2020年05月22日

日本社会には世間のルールがあると「世間」評論家佐藤直樹氏

‘20年5月22日(金)

〇「世間」評論家佐藤直樹氏

感染拡大を受け、国内では
多くの人が、不要不急の外出自粛や
休業要請に応じてきました。
罰則はないのに、なぜ従うのか?
私の考えは簡単です。
日本には、欧米にない「世間」が
あるからです。

私は、
「世間=日本人が集団になった
 時に発生する力学」と定義して
います。
そこでは、みんな同じでないと
いけないという「同調圧力」が
かかり、人々は行動を自主的に
規制します。
日本には、法律とは別の
「世間のルール」があるため、
罰則のない「要請」で必要十分
なのです。

ただ、こうした「世間」には、
負の側面もあります。

感染者や医療従事者、その家族を
差別し、世間から排除しようと
する動きが目立っています。
それは、同調圧力の強さゆえで
しょう。
厄介なのは、新型コロナウイルスが、
感染しても症状が出ない場合が
あることです。
つまり、誰が感染しているか
わからない。
その不安や恐怖が、差別や
バッシングを肥大化させている
ように思います。

最近では、外出者や休業しない
お店をSNSなどで名指しで
非難する「自粛警察」と
呼ばれる現象も起きました。
直接、自分が迷惑を被ったわけ
でもないのに、世間がそれを
許さないと思い込んで過激に
非難しています。
この背景にも、「空気を読め」
という同調圧力があるのでしょう。

実際に非難されてみないと、
世間の怖さを意識することは
ありません。
私たちは、世間に生きている
ことを自覚し、そのあり方を
考えてみるべきです。
そうすることで、もう少し
風通しのよい世界に変わっていく
はずです。
(聞き手・板倉拓也)
(コロナに思う 讀賣新聞5/21 25(社会)面)


参考
佐藤直樹
九州工業大学名誉教授。
専門は刑事法学・世間学。
「世間」の観点から学問や
事象を見直す
「日本世間学会」の設立に
携わる。(記事注記)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする