紀州の南高梅や大粒の豊後梅は
ポピュラーで、
スーパーの野菜コーナーでは
焼酎、氷砂糖、ビンなどと
梅酒造りに必要な
一式として並んでいます。
今年は梅の当たり年らしく、
あちこちで知人から
梅をもらった話を聞きます。
梅といえば、以前は
ゆすらうめ
(山桜桃梅、桜桃、梅桃)が
つるべで水を汲んでいたころの
井戸端にありました。
小学生のころ、
近所の同級生が
垣根をくぐってきて
その実を食べているのを
見つけました。
とがめだてはしなかったのに
彼は井戸の縁に上がり、
こちら側に跳んで見せて
縁に立つつもりが失敗して
井戸の中に落ちました。
親に知らせる前に、
物置からはしごを持ってきて
中に降ろすと
衣類が体に張り付いた
ぬれ鼠がはしごを昇って
きました。
靴は跳ぶ前に脱いでいた
ようです。
ゆすらうめを食べにきた
のではなく
井戸を跳び越しにきたと云った
ように記憶しているが、
謝罪のつもりの“芸”の披露に
変えたのでしょう。
子ども同士の
信義則としての
口止め料でも
あったと思います。
昨今、
謝罪の記者会見をよく
見かけるが、
発覚後のセレモニーとして
織り込み済みのようで、
伝わってこないものが
あります。
凶悪犯が捕まって、
辺りを睥睨するようにして
連行される
引かれ者の小唄のタイプも
よく見かけるが、
謝罪もこの開き直りと
同じようなものに
なってきたように
思えてなりません。
同窓会の企画があるが、
井戸を跳んだ彼は
居所不明で出欠の返事が
もらえません。
まさか、
井戸を跳はなければ
ならないのと
同じようなことは
その後はしていないとは
思いますが・・・・・。
その井戸は、普請のときに、
砂を運んで埋め、
今は同じ水脈から
ポンプで汲んで
水道として使っています。
井戸は埋めたのに、
そこへ行くと
思い出は、まだ、
今はないゆすらうめとともに
そこにあります。
参考
桜桃 (ゆすらうめ)




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