2008年09月08日

急告!志をもった先駆者求む

'08年9月8日(月)

原油や食物の輸入価格が急騰し、
世界中がその早急な対処の必要に
迫られて困惑しています。

しかし、こういう現象は、
今に始まったことではなく、
わが国にも過去に起こった
ことがあります。

「元禄時代の頃、すでに荻生徂徠
 などは、日本中の米の相場を
 自由にすることのできるものは、
 武士ではなくて町人であると
 いいきっている。

 そして年貢米の徴収の上に
 あぐらをかいていた大名の財政は、
 破綻の一歩手前にあるのだ。

 封建社会の危機は、質地制限令などを
 布いて、百姓が土地を手放すことが
 ないように、その維持を考えてゆくが、
 しかしどうにもならないのである。

 だが、封建社会の危機が、いよいよ本格化
 してゆくのは、安政の開国のあたりからで
 あろう。
 享保から安政の頃までは、少なくとも
 百年くらいの年月が流れている。

 そうした危機が本当に目前にやってきたとき、
 人間は初めてその社会や国の運命について
 考える。
 このときであっても、
 すべての人がそのように考えるとは
 限らない。
 大多数の人々は日常の生活に追われている。
 あるいは、ともかくも得ている平安のなかで
 動き出す気持ちをなくしているのだ。

 先駆者というものは、その危機を、
 時代がそこまで動かないときに、
 すでにさきに知っているというものである。

 そして、その危機の進行を、
 その前途において見すえ、
 それに如何に対処すべきかを考えている。

 たとえば、わが国が鎖国を解いて、
 積極的に外国との貿易関係に入ってゆくのは
 明治政府が成立してのちの問題であるが、
 しかしそれよりも遥かに早く、
 天明の頃(18世紀後半)、幕府が厳(がん)
 して鎖国の体制をつづけていたときに、
 海外貿易の重要性を説き、日本人の海外への
 進出を主張した人がある。
 本田利明だ。
 ------中略------
 しかし、ほとんどの人が気がつかないでいる。
 いや、逆にそのような前途を予測する者が
 あれば、
 むしろその人を危険視するのだ。
 奈良本辰也著 志とは何か(旺文社文庫)から抜粋」

われわれは、今、心の平安を得ているといえる
のでしょうか。

与野党とも、総選挙に向けて、臨戦態勢に
入ったようだが、選挙は当面は政治家のもの
であっても構わないと思います。

しかし、その闘いが済んだ暁には
国民が求めている人は、
わが国を元気にすることに、情熱を傾けて
くれる人だということを忘れないで
欲しいのです。

辞任する首相や閣僚が何もできなかったこと
を非難するのではなく、そろそろ国を挙げて、
できる仕組みを考えなくてはならないので
はないだろうか。

北京五輪100m金メダルの
ウサイン・ボルト(ジャマイカ)といえども、
手枷(かせ)や足枷をして走れば、
あの記録、9秒69は出せないでしょう。

瀕死の患者を運びこまれた病院で治療方針が
決まらずに、手を拱いて手遅れになるのは
医療ミス以前の問題です。

国民の側にも大きな責任が生まれるでしょう。
政治に国家運営の下駄を預けるだけではなく、
先覚者の主張に耳を傾けて先駆者たらんとする
政治家の主張には胸を開いて聞きとめる姿勢が
礼儀としても求められましょう。

一億総評論家といわれて久しく時間が過ぎて
いますが・・・・・・。

参考
 荻生徂徠(おぎゅう-そらい)
  江戸中期の儒学者
  初め朱子学を学び、のち古文辞学を唱道、家塾を開く
  柳沢吉保、8代将軍徳川吉宗への政治的助言者
  政教分離を説いた政治改革論「政談」を吉宗に提出
      (広辞苑、Wikipedia)

 本田利明(ほんだとしあき)
  今井兼延に数学を、千葉歳胤に天文学を、山形大弐に
  剣術を学んだ 
  交易の道を開き民族を改善することを痛感
  通商交易による国富の増進を主張
  著書に「西域物語」、「経世秘策」、「自然治道之弁」、
  「経済総論」、「経済放言」、「渡海新法」など
      (Internet情報)

 質地制限令(質流れ禁止令)
  吉宗が享保6年(1721)12月に出した禁止令
  満期に証文を書きかえさせて、質流れの田畑が
  出ないようにした
  農民が質入れ地を取り返してくれる将軍の命令と
  読み取ったため、騒動が起こり、翌年この法令を
  撤回した(日本の歴史 9ゆらぐ封建制・読売新聞社)

 安政の開国
  米、英、露と和親条約------------嘉永7年=安政元年(1854)
  蘭と和親条約-------------------安政2年
  米、蘭、露、英、仏と通商条約-----安政5年(1858)
       (日本の歴史 10明治維新年表・読売新聞社)




posted by (雑)学者 at 00:00| 東京 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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