2019年11月30日

政治家とは歴史という名の法廷で裁かれる被告である

‘19年11月30日(土)

戦後政治史に刻まれる
一時代を築き、強いリーダー
として内政、外交の両面で
確かな足跡を残したと言えよう。
 
1982年11月から5年間、
首相を務めた中曽根康弘氏が
死去した。101歳だった。
首相としての在職日数は、
戦後5番目に長い1806日に
及ぶ。
 
中曽根氏は47年の衆院選で
初当選した。若手の頃は、
吉田首相を厳しく批判し、
「青年将校」と呼ばれた。
岸内閣で初入閣して以降、
要職を歴任した。
 
66年に中曽根派を結成し、
自民党の実力者5人を称した
「三角大福中」の一角を
占めるようになった。
82年田中派の協力を得て、
首相の座を射止めた。
 
政権運営で特筆すべきは、
「戦後政治の総決算」を掲げ、
多くの改革を成し遂げたこと
だろう。
 
内政では
「聖域なき行財政改革」に
取り組み、国鉄、電信電話、
専売の3公社の民営化を断行した。
トップダウンの手法で政策を
決定しつつ、時に民間の有識者も
活用した。大統領的な手法は
その後、多くの政権が踏襲して
いる。
 
外交面で、今日に至る強固な
日米同盟の礎を築いた功績は
大きい。首相就任当初から
「日米は運命共同体」と強調し、
当時のソ連に対して、日米が
共同歩調を取る姿勢を鮮明に
した。
 
ロナルド・レーガン米大統領とは
親密な関係を築いた。
「ロン」「ヤス」と日米首脳が
ファーストネームで呼び合う
ようになったのも、この頃から
である。
 
三木内閣が定めた防衛費の
「国民総生産(GNP)比1%枠」を
取り払い、防衛力の強化に努めた
ことも注目されよう。
 
中曽根氏は86年、いわゆる
「死んだふり解散」で
衆参同日選挙に臨み、
衆院で300議席を超える大勝を
果たした。
この結果、自民党総裁の任期が
1年延長された。
長期政権の最終盤では、
教育改革に力を注いだ。
 
2003年まで議員を続け、
当選回数は20回を数えた。
会長を務めた世界平和研究所で
政策提言を重ね、憲法改正に
情熱を傾けた。
18年に発表した政策論集では、
政府に安全保障のコストを
積極的に分担するよう求めていた。
 
初当選の頃から首相を目指し、
政策やアイデアを大学ノートに
書きつづった。これが政権構想の
土台となった。確固とした
信念を持ち、政策の実現を目指した。
 
「政治家とは歴史という名の
 法廷で裁かれる被告である」が
口癖だった。多くの議員に
かみしめてもらいたい至言である。
(社説 讀賣新聞11/30 3(総合)面)
posted by (雑)学者 at 09:43| 千葉 ☀| Comment(0) | お悔やみ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月29日

民主主義でさえ他国の指摘を受けて改善されるもの

‘19年11月29日(金)

民主化を求める香港の人々を
後押しする米国の決意が
示された。
中国が弾圧を強めないよう
牽制したと言える。
米中対立の激化につながら
ないか注視する必要がある。

「香港人権・民主主義法」が
トランプ米大統領の署名によって
成立した。米上院は全会一致で、
下院は圧倒的多数の賛成で、
それぞれ法案を可決していた。

貿易、安全保障、先端技術
などに加え、香港問題を巡っても
米国が中国の姿勢に懸念を
強めていることを反映している。

香港では中国政府や香港当局を
批判する抗議活動が続く。
デモ隊と警官隊の衝突が激化し、
収拾のめどが立たない。
デモ隊は、外交や防衛を除く
幅広い分野で香港に認められて
いる「高度な自治」が
脅かされていると訴える。

人権法は、「高度な自治」が
機能しているかを米政府が
毎年検証し、議会に報告する
ことを義務づけた。
自治が侵害されていると判断
した場合、米国が香港に与えて
いる関税やビザ発給などの
優遇措置の見直しが可能になる。

香港経由で貿易や資金調達を
行う中国企業には打撃となろう。
 
大統領が、香港での人権抑圧に
関わった個人に制裁を科せる
とも規定している。
ただ、具体的に法律がどう運用
されるかは不明確な部分が多い。
 
トランプ氏は声明で、
「外交に関する大統領の権限」を
強調し、法律の一部の履行を
見送ることもあり得るとの
考えを示した。
米国内で高まる対中批判に
配慮して署名はしたが、
中国との決定的な対立は避け
たいのだろう。
 
中国は外務省声明で、
人権法は「重大な内政干渉だ」と
反発し、報復措置を取ると
警告した。外務省は米国の
ブランスタッド駐中国大使を
呼び、抗議した。
 
先の香港区議選では、
デモを支持する民主派が
圧勝した。
中国は抗議運動について、
米国などの外部勢力の支援を
受けた「一部の暴徒」による
ものだと主張してきたが、
その理屈は崩れている。
 
