2021年01月30日

医療関係者の仲間割れはコロナに隙を与えるようなもの

‘21年1月30日(土)

旧ソ連時代の有名な小話である。
赤の広場で酔っ払いが叫んだ。
「ブレジネフの大ばか野郎!」。
すぐに公安警察官がやってきて
逮捕された。
容疑は当時の書記長の
「国家機密漏洩」というのが
オチである
▼旭川医科大学の古川博之
病院長は、なぜ解任されたのか。
学内会議での吉田晃敏学長の
発言を外部に漏らしたことが、
理由の一つとされた。
「コロナを完全になくす
 ためには、あの病院が
 完全になくなるしかない」
▼クラスター(集団感染)が
発生した病院に対して発した、
医師としての品性を疑う暴言
である。確かにけっして
週刊誌に漏れてはならない
機密だった。
ただし、漏洩について
古川氏は否定している
▼コロナ患者の受け入れを
めぐっての吉田学長の発言に
ついては、古川氏への
パワーハラスメントの疑いが
あり、文部科学省の調査が
続いている。
何より今は、コロナ対応を
優先すべき時期のはずだ。
市内の基幹病院の調整役も
務めてきた古川氏の任を
解くのは、道理が通らない。
市民から疑問の声が上がるのも
当然である
▼今回の騒動から、大学病院を
舞台にした往年のベストセラー
小説「白い巨塔」を連想した
人も少なくないだろう。
作者の山崎豊子さんは
題名についてこう書いている。
「外見は学究的で進歩的に
 見えながら、その厚い強固な
 壁の内側は、封建的な
 人間関係」によって
築かれている「非情な世界」
▼権勢欲の強い主人公は
誤診で患者を死なせながら
罪に問われず、かえって
患者に寄り添った良心的な
医師が大学病院を追われる。
そんなシーンで小説は
完結するはずだった。
もっとも読者は結末に納得せず、
山崎さんは続編に
取り組まざるを得なくなる。
旭川の白い巨塔の物語に
続編はあるのだろうか。
(産経抄 産経新聞1/29)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする