2019年05月16日

米中「関税戦争」激化、日本はその真っ只中にいる

'19年5月16日(木)

米中両国の対立がさらに
激しさを増し、長期化する
事態をいかに回避するか。
制裁と報復の拡大を防ぐ
には、双方がより真剣に
譲歩を模索していかねば
ならない。

米国政府が、中国からの
輸入品のほぼ全てに制裁
関税を課す計画を発表した。
これまで制裁対象から
外れていた約3000億j
(約33兆円)分の製品に
対し、最大25%の関税を
上乗せするという。

中国も、米国が先週決めた
関税引き上げに対抗する
報復措置を、6月から
始めると表明した。

米中が高関税をかけ合えば、
双方の経済活動に深刻な
打撃を与える。
金融市場の動揺や
企業心理の悪化を招き、
世界の景気が
大幅に下振れするリスクも
高まる。

トランプ大統領は、
6月末の主要20か国・地域
(G20)首脳会議の際、
習近平国家酒席と会談する
意向だ。
両政府は実務的な協議を
精力的に重ね、首脳が
歩み寄れる環境を整える
必要がある。

憂慮されるのは、対立が
いたずらに長引きかねない
ことだ。

トランプ氏が最近、
対中姿勢を厳しくして
いる背景には、
強硬な態度が政権の
支持率上昇に
つながっているという
事情がある。

来年秋の大統領選が
もっと近づくまで、
対立を続けても構わない
との思惑が働かないか
心配だ。

制裁対象品目には、
スマートフォンや衣料品
など、生活関連品が多く
含まれる。

関税上乗せの影響で
商品価格が上がれば、
米国の消費者は大きな
痛手を被る。

今は対中強硬路線が支持
されていても、
物価の上昇で有権者から
強い反発が起きる怖れが
ある。

追加制裁の撤回は、
トランプ政権にとっても
得策ではないか。
公聴会などで
企業や消費者の声に耳を
傾けることが大切である。

中国経済は、制裁拡大で
再び成長が鈍化しかねない。
国有企業への補助金支給
問題などで、米国と
折り合う工夫を凝らすため、
さらに知恵を絞るべき
だろう。

米中摩擦の先鋭化は、
日本にとっても見過ごせ
ない不安要因だ。
両国の経済が減速すると、
日本の景気が冷えこむ
懸念がある。

中国に生産拠点を置き、
米国に輸出する日本企業は、
特に苦境に陥る。
対中投資やサプライチェーン
(供給網)の在り方など、
戦略の抜本的な再考を
迫られよう。

今月下旬の日米首脳会談や、
日本が議長国を務めるG20
では、米中が全面対決に
至らぬよう、双方に自制を
求めなくてはなるまい。
両国を結ぶ懸け橋として、
日本は重責を果たすことが
不可欠だ。
(米国の対中関 社説
 讀賣新聞5/15 3(総合)面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする