<放課後の時間になっても
こどもたちの声が聞こえない
ある日そんな町ができました
とてもへんな町です>。
南相馬市の詩人若松丈太郎さんの
詩の一節である。こう続く。
<家のなかにひそんでいます
外で遊びたい気持ちを抑えて
残っているこどもたちは>
▼題名は
「年間放射線量五ミリシーベルト」。
東京電力福島第1原発事故
直後の福島の親子を詠んだ。
当時のように子どもが
屋外に出るのを控える
「へんな町」が至る所に
できることだろう。
安倍晋三首相が新型肺炎対策
として全国の小中学、高校を
臨時休校にするよう要請した
▼誰もが驚いた。
現実的な対策と評価する
専門家もいるが、要請は政府が
感染症対策の基本方針を示した
2日後。あまりに唐突だった。
「なぜ全国一律?」
「受験はどうなる」
「小さな子どもだけで
留守番をさせられない」。
教育現場は混乱し家庭に
困惑が広がる
▼首相は
「責任を持って対応する」と
強調したが、諸問題で
説明責任を果たさない政権
である。
責任を都道府県などに丸投げ
しないか、不安が残る。
逃げは許されない
▼正念場はいつまで続くのか。
回復した感染者に再び症状が
出た例もある。
分からないことが多い。
今は一人一人がリスクを
減らす努力を続け、
症状が出た時は冷静に対処する
しかない。
(河北春秋 河北新報ONLINE NEWS2/29)
ラベル:原発事故 新型肺炎 留守番