2018年09月15日

案内のボランティアは案内の予習がすべて

'18年9月15日(土)
[東京五輪] ブログ村キーワード

作家の遠藤周作さんは
英語が苦手だった。
にもかかわらず、
留学生の若い女性たちを
連れて東京の街を案内
したことがある
◆上野の不忍池に行くと
困ったことになった。
夜店でスズムシを売っていて
「これはなに?」
と聞かれたものの、
英語名がわからない。
ふと否定形で乗り切る技が
浮かんだという。
「これは鳥ではありません」。
何とか英語で言ってみたところ
ニッコリしたほほ笑みが
返ってきた
◆<彼女は僕を非常に 
  ウィットのある人間だと
  思ったんでしょうね>
 (『狐狸庵うちあけばなし』
  集英社文庫)。
おまけに夜店の女性からも、
何と英語のうまい人かと
尊敬のまなざしを向けられた
とか
◆来る東京五輪・パラリン
ピック大会のボランティア
募集が26日から始まる。
競技場や選手村、空港、
駅で案内をする人が
総勢11万人必要になる。
都市事情から前回リオ五輪の
規模をはるかに超える
らしい
◆応募資格に外国語が必須
とは書いていない。
二の足を踏む方がおられ
ないかと考えたとき、
亡き狐狸庵先生のほがらかな
随筆を思い出した。
先生は語学力のいかんに
よらず、いい思い出が
できたみたいである。
(編集手帳 讀賣新聞9/14)

案内ボランティアの
最も大切な仕事は
競技施設を熟知して
今、ここから
どう行けばいいかを
教えることである。

また、各種団体が
この祭典に合わせて
国際的な集まりを
企画することがある。

前回の五輪で、案内
ボランティアをした。

パキスタンの選手団から
競技会場を聞かれ、
調べていると、急いでいる
らしく、
What’s the use of your English?
(君の英語は役立たずだ)
といわれた。

若い人たちが
チャイナタウンバーに
行きたいという。
場所を教えると
Good neighborhood?
(くつろげるか?)
と聞かれた。

重量挙げが行われる
岸体育館への道順を聞いた
人は、時間があるので
ビールを飲みたいという。
夜、上機嫌で案内所の 、
前を通るので
重量挙げのことを聞くと
ずっと飲んでいたという。

高齢の日本人女性から
道を聞かれることが
最も多く、半日で
声が枯れた。

案内ボランティアとは
そういう仕事である。
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2018年09月14日

天高く馬肥ゆる秋 長寿は食欲が支える

'18年9月14日(金)
[道元禅師] ブログ村キーワード

ある時、道元禅師は
弟子に貪欲を戒めて言った。
「人々みな食分(じきぶん)あり、
 命分(みょうぶん)あり」。
食分は人が一生に食べる物の
総量、命分は寿命の長さ。
それらはあらかじめ決まって
いるから、より多く求めてもむだ
だという
▲−−ある僧があの世へ行くと
閻魔(えんま)大王が
「こいつはまだ命分があるから
 帰せ」と言う。
すると冥界(めいかい)の役人は
「命分はあるが、
 食分が尽きている」。
大王は
「ならばハスの葉を食べさせよ」。
生き返った僧はハスの葉で
余命をつないだ
▲要は
「衣食をむさぼるなかれ」
だという。
人の寿命を食べる総量で
表すのは中国から来た発想
らしい。
ならば日々の食を減らすと
その分長生きする計算だが……。
先日発表された
国民健康・栄養調査の
摂取カロリー調査を見て
みよう
▲世代別調査によれば、
20代以上で
1日の摂取カロリーの
最も多いのは男女とも60代
だった。
20年前の調査では
60代は男女とも20〜50代の
どの年代より少なかった。
それが今では枯淡(こたん)
どころか、若い人よりも食欲の
旺盛な60代となった
▲だが実はその60代も
20年前に比べると
摂取カロリーは減っている。
50代以下はその減り方が
大きく、20〜40代は減少幅が
1割前後に達しているのだ。
背景として、健康志向により
カロリーを気にする人が
増えたことが指摘されている
▲むろん女性のやせすぎなど、
非健康的な現象も見逃せない。
ただ摂取カロリーの減少と
この間の平均寿命の延びは、
食分=命分という
昔の人の見方を思い出させる。
教訓はやはり
「むさぼるなかれ」だ。
(余禄 毎日新聞9/13)

娘の嫁ぎ先で、
(しゅうと)の母が
なくなった。
享年102歳と8カ月と1日。
エクセルで満年齢の表を作り、
開くと、その日付から
誕生日を差し引いて
満年齢を計算する。

平成27年の敬老の日の
日付で、安倍首相名の
百寿を祝う賞状が贈られて
いた。
100歳の誕生日に
存命ならば、
県を通じて届けられる。

山中伸弥先生によると
運動によって大腿骨に
刺激が伝わると免疫力が
生まれるらしい。

それに運動は食欲を生む。
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2018年09月13日

人口を減らそうと政治が介入すると増やすのは難しい

'18年9月13日(木)
[子供] ブログ村キーワード

遼寧省や天津市など
中国の各地方政府が、
2人目の子供が生まれた
夫婦に奨励金を出す制度を
検討し始めたと
中国メディアが伝えている。
2015年まで約40年も
続いた「一人っ子政策」が
急速な高齢化と労働人口の
不足をもたらしつつある
ためで、対策に躍起に
なっていることがうか
がえる。

こうしたニュースを
目にするたびに、
北京駐在時代に出会った
山西省出身の60代後半の
夫婦を思い出す。
ともに教師だった2人は、
長男が生まれた後、
国策に従い2回も中絶した。
しかし、その長男が、
大学生だった2000年ごろに
交通事故で死亡した。
夫婦は
「国のせいで私たちはいま、
 病院に付き添ってくれる
 人もいない」
と支援を求めて
地元政府に陳情を
繰り返したが、門前払い
され続けた。

年金や社会保障制度が
不完全な中国では老後、
子供の世話になることが
いまも一般的だ。
この夫婦のように
「一人っ子」を無くした
親たちは「失独者」と呼ばれ、
全国で少なくとも
数百万人はいるといわれる。

1970年代末から
実施された一人っ子政策は
数々の悲劇を生んだ。
代表的なのは91年、
山東省冠県などで実施された
「100日出産ゼロ運動」だ。
省内で計画出産の達成率が
最下位だった同県は、
“汚名返上”のため、
「同年5月1日から
 8月10日まで
 県内で出産ゼロ」を決めた。
期間中に第1子を含めて
出産予定の妊婦が堕胎を
強制され、数万人が
病院に連行された。
長年の不妊治療の末、
ようやく子宝に恵まれた
妊婦も無理やり中絶させ
られ、自殺した人も少なく
なかった。

94年9月、現役軍人が
大量の民間人を殺傷した
建国門事件の原因も
一人っ子政策だった。

事件は、北京近郊に
駐屯する中国人民解放軍の
田明建副中隊長(当時)に
「第2子を妊娠した」と
知らせる妻からの手紙が、
事前検閲で上司に発見
されたことがきっかけと
なった。
妊娠7カ月の妻は
中絶手術を強制されたが、
手術が失敗して母子ともに
死亡した。

それを知った副中隊長は
上司ら複数の将校を射殺。
さらに大使館などが集中
する建国門界隈(わい)
無差別に発砲し、
イラン人外交官を含む
約20人を殺害後、
特殊部隊に射殺された。
この事件は中国で
いまでも報道規制が敷かれ、
正確な死傷者数は明らかに
なっていない。

一人っ子政策を主導
したのは、
70年代末に最高実力者と
なったケ小平だった。
「経済発展の遅れは
 人口が多いことが原因だ」
と考えたケは、
科学的検証もほとんどせず、
「あらゆる経済的、
 行政的手段を使って
 人口を抑えろ」と
全国に指示した。
一部の外国の人口問題
専門家は「天下の愚策」
と批判したが、
国内で異を唱える者は
いなかった。

違反した家庭は年収以上の
罰金が科されたため、
各地で同政策の実施を
担当する計画出産委員会は
大きな利権を手にした。
是正を求める声は黙殺され
続けた。

いびつな人口構成が
深刻化した2015年に
ようやく
第2子が認められたが、
出生率は思うように
伸びなかった。
このため今度は一転して
正反対の出産奨励策を
実施し始めたというわけだ。

指導者の思いつきで
多くの中国人の人生が翻弄
されてしまったが、
共産党の一党独裁体制が
続く限り、こうした悲劇が
繰り返され得ることを
忘れてはならない。
(外信部次長)
【矢板明夫の中国点描】
(産経ニュース9/12 08:00)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月12日

勝者と敗者の品格の差が出た全米オープン表彰式

'18年9月12日(水)
[全米オープン] ブログ村キーワード

将棋でも囲碁でも、
勝負の決着は静かにつく。
対局者の表情からは、
どちらが勝ったのか
分からない場合がある。
感情を面に出さないのが、
プロ棋士のたしなみだ
からだ。
スポーツの世界では
あり得ない光景である
▼その意味で、
今年のテニスの
全米オープン
女子シングルスは、
異様な雰囲気のなかで
幕を閉じた。
勝者である
大坂なおみ選手(20)は、
ガッツポーズを
見せることはない。
笑顔さえなく、ただ涙が
こぼれるばかりである。
四大大会シングルス
制覇という、
日本テニス史上初の
快挙を成し遂げたと
いうのに
▼原因は全て、
敗れた米国の
セリーナ・ウィリアムズ
選手(36)にある。
繰り返し受けた警告に
激怒し
審判をののしった揚げ句、
集中力を失って自滅した。
観客はウィリアムズ選手に
加勢して、ブーイングを
浴びせ続けた
▼「みんな彼女を
  応援してたんでしょ。
  こんな結果でごめん
  なさい」。
表彰式での大坂選手の
スピーチは前代未聞である。
元女王のウィリアムズ選手には、
「プレーしてくれて
 ありがとう」と頭を下げた。
大和撫子(なでしこ)らしい
振る舞いが功を奏して、
ようやく祝福の拍手が広がった
▼将棋の話に戻せば、
元名人の升田幸三は、
著書の『王手』でこう説いた。
「師匠が弟子を叱るのは、
 基本を身につけさせる
 段階までです」
「そして基本を出て、最後は、
 その人の心になる」
▼もともと大坂選手は、
強力なサーブとストロークは
折り紙付きながら、精神的な
もろさが指摘されてきた。
昨年12月から
専属コーチになった
サーシャ・バインさんは、
我慢の大切さを教え、
徹底的なトレーニングによる
体作りを重視した。
見事、才能を開花させた
大坂選手はウィリアムズ
選手に代わって、「名人」への
第一歩を踏み出した。
(産経抄 産経ニュース9/11 05:00)

先ごろ惜しまれながら
亡くなった桂歌丸さんは、
じかに拝聴したにちがいない。
その師匠、古今亭今輔に
名言がある。
<迎えの拍手は
 昨日までの人気、
 降りる時の拍手は
 今の人気>
◆大坂なおみ選手(20)に
迎えの拍手は
どう聞こえたろう。
テニスの
全米オープン決勝は
セリーナ・ウィリアムズ
選手(36)の女王復帰を
望む観衆で埋まった。
完全アウェーである。
そのうえ審判の判定を機に
ブーイングがわき起こった
◆サービスエースを
決めても、ざわざわする
だけ・・・。
よく踏ん張れたものである。
大坂選手が日本勢として
初めて、世界の四大大会を
制した
◆それにしても表彰式まで
ブーイングとは
大会の品位を貶めるもの
だろう。
だがそこを2人が救った。
「もうブーイングはやめて」
と元女王がいい、大坂選手は
「みんながセリーナを
 応援していたのは
 知っています。
 こんな終わり方ですみません。
 試合を見に来てくれて
 ありがとう」。
空気は一変して、温かな
拍手が会場をつつんだ
◆テニスの強さばかりでは
ない。やさしさ、率直さに
心を動かされたのだろう。
新女王が初々しく誕生した。
おあとが大変よろしい。
(編集手帳 讀賣新聞9/11)
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2018年09月11日

重機で均す宅地造成も危険個所を覆い隠す

'18年9月11日(火)
[アイヌ語] ブログ村キーワード

アイヌ語で
地震はシリシモイエという。
「シリ」は地、次の「シ」は
自分、「モイエ」は動かすで、
地が自らを揺らすということ
である。
アイヌの人々は経験した
自然の災害を伝承や神話に
よって記憶してきた
▲それが地名をなしている
ところもある。
砂防学の専門家、南哲行
(みなみ・のりゆき)さんの
論考によると、たとえば
札幌市の豊平は
トイ・ピラ(崩れた・崖)、
弟子屈町の美留和山の名の
由来をたどるとペルケ・
ヌプリ(裂けた・山)に
行き着くという
▲こんな地名や伝承が
過去の災害や危険箇所を
推定する手がかりになる
と南さんは指摘している。
そんな気の遠くなるような
時間と変動を経てきた
北の大地が、
22年前に改定した
震度階級で
初めて見せた
震度7のシリシモイエ
だった
▲震源に近い厚真町を映した
空撮は、まるで緑の丘陵を
長く大きなへらで削り取った
ように赤茶色の断面を
さらしていた。まさに
「崩れた崖」「裂けた山」で
ある。その下に人がのみ
込まれて助けを待っている
かと思えば胸がつぶれる
▲地の揺らぎが昔なら
考えられない広い地域に
被害を及ぼすのも現代である。
北海道全域から明かりを、
日常生活を、情報を
奪い去ったかつてない
広域停電だった。さらに
新千歳空港の閉鎖、鉄道の
まひが道外との人の往来を
遮断した
▲近畿地方の台風被害の
経験を分かち合う間もなく、
今は安否不明の人々の一刻も
早い無事救出を祈るだけで
ある。息つく間も
与えてくれぬ自然の無情には、
災害列島の住民のスクラムで
応じるしかないだろう。
(余禄 毎日新聞9/7)

10日現在、安否不明者は
いない。
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする