2020年05月15日

新型コロナ禍で、捕っても作っても売れない水産物や農産物

‘20年5月15日(金)

〇漁業
スーパーに手ごろな値で
刺し身用のブリが並んでいた。
さっそく買って、
冬場のよりも白みがかった
一切れを口にする。
上品な脂がほどよく乗り、
おいしい。きのうの本紙にも
夏ブリ異例の漁獲好調」との
記事があった。
千葉県など太平洋側でよくとれて
いるようだ
▼時ならぬ豊漁のめぐみに
加えて、近ごろは、これまで
値が張って手を出しにくかった
魚介類も求めやすくなり、
鮮魚の売り場は華やかさを
増した感がある。
新型のコロナウイルスの
感染拡大で多人数の宴会が
取りやめられ、さらには
飲食店からの引き合いも
減って、
地域のありふれた店舗に
したたり落ちてきたので
あろう
▼マダイは1サクが400円前後、
煮付けにも刺し身にもできる
キンメダイが1尾1000円ほど。
ホンマグロだって
背伸びすれば買えそうだ。
漁業関係者は安値ゆえの
苦境にあるに違いない。
ならば、不漁で去年は
なかなかお目にかかれなかった
サンマやイカの分まで食べ、
激減した需要を微力ながら
下支えしたいものだ
▼政府が今日(14日) にも
東京都や大阪府などを除き、
緊急事態宣言の解除を表明
する。
日常が着実に取り戻せれば、
高級な魚介も本来行くべき
場所へおさまるのだろう。
解除後も密閉、密集、密接を
避ける暮らしは続く。
でも、少しだけ密になった
魚さんたちとの仲は、
このままにしたい気もする。
疎遠になるのはちょっと
寂しい。
(春秋 日本経済新聞5/14)

〇農業
空豆は若い緑のサヤを
空に向けて立つことから、
その名がついた。
「5月の豆」とも呼ばれ、
今頃の時節に焼いたり、
ゆでたりしたものがビールの
お供になる
◆例年なら、居酒屋などで
飛ぶように売れたのかも
しれない。
何日か前、近所の青果店で
袋詰めを勧められた。
今年は暖冬のため実が
ふっくらして上出来に
育ち
ながら、需要の低迷でかなり
安いのだという。
農業の方々はさぞ残念なこと
だろう
◆気温が汗をかくほどに
高くなるなか、39県で
緊急事態宣言が解かれる
見通しになった。
居酒屋で味わう冷えたビールとの
コンビに、間に合った地域が
あるということだろう
◆とはいえ、加減よく踏み出して
いただきたい。
宣言の解除は安全宣言ではない
のだから・・・と、とりあえず
申し上げておくものの、
何日も続けて感染者を出さな
かったのは地域の努力の
成果にほかならない。
緩みは禁物だが、頑張った
人にはご褒美が必要である
◆それにしても青果店で
手にとった空豆の値は生産者が
気の毒になるほどだった。
素十の句を思い出す。
<豆飯に一汁あればよからんか>。
豆ご飯なら、どの地域の人も
旬に間に合う。
(編集手帳 讀賣新聞5/14)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする