2020年11月05日

人間に関わることで自分に無縁なことは何一つない

‘20年11月5日(木)

時は明治。日本から
土耳古(トルコ)に留学して
東西の結節点の歴史文化を
学ぶ若き学徒、村田くんは、
各国から集う宗教の異なる
下宿仲間たちと、時に
けんかをしたり、議論を
戦わせたりしながら
世界の成り立ちを知る。
梨木香歩さんの小説
「村田エフェンディ滞土録」
である
▼なぜ、彼は遠国に招かれた
のか。1890年の
「エルトゥールル号」の
遭難が契機だ。
オスマン帝国の皇帝から
天皇への親書を携えた艦船が
帰途、和歌山沖で座礁した。
地元漁民らの献身的な救命・
看護活動に、皇帝がいたく感激。
両国の友好の深まらんことを
願って、留学生に未来を託す――。
史実を踏まえた筋立てだ
▼1999年のトルコ北西部
地震では、消防庁の職員らが
現地入り。
崩壊した建物のがれきから
74歳の女性を救出。
安否を気遣う住民から
日本の救護チームに
盛大な拍手が送られた。
東日本大震災では、
トルコの支援団が
宮城県利府町を拠点に、
3週間にわたり行方不明者の
捜索に汗を流してくれた。
誇らしい交流の歴史だ
▼先日、トルコで発生した
地震。今も救助を待つ人がいる。
コロナ禍で国際的な支援は滞る。
「私は人間だ。およそ人間に
 関わることで、私に無縁な
 ことは一つもない」。
梨木さんの小説で、村田は
下宿仲間の言葉を生涯胸に刻む。
誰もが米大統領選の報道を
注視する。海難事故から130年。
旧友の困難にも心を寄せたい。
(春秋 日本経済新聞11/4 1:25)
ラベル:トルコ
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする