2019年06月14日

香港市民のデモ、中央政権が自由を差し出せと迫る

‘19年6月14日(金)

中国の意に沿わない人物が、
犯罪者に仕立てられ、中国
本土に移送される。
そんな事態が日常化すること
への危機感の表れと言えよう。

香港で、1997年の中国返還後、
最大規模とされる抗議デモが
行われた。香港から中国本土
への容疑者の引き渡しを可能
とする逃亡犯条例の改正案に
反対し、撤回を求めている。

改正案が審議されるのを前に、
多くの人が議会周辺の道路を
占拠した。警察との衝突で
負傷者が出るなど、混乱が
続く。

参加者には、民主化運動に
関心がなかった若者や、
中国と取引する経済界の
人々も含まれる。
仕事や親戚付き合いなどで
中国を訪れる人も多い。
香港にいながら、中国の
法律が事実上適用されかね
ない、との懸念が強いのだ
ろう。

香港は、約20か国と犯罪人
引き渡しの取り決めを
結んでいるが、中国本土、
台湾、マカオは含まれて
いない。
昨年、台湾で殺人を犯して
逃げ帰った香港男性を移送
できなかったことを
きっかけに、香港政府が
改正案を提案した。

親中派がトップの
香港政府は、今月中の
採決を目指している。
議会も親中派が多数を
占めており、可決される
可能性が高い。中国政府は
改正を支持する。

香港の人々が反対を強める
のは一党独裁体制の中国で、
司法が政治から独立して
いないからだ。

司法機関は共産党の指揮下に
ある。法律が恣意的に運用
され、言論弾圧などに利用
される。人権問題を扱う
弁護士らが大量に拘束され、
勾留は長期に及んでいる。

香港では、共産党批判の
書籍を扱う書店経営者らが
失踪し、中国に拘束される
事件があった。
香港の司法を踏みにじる
行為だ。

英国の植民地時代から続く
独立した司法制度が、香港
にはある。
中国は返還にあたり、
これを尊重し、
「高度な自治」を認めると
約束した。
一つの国で社会主義と資本
主義の制度を併存させる
「一国二制度」に基づく。

憲法にあたる
香港基本法にも、
「高度な自治」の中核
として司法の独立が明記
されている。
香港政府は、
「移送対象は殺人などに
 限定し、政治犯は
 含まない」と強調するが、
運用にあたり、中国の
不当な介入を阻止できる
のか。

改正は、香港に拠点を置く
企業関係者にも影響が及び、
経済に打撃を与える恐れが
ある。

中国の習近平政権は、
混乱や衝突が拡大すれば、
国際社会の批判が強まり、
自らの威信にも傷が付く
ことを認識すべきだ。
(社説 香港大規模デモ
 讀賣新聞6/13 3(総合)面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする