2018年11月30日

科学者の使命は人間の幸せに寄与する働きである

'18年11月30日(木)
[分子生物学] ブログ村キーワード

「フランケンシュタイン」
というと、顔にギザギザの
傷痕が走り、首にボルトが
突き刺さった怪物を
思い浮かべる人もいるだろう。
実は怪物には名前がない
▼1818年に20歳の
英国人女性、メアリー・
シェリーが出版した小説の
主人公の名前である。
若き科学者である
フランケンシュタインは
生物学の研究に没頭し、
死体をつなぎ合わせ、生命を
与えることに成功する。
しかし、自分が造り上げた
怪物の醜さに恐れをなして、
逃げ出してしまう
▼分子生物学の急速な発展に
よって、フランケンシュタイン
のような人物が、いつ現れても
おかしくなくなってきた。
中国の南方科技大学
(広東省深圳)の賀建奎
副教授もその一人なのだろうか
▼遺伝子操作の新技術
「ゲノム編集」を受精卵に行い、
双子を誕生させたと発表して
物議を醸している。
賀氏よれば、エイズウイルス
(HIV)への免疫を持つよう
遺伝子を改変した。
困難な疾患を治療する唯一の
方法だと主張している。
香港で昨日(28日)開かれた
国際会議で、改めて健康な子が
生まれた、と述べた
▼もっとも受精卵の遺伝子を
書き換えると、影響は子孫にまで
引き継がれ、思わぬ副作用が
出てくる恐れもある。
親が好みの外見や能力を選んで
産み分ける、
「デザイナーベビー」の誕生
にもつながりかねない。
専門家にとって、倫理的に
「越えてはならない一線」
だった。
中国国内の科学者も、
「人体実験だ」と激しい
批判を浴びせている。
そもそも成果の信憑性を疑う
声さえある
▼『フランケンシュタイン』
では、主人公のあまりに
無責任な振る舞いに
怒り狂った怪物は、その家族や
親友まで手にかける。
賀氏には、200年前の悲劇の
物語を熟読するようお勧め
したい。
(編集手帳 讀賣新聞11/29)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月29日

観察眼を働かせると面白い、秋はこれから

'18年11月29日(木)
[落葉] ブログ村キーワード

<うらぶれて/こゝかしこ/
 さだめなく/とび散らふ
 落葉かな>。
上田敏訳、フランスの詩人
ヴェルレーヌ「落葉」の
一節である
◆落葉はさみしい初秋の景色に
つきものだが、唐沢孝一著
『目からウロコの自然観察』
(中公新書)を読むと見方が
変わる。
散ったあとに枝や茎に残る
小さな「葉痕(ようこん)」は、
よく見れば、動物に似ていたり
人の顔に見えたりして面白い。
中でも唐沢さんは、つる草の
クズをすすめる
◆丸い葉痕に、ぱっちりした
目と鼻がついていて、
かわいらしい少女のように
見える。写真を紹介できない
のが残念である
◆クズは雑草に近く、よほどの
市街地でなければ見つけるのは
難しくはない。
例年なら少女の葉痕をいくつも
のぞかせる時節だが、今年は
どうか。
気象庁はおととい
<異常天候早期警戒情報>
なるものを、北海道・東北を
除く列島各地に発表した。
それによれば12月1日から
1週間、気温が平年より
かなり高い日が続くという
◆これほどぞくっとしない
「異常」気象の警戒情報は
めずらしい。
多くの地域で穏やかな師走の
スタートになりそうである。
冒頭の詩が胸にしみるのは
いつだろう。
(編集手帳 讀賣新聞11/28)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月28日

飲み会シーズン到来、先輩の口は災いの元だとか

'18年11月28日(水)
[サラリーマン川柳] ブログ村キーワード

サラリーマン川柳
(第一生命保険)の入選作を
思い出す。
<飲み会に部下を誘って
 10連敗>。
職場の飲み会を嫌がる人が
多い現状を変えようと、
長野県軽井沢町のビール会社が
開発した扇風機が話題に
なっている
◆その名も「先輩風壱号」。
人工知能(AI)が会話に聞き
耳を立て、ぬけぬけと
先輩風を吹かせばビューと
吹き付ける。
AIが約2000のキーワードに
反応するという。
俺の若い頃は 近頃の若者は
甘い バブル 昭和・・・などなど
◆バブル期入社のうえ、
先のキーワードにまるで
身に覚えがなくはない小欄は
どきっとするものの、
こんな装置がお酒の席にあれば
楽しいだろう
◆冒頭の句を含め、今年の
サラリーマン川柳100選には
若い人とのコミュニケーション
不足を嘆く作品が少なくなかった。
<相談は上司先輩よりネット>
<ブログ見て部下の本音を
 家で知る>
<後輩が心開くのLINEだけ>。
いかに先輩との会話が面倒でも、
スマホの頼りすぎはどうだろう
◆「先輩風壱号」のAIは
程度に応じて強、中、弱の
風を送る。宴会の予定が
手帳を埋める時節が近づく。
先輩は先輩で、ほどよい風を。
(編集手帳 讀賣新聞11/27)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月27日

日本へ来る外国人は必死だということをお忘れなく

'18年11月27日(火)
[外国人] ブログ村キーワード

「馬券が必ず当たる」競馬の
法則などあるはずはないが、
「馬を知らなくても
 よく当たる」買い方はある。
お世話になっている読者の
みなさんにだけそっとお知らせ
すると、賞金の高いレースは、
外国人騎手が乗る馬を軸にして
買えば、かなり当たる
▼昨日(25日)行われた
1着賞金3億円のジャパン
カップは、フランス出身の
ルメールが凱歌をあげた。
最近は、G1と呼ばれる
天皇賞など主要レースの
ほとんどを欧州や
ブラジルからやってきた
騎手がかっさらっている
▼今や武豊をはじめ
日本人騎手は、脇役に
まわってしまった。
それはなぜか。
技量の優劣もあるが、
馬券歴35年
(まったく自慢にならぬが)の
抄子には、勝負への貪欲さに
見える。
どこかの自動車会社の偉い人の
ように、一銭でも多く
稼ごうという欲の質量が
圧倒的に違う
▼プロ野球は昔から外国人
「助っ人」の善し悪しが
優勝を左右してきた。
「国技」であるはずの大相撲も
外国人力士抜きでは成り立たなく
なった。
平成最後の九州場所は、
モンゴル出身の2横綱が
休場したため、日本人力士に
賜杯がまわってきたが、
初場所はどうなることやら
▼国会では外国人労働者拡大に
向けた出入国管理法改正案の
審議が今週、ヤマ場を迎える。
外国人騎手の活躍で
日本人騎手の陰が薄くなった
ように、法改正で大勢の
外国人が流入すれば日本人の
雇用や賃金に影響が出るのは
必至だが、論戦は消化不良の
ままだ
▼政府は介護や建設現場
などでの深刻な人手不足を
一刻も早く解消したいのだ
ろうが、せいては事をし損じる。
まずは受け入れ人数の上限を
決め、日本語教育など
受け入れ態勢をしっかり整備
するのが先だ。
ちなみに最も儲かる馬券術は、
やらないことです。念のため。
(産経抄 産経新聞11/26)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月26日

大阪万博、もうかりまっせ、という復活の足がかりに

'18年11月26日(月)
[大阪万博] ブログ村キーワード

大阪在住の方々には
聞き捨てならない言葉だろう。
カナダ生まれの社会情報学者、
マクルーハンが言っている。
「万国博覧会は過去のもの」。
どういうこっちゃねん―と
青筋を立ててはいけない。
およそ半世紀前、1960年代
後半の警鐘である
▼発達したメディアにより
世界は一つにつながる。
情報が行き交う時代に、
工業品や芸術品を展示室に
並べるだけの形式はもう
古い、と。
人々の旺盛な知的欲求を、
低く見積もったらしい。
約6400万人もの来場者を集め、
説を打ち消したのが70年
大阪万博だった
▼万博はしかし、70年を境に
して退潮の一途をたどっている。
地球の隅々を高速通信網が覆う
時代を、かの学者が予見して
いたかどうかは寡聞にして
知らない。先端技術による
非日常の空間を世界に発信した
大阪万博のやり方でさえ、
もはや「過去のもの」とされる
▼大阪が再び開催権を勝ち取った
2025年の万博では、
長寿社会の実現など地球規模の
課題解決に挑むという。
テーマは
「いのち輝く未来社会の
 デザイン」と壮大である。
人工多能性幹細胞(iPS細胞)
など、生命科学の拠点を構える
関西ならではの試みだろう
▼松井一郎府知事は
「これまでの万博の常識を
 打ち破る」という。
前回の大阪万博には、
アポロ12号が持ち帰った
「月の石」があった。
通信機器の画面をなぞれば
世界をあらかた知ることができる
時代に、人の好奇心をくすぐる
次の一手とは何か。
これは難題である
▼地盤沈下といわれて久しい
関西だが、会場の夢洲(ゆめしま)
にはカジノを含む統合型リゾート
施設の誘致計画もある。
万博の次を見越した勘定は、
培われてきた
商人気質の本領だろう。
7年後、「もうかりまっせ」
という関西発の凱歌も聴きたい
ものである。
(産経抄 産経新聞11/25)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする