災害時の救援活動や
新型コロナウイルスへの
対応で、自衛隊への共感は
定着したようだ
◆読売新聞社と
米ギャラップ社の日米共同
世論調査では、
日本で信頼されている
組織や公共機関のトップは、
東日本大震災のあった
2011年から9回連続で
「自衛隊」だった。
昨年は首位を「病院」に譲り、
自衛隊は2位となったが、
その信頼感が落ちたわけ
ではなかろう
◆豚コレラが流行した
数年前、豚の処分に従事した
自衛隊員を取材したことが
ある。
「鳴き声が頭から離れず、
眠れない」と語っていた。
今は、鳥インフルエンザの
対処に多くの隊員が各地で
携わっている。心労は
計り知れない
◆ただ、自衛隊が活躍する
場面は本来、少ない方がいい。
吉田茂元首相は1957年に
防衛大学校で、
「自衛隊が国民から歓迎され
チヤホヤされる事態とは、
外国から攻撃されて国家
存亡の時とか、災害派遣の
時とか、国民が困窮し
国家が混乱に直面している
時だけだ。君たちが
日陰者である時のほうが
国民や日本は幸せなのだ」
と訓示したという(回想十年)
◆自衛隊は日陰者ではないが、
的を射ている点は多い。
今年はどうか。
(編集手帳 讀賣新聞1/4)
ラベル:自衛隊 コロナ 信頼感