2019年07月08日

韓国の反日行動はしばらく政権維持に利用されるだろう

'19年7月8日(月)

最近、左派の文在寅政権に
批判的な人々から、
ユーチューブの時事番組の
視聴を時々勧められる。
「政権にほぼ掌握されて
 批判の矛先が鈍った
 既成メディアの報道を
 みても今の韓国は
 わからない」というのだ。

番組は、保守系の元記者、
評論家、学者などが出演
する。政府の統制を
受けない利点を生かした
痛烈な政権批判が売りだ。
登録者数74万と主要紙の
部数に匹敵するものもある。

時事評論家が出演する
「ペンアンドマイク」は、
日本政府による半導体
材料の対韓輸出規制に
ついて
「文在寅政権がもたらした
 惨事だ。なのに(文氏は)
 おじけづいて黙っている。
 解決するつもりはない
 のか。日本に行かなくて
 いいのか」と追及した。

妄信的な反日からの脱却を
説く「李承晩TV」は、
タブーとみなされてきた
言説で保守の覚醒を促して
いる。著名な経済史学者が
出演し、昨年10月の
徴用工訴訟の判決について
「大法院(最高裁)は
 (韓国人労働者の多くが
  自発的に日本に渡った)
 歴史的事実を知らずに
 原告の主張を真に受けた」
と真っ向否定した。

新たな言論空間が脚光を
浴びたのは、文政権が
「積弊清算」の名の下に
保守派の一掃を進めている
ことへの危機感の表れでも
ある。

文政権と与党は、
1960〜80年代に軍事政権
による弾圧を受けた
活動家が中心だ。
軍事政権の流れをくむ
保守政治家が権力を
私物化し、政治と癒着する
「財閥」と呼ばれる
大企業が富を独占してきた
とみなしている。
取材で会った左派の学者が
「保守勢力と同じ空の下で
 生きていたくない」と
敵意をあらわにしたことが
ある。

文氏が側近として仕えた
盧武鉉(ノムヒョン)
元大統領は李明博
(イミョンバク)政権下の
2009年5月、検察の捜査を
受けた後、投身自殺した。
文氏は自伝に
「政治的な他殺」と記して
いる。

文政権と与党は、
大統領任期が再選のない
5年の韓国で
「20年執権」を目標に
布石を打っている。
4月末には、選挙制度
改正案を、国会で委員会に
提出して330日が過ぎれば
本会議にかけられる
「迅速処理案件」に指定した。
来年4月の総選挙を有利に
戦う狙いだ。

今月17日には、次期検事
総長に尹錫悦(ユンソクヨル)
ソウル中央地検検事正を
指名した。
保守の李明博、朴槿恵
両元大統領や側近など
120人以上を起訴する捜査を
指揮し、
「積弊清算を巡る捜査を
 成功に導いた」
(大統領府報道官)人物だ。
引き続き、保守ににらみを
きかせるつもりだろう。

総選挙が視野に入った
文政権が、保守勢力と和解に
動く気配は見られない。
保守層の不満はいつか
政権交代とともに政治報復
となって左派に向けられる
だろう。
泥沼の政争こそ韓国政治の
「積もり積もった弊害」に
ほかならない。
(ソウル支局長豊浦潤一
 ワールドビュー
 讀賣新聞7/7 7(国際)面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする