも、
心だけが永遠の
伴侶
なのです。
(蒼竜寺住職公方俊良
 般若心経90の知恵
 三笠書房
 知的生きかた文庫)


9月は親類の葬式が
二つあって、
読経を聞きながら、
第三の妻は
そんなことを
考えていました。
posted by (雑)学者 at 08:17| 東京 曇り| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2009-09-27 19:43