2018年09月04日

太陽光発電は費用対効果の課題を解決できていない

'18年9月4日(火)
[太陽光発電] ブログ村キーワード

「本来は環境に優しいはずの
 太陽光発電が環境を破壊し、
 CO2削減のはずが
 山林の大規模伐採で
 CO2を吸収する樹木を
 切り倒しています。
 住民を幸せにするどころか、
 感情を逆なでしています。
 太陽光発電自体に
 反対なのではありません。
 しかし、起きている
 現実には反対せざるを
 得ません」と
(静岡6区選出の旧民主党、
現在は国民民主党副代表の
衆院議員、)渡辺(周)氏。

伊豆高原では、韓国資本の
「ハンファエナジージャパン」が
104f(東京ドーム約20個分)に
相当する緑の高原を買い取り、
その約半分の森林を伐採し、
12万枚のギラギラのソーラー
パネルを建設する大規模計画が
進行中だ。
伊豆高原の緑豊かな景観は
一変するだろう。静岡県と
伊東市、住民がこぞって反対
するゆえんだが、業者は
8月10日、森林伐採に着手
してしまった。

暑さの厳しかった今夏、
電力の安定的供給、CO2の
削減、再生エネルギー活用の
重要性はおよそ万人が共有
する思いだろう。
平成24年にスタートした、
自然再生エネルギーの
固定価格買い取り制度
(FIT)を
法制化した菅直人氏もそう
考えていたはずだ。
だが、伊豆高原のみならず
全国各地でいま起きている
地元住民の反対運動は、
太陽光発電が当初予想から
大きく外れて、
暴走し始めたことを
示している。
暴走は、
太陽光が悪いからでは
ない。
菅氏らの制度設計が
欠陥だらけで
太陽光発電を
ボロもうけの手段に
貶めたからだ。

そこには貪欲な利益追求は
あっても、太陽光発電を真に
有益なものにするための、
例えば、太陽光を蓄える
バッテリーの研究開発を
義務づけるなどの工夫が
全くない。

FITの仕組みによって、
電力各社は再生エネルギー
全量を、当初、1`h時、
42円という国際価格の
ほぼ倍の高値で買い取るよう
義務づけられた。
価格は20年間固定され、
事業者には長期にわたり
潤沢な資金が入る。
買い取り価格は、
現在18円だが、
それでも国際価格より
高い。

業者に莫大な利益をもたらす
枠組みの中でも、とりわけ
あしき制度が
「49`hの罠(わな)
である。
「49`hの罠」は、
50`h未満の事業には
一切の規制がかからない
ことを悪用した開発の
仕組みである。
あまりにひどいため
平成26年3月末に
打ち切られたが、
それ以前に結ばれた契約は
いまも有効で、次々と
工事に入っている。

罠の背後には
大手事業者が存在する。
彼らは山林などを
大規模に買収し、
49`h以下の発電に
見合うよう分譲する。
相場は2千万円前後、
利益率は年10%以上と
いわれる。
20年で4千万円の利益を
生み出すこんな取引が
ゼロ金利の時代にあるのだ。

資金を提供する小口の買い主
以上に大本の開発・建設業者は
さらに大きな利益を得ていると
考えてよいだろう。
彼らに渡る利益は
全て、私たちの国民負担だ。
再生エネルギーにかかる
コストは全て電力料金に
上乗せされるからだ。

国民全員の負担で支えている
太陽光発電にもかかわらず、
49`h以下の開発には、規制は
一切ない。
第一、日本には太陽光発電を
規制する法律がない。
国の環境影響評価
(アセスメント)法の対象は
火力、風力、水力だけで、
太陽光は対象外だ。
圧倒的多数の地方自治体も
ほぼ同様だ。

であれば、小規模事業として
多めに見てもらえる49`h
以下の事例で野放図な開発が
まかり通るのは当然だろう。
樹木を切り倒し、根を抜いても、
基礎工事をする必要がない。
工事現場の鉄骨を組み立てて
その上にパネルをポンポンと
載せていくような
手抜きの手法が使われる。
建築基準法にも該当しない
ために、
どんな傾斜地にも設置できる。
配電線の工事も比較的容易に
取得できる第2種の資格で
できる。除草は高い人件費を払う
かわりに強烈な農薬をまいて
終わる。それが
どれほどの土壌や地下水の
汚染をひき起こすか、
樹木が切り倒された後の山から
どれほどの量の土砂が
川に流れ込むか。

こんな開発はどう考えても
おかしい。無論、まじめな
太陽光発電の企業も存在するが、
それでも現在の太陽光発電が
本来の目指すべき在り方から
大きく逸脱しているのは否定
できない。

世界の再生エネルギーの
現場では、最先端を走る中国も
ドイツも太陽光発電から離れ
つつある。中国は猛烈な勢いで
原子力発電に傾斜し、ドイツは
FITを打ち切った。
 
日本でも、九州電力が
不安定な太陽光発電の
全量買い取りにはもう耐えられ
ないとして買い取りを
制限すると宣言した。
日本全体の問題として
太陽光発電の長所・短所を
比べ、考えるべき時だ。

こうした中、
伊東市の住民らは8月31日、
建設工事の差し止めを求める
仮処分を
静岡地裁沼津支部に申し立てた。
太陽光発電が私たちを幸せに
してくれるのかどうか。
日本の未来を守る闘いは
これからだ。
(櫻井よしこ 美しき勁き国へ
 産経新聞9/3 1面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする