人生の意味より、
人生そのものを愛せ
ドストエフスキー
『カラマーゾフの兄弟』
いわずとしれた
トストエフスキーの代表作
『カラマーゾフの兄弟で』で、
次男のイワンが語る印象的な
言葉です。
人生に悩んでいる人は、よく
「生きる意味はあるのか」と
考え込みがちです。
そんなとき、答えとして
生きる意味がないとなると、
生きている価値もないことに
なってしまいます。
そのように考え過ぎて、
作中のイワンのように
ノイローゼ気味になるくらい
なら、むしろ
「人生そのもの」を愛せという
メッセージです。
イワンは人生を信じることなく、
思考がカオス化していきます。
人生に絶望しがちな人であり、
そんな自分への教訓としても
いっているのです。
自分に価値があるかないかと
考え出すのは、あまり良いこと
ではありません。
人はつい人生の意味を求めがち
ですが、価値がないとなれば、
人生が危険に満ちています。
それよりも、いま自分に与え
られている「人生そのもの」を
生きること。そして、それを
愛することが大切です。
そんな生き方の基本を忘れて、
悩んでどんどん暗くなって
いる人はとてももったいない。
もっと外に意識を向けることが
大切です。
イギリスの数学者・哲学者の
バートランド・ラッセルも、
自著『幸福論』のなかで、
「人間は内側に意識を向け
続けると行き詰まる。
だから、つねに好奇心を
持って外側の世界に気持ちを
向けよ。そうすれば幸福に
なれる」と述べています。
自分は大した才能もないし、
世の中もつまらない人間ばかり
だし・・・・・・などと人生の意味や
価値ばかりを考えるのではなく、
もっと生命観を持って人生を
生きること。
現代は、「神」のような、
なにかひとつのことを純粋に
信じて生きられる時代では
ないからこそ、自ら積極的に
外の世界に向けて意識を
放つことが大切なのです。
(齋藤 孝 心を動かす偉人の言葉
セブン&アイ出版)
ラベル:人生 意味 幸福