中国は、強圧的な香港政策が
裏目に出ている現実を直視
すべきだ。
国家の主権や安全を守るとの
名目で、香港への介入を
一層強めることがあっては
ならない。
 
懸念されるのは、
米中貿易協議への影響だ。
両国は農業や金融などの
分野に絞った「第1段階」の
合意を目指している。
 
米中の新たな制裁・報復関税が
来月に迫る。発動されれば
世界経済への影響は大きい。
回避に向けて冷静な議論を
重ねるべきだ。
(社説 讀賣新聞11/29 3(総合)面)
posted by (雑)学者 at 11:05| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月28日

ガイド必須の心得、相手に何をどう伝えるかの努力

‘19年11月28日(木)

昨日、東京・上野で忘年会が
あった。
今年、傘寿になった。
平衡感覚が覚束ないので、
JRより乗り換えの階段が少ない
京成電鉄で成田まで帰ることに
した。
京成上野駅で「うすい」行きの
各駅停車に乗り、「青砥」で
特急に乗り換えれば、成田に
早く着くと駅員に教わった。

到着した各駅停車に乗ると
小柄で浅黒い肌の男性が
乗ってきて、「ローカル?」
と訊かれた。
「ローカル」と答えたが
彼の降りる駅名を訊かないと
彼が目的地にたどり着けるか
どうか分からない。
そこで「Where are you going ?」
と訊くと「堀切菖蒲園」という。

電車のドアの上の路線図で
「青砥」の二つ手前に
彼の降りる駅があった。
「堀切菖蒲園」を指さし、
「OK」と口に出した。

彼は降りるとき、
「サンキュー」と言った。
「グッドナイト」は
ベッドに入るときに使うのが
相応しいと思い「グッドバイ」
と返した。

前回の東京五輪のとき
「Goodwill(親善) Guide」を
仰せつかったが、
理解する努力と伝える努力が
大切だということを思い出した。
posted by (雑)学者 at 13:49| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月27日

行き過ぎたポピュリズムはよくないが民主主義は希望だ

‘19年11月27日(水)

その壁は自由と民主主義の
象徴となった。
地下道などの壁一面に貼られた
文房具の色付箋。
一枚一枚に民主化を願う
香港市民のメッセージが
書かれている。
通称「レノンの壁」。
愛と平和を歌にした歌手
ジョン・レノンの名前が
付けられている
▼レノンの壁は1980年代、
旧チェコスロバキアで
レノンの死を悼み、若者が
壁にメッセージを書いた
のが最初。
圧政に反対する象徴になった。
香港では5年前の雨傘運動で
出現。今年6月から続く
大規模デモでも各地につく
られた。親中派に剥がされる
などしたが民主派は修復し
続けたという
▼そんな市民の願いが
結果に表れたと言えよう。
香港区議会選挙で民主派が
圧勝した。
獲得議席数は実に8割超。
民主派団体が談話を発表
したように民意は明らかに
なった
▼「中国化」が進み、
言論や経済の自由が奪われる
危機感が噴出した結果だろう。
テレビには投票所に並ぶ
大勢の市民が映し出された。
自分の思いを1票に託す。
民主主義の原点を見る思いが
した
▼中国はなおも強硬姿勢を
示す。学生が過激な行動を
取ったとしても、警官隊の
武器にかなうわけがない。
他国からも香港の民主化を
応援する声を上げ、後押し
することが最も有効な方法
ではないか。レノンの壁の
精神が広がれば、きっと
何かが変わる。
(河北春秋 河北新報ONLINE NEWS11/26)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月26日

自由な生き方より人としての本道を生きるべきである

‘19年11月26日(火)

能の「隅田川」は、京の都で
人買いにさらわれてしまった
我が子をさがし求めて、
はるばる東国へと下った女の
物語だ。心配と焦燥から心の
バランスを失い、
手にササの枝を持って登場する。
川の渡守とのやりとりは、
子どもを思う親の気持ちが
切々と伝わり心を打つ
▼17日から行方不明だった
大阪市の12歳の女児が23日、
栃木県内で無事保護された。
母親は再会したまな娘と強く
抱き合い号泣したという。
押しつぶされそうな不安から
解放された安堵のほど
いかばかりだろう。
警察は35歳の男を誘拐容疑で
逮捕、調べを進めているが、
ここでも重要な小道具が
SNS(交流サイト)である
▼女児と男はSNSで
知り合ったらしい。
渋井哲也さん著
「ルポ平成ネット犯罪」は
こんな分析をしていた。
日常で「生きづらさ」を抱える
若者らはネットを通じ、
家庭や学校、地域以外の
見知らぬ人との交流を選ぶ
傾向がある――。
周囲から規定された自分を
解放して「本当の自分」を
出せるような気がするからだ
そうだ
▼だが、現実にはゆがんだ
欲望や悪意が待ち受ける例も
多い。数々の事件が示す通りだ。
能の悲しい結末と異なり、
今回、女児は救出され、
容疑者は東国から西国へと
移された。
捜査や公判を通じ、教訓も
引き出せようが、端末を
指先で触ることで未知の
誰かに助けを求める層は
減らない気がする。
社会が背負う課題である。
(春秋 日本経済新聞11/26)

してはいけないことは
してはいけない。
守らなければならない
生きるうえでの必須条件
である。
このことを誰からも教えられ
ないで大人になる社会の
仕組みがおかしい。
posted by (雑)学者 at 13:55| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする