2020年04月30日

コロナ禍でも投げ出したら赤塚不二夫さんに笑われる

‘20年4月30日(木)

「僕はものすごい
 恥ずかしがり屋なの。
 しらふじゃあなたの顔も
 まともに見られない」。
8回目の退院の日と重なった
取材の途中で、
赤塚不二夫さんはコップに
焼酎を注ぎはじめた。
米映画をもじり、
「人生は、酒とギャグの日々」
と笑った。20年ほど前のこと
である
▼おそ松くん、天才バカボン
といったギャグマンガの数々は
スタッフらと
「バカを競うように」飲み
描いてきた
その結果、少女マンガでも
傑作を生んだ細かな線を引く
力を奪われ、
「婦人科以外のすべての病」を
得る。それでもこの道しか、
このやり方しかなかったのだ。
そんな達観と満足感をたたえた
笑顔に思えた
▼赤塚さんは旧満州で生まれ
育った。敗戦の混乱のなか、
母親に手を引かれての
引き揚げが原体験となる。
幼い胸に刻み込んだ言葉は
「没法子(メイファーズ)」。
中国語で「しかたがない」の
意味だが、それはあきらめ、
投げ出すことではない。
悲しみも不条理もすべてを
受け入れ
、そのうえで前へ歩む
そう受け止めた
▼会いたい人と会っては
いけない。
行きたいところへ行っては
ならない。私たちもいま、
不条理のさなかにある。
災いがすぐには去らない
以上は、倦まず弛(たゆ)まず
明日へ向かうしかない。
そう念じれば少しは気持ちが
軽くなるだろうか。
赤塚さんは没法子を自分流に
訳して
、バカボンのパパに
言わせ続けた。
これでいいのだ
(春秋 日本経済新聞4/29)

参考
没法子
⇔有法子(ユーファーズ)

『酒とバラの日々』
(Days of Wine and Roses)
1962年制作のアメリカ映画。
アルコールに溺れてゆく
カップルの悲劇を描いた
シリアスドラマ。(Wikipedia)

酒と薔薇の日々 ジュリー・ロンドン 
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2020年04月29日

不要不急の外出を認めない関所を各々の心に設けよう

‘20年4月29日(水)

○毎日新聞
江戸時代といえば、庶民が
旅をする場合は
通行手形を持たねばならず、
入り鉄砲に出女」などと
人の移動が厳しく制限された
社会のイメージがある。
それでは、次のような
記述はどういうことだろうか
▲「この国の街道には
 毎日信じられないほどの
 人間がおり、二、三の季節
 には住民の多い欧州の
 都市の街路と同じくらいの
 人があふれている」。
これは長崎のオランダ
商館長の江戸参府に同行した
ドイツ人医師、ケンペルの
観察である
▲「二、三の季節」とある
うちの一つは春で、街道は
伊勢参りの人々でにぎわった。
伊勢参りをはじめ寺社参詣が
理由ならば、旅も簡単に
許されたのだという。
こんな旅好きだった
ご先祖をもつ身には何とも
つらい新緑の季節となった
▲新型コロナウイルス封じの
「ステイホーム」の
呼びかけが交わされる
ゴールデンウイークである。
ケンペルの記述を
思い出したのは、先日の
ビーチなどの人出を見たり、
全国知事会による国道の
通行規制の提言を聞いたり
したからだ
▲航空会社の予約では
期間中の来訪者が6万人余
という沖縄県
は、知事が
改めて来県の自粛を呼び
かけた。離島の多い沖縄を
はじめ、医療体制に余裕の
ない地方では、感染の拡大が
深刻な医療崩壊につながる
のは誰でも分かる話である
▲「今は夢見よう。
 旅は後にしよう
」は、
スイス政府観光局の呼びかけ
という。お上をよそに街道を
にぎわせた旅好きの血の騒ぐ
向きもあろうが、
旅を愛すればこそ、今は家で
遠い土地への夢をはぐくむ
時である。
(余録 毎日新聞4/28)

○日本経済新聞

15世紀後半というから
応仁の乱のころのこと。
主要な街道や水路には
関所が乱立していたらしい。
領主らによる通行料の
徴収が目的だった。
伊勢の国だけで120も
あったといい、神宮に
参ろうとする人のうち
1割は途中で払えなくなり
引き返した、とものの本に
ある
▼江戸時代に入ると、
関所は幕府の防衛や
治安維持の役目を担う。
神奈川県の箱根や群馬県の
碓氷など全国の50カ所
以上で、役人が不審な
人物や武器の往来に目を
光らせた。
時代劇でご存じだろう。
明治になり廃止された
旧時代の遺物が、
新型ウイルスの啓発や
水際の対策のため、かなり
ゆるい形で復活したかの
ようである
▼地方の高速道路や駅などで、
外からやって来る人たちを
検温したり、体調の管理を
呼びかけたりしていると聞く。
来訪を自粛してもらう効果も
期待してだろう。
連休で帰省者らが増えて
感染が広がれば医療が
もたない、との危機感は
当然だ。
こんな時だからこそ、
おのおのが心の関所を
厳しくし、移動を戒めねば
なるまい
▼「連休に沖縄へ来る方が
 航空会社の予約によると
 6万人余いる」。おととい
(26日)玉城デニー知事が
ツイッターに悲鳴に似た
投稿
をした。
観光客も多くいるとされる、
その後、キャンセルは進んだ
ろうか。オープン過ぎて迷惑な
関所を内に宿して恥じない
面々には困ったものだ。
ウイルスは人の成熟度や誠実さも
試すようである。
(春秋 日本経済新聞4/28)
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2020年04月28日

連休の人混みを狙った新型のクラスター爆弾が炸裂する

‘20年4月28日(火)

太宰治が自身の帰郷を題材に
綴った紀行小説『津軽』は
戦時中に発表された。
南方から戻った知人のT君が
登場する
◆戦地で一番うれしかった
ことは? 主人公の問いに、
お酒が好きだった彼は
ビールの配給を挙げる。
「途中でコップを唇から離して
 一息つこうと思ったのですが、
 どうしてもコップが唇から
 離れないのですね」。
その心理は戦争の体験がない身
にもわかる気がする。
もっとも周囲を銃弾が飛び交えば
T君とて飲むのを中断したに
違いない
◆小説から現実に視線を移す。
今どこかで人が混み合えば、
戦場の縦断さながらにウイルスが
飛び交う可能性が高まる。
そんな場所で遊興にふける人が
絶えないのは危険が目に見えない
からだろう。
パチンコ店にナイトクラブ・・・
地域ごとに様々な事例が報じ
られてきた
◆政府が先週、休業要請に
応じない事業者に店名公表などの
措置をとるための指針を通知し、
大阪府はパチンコ店の名前を
公表した。
クラスター(感染集団)発生への
各地の危機感は強い
◆見えない危険に目を凝らし、
聞こえない音に耳を澄ます。
その心がけの結集が戦いの幕を
引き寄せるだろう。
(編集手帳 讀賣新聞4/27)

参考
クラスター爆弾
通常の空対地爆弾とほぼ
同サイズのケースの中に、
小型爆弾や地雷で構成される
数個-数百個の子弾を内蔵する。
このケースが発射、投下の後に
空中で破裂することで子弾を
散布し、多数の小規模な爆発を
引き起こすなどして広範囲の
目標に損害を与える。
(略)
一度の投下で広範囲に
散布できるため、単弾頭の
航空爆弾より広い範囲に
被害を与え、面制圧兵器として
使われる。(Wikipedia)
ラベル:クラスター
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2020年04月27日

これまでの努力を無駄にしないためにも、もう少し・・・

‘20年4月27日(月)

真昼、ビルが林立する街を
ドローンが飛ぶ。
人や車、上空から撮影された
映像はまるきり動くものが
確認できない
◆異様で不気味、映画の一場面
にしか見えない。
けれど、実際の台湾の様子だと
聞いて、初めて見た際には
ひどく驚かされた。
アーティスト袁廣鳴
(ユェングァンミン)さんの
映像作品で、昨年の
あいちトリエンナーレで上映
された。
動画投稿サイトでも閲覧できる
◆台湾では万安演習という名の
防空演習が毎年実施されている
そうだ。日中の30分間、全ての
人々が屋内に退避し、車両の
通行も制限される。
違反には罰金が科せられるらしい
◆人けが消えた繁華街、
その異常な現実に馴れつつある
昨今である。
30分どころではない。
もう何日も続く静寂の裏に、
どれほど大勢の努力があるのか。
罰則を要とせず、一人ひとりが
自発的に発揮している忍耐力を
改めて思う
◆人の減り具合を示す数値が
成績表のようで、つい一喜一憂
してしまう。
郊外の商店街とかスーパーとか
別の場所に流れただけとの見方も
ある。ただ、今は率直に互いの
労をいたわり合いたい。
山場という言葉を幾度となく
聞かされ、心が折れそうな
今だけは。
(編集手帳 讀賣新聞4/26)
ラベル:忍耐力
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2020年04月26日

戦争体験のトラウマか? コロナと戦う法規制に抵抗感

‘20年4月26日(日)

コロナから守るQ&A

海外には
「ロックダウン(都市封鎖)」が
 あるようです。日本との違いは?

A 海外には、道路や鉄道の遮断や
外出禁止が強制され、違反者に
罰金を科す国もあります。
日本は公共交通が維持され、
違反しても罰則はありません

この違いは、何に根ざしているので
しょう。

興味深い調査結果があります。
「ウイルス拡散防止に役立つなら、
 自分の人権をある程度犠牲に
 してもかまわない」。
これに同意する人は、
イタリア人の93%、フランス人の
84%、韓国人の80%を占めたのに、
日本人は32%でした。
世界30か国の平均は75%で、
日本は最下位だったそう
(「ギャラップ・インターナショナル・
  アソシエーション」の3月調査)。

意外にも、日本人は個人の権利が
制約されることに抵抗感が強いとの
結果です。
曽我部真裕・京都大教授(憲法)は
「戦時中に人権が抑圧された
 歴史や、自己責任を強く問う
 社会風土が影響しているの
 かもしれません」とみます。

日本でも外出や移動を禁じる法律を
制定することは不可能ではありません。
でも、そうなると、集会に移動、
旅行、営業・・・・・・と、憲法が保障する
様々な「自由」は制約を受けます。
曽我部教授は
「必要最小限の規制にすることと、
 乱用を防ぐための仕組みを備える
 ことが不可欠です」。
かなりハードルは高そうです。

大型連休を家で過ごす方も多いでしょう。
憲法や法規制について、家族で
話し合うのもいいかもしれません。
(コロナから守るQ&A 讀賣新聞4/25 27(社会)面)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする