2018年08月06日

虐げられた官僚の国損につながる報復が始まっている

'18年8月6日(月)
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東京大学法学部で異変が
起こっている。

東大では、入学時に
文科1類、2類、3類、
理科1類、2類、3類
(科類という)のどれかに
入り、専門課程に進む時、
学部・学科を選ぶ。
文科1類はだいたい
法学部に進む。
他の科類から法学部に
進む枠もあるが極めて
狭き門で、その科類で
トップクラスでなければ
進学できなかった。

異変とは、他の科類から
法学部に行く枠が
毎年空き、かつ文科1類から
法学部に行かない学生が
増えていることである。
いわば定員割れが5年続いて
いる(東京大学新聞)。
東大法学部の人気が凋落
しているのである。

それは当然かもしれない。
2004年に発足した
法科大学院制度は失敗だった。
卒業すれば7割程度は
司法試験に合格できる
制度を目指したが、
乱立したため合格率は
極度に低く、近年は
続々と閉鎖している。
東大の法科大学院の現状も
質量ともに当初の期待を
はるかに下回る。

より大きな問題は
(上級)公務員制度の危機
である。
まず公務員は激務である。
これは昔から同じだ。

給料は安い。
一流企業と比べると、
かなり安い。
役人トップの次官でも、
大企業トップの10分の1
程度、好調な民間企業の
課長程度である。

天下りも退官直後には
制限があるし、その後も、
70歳前後でだいたい終わり
である。年金は大企業
よりもかなり少ない。

退職金は高いが、これは
給与の後払いである。
長く勤めるほうが有利な
制度設計だ。
やる気がないのに
長く勤めるなら不健全だ。
給与を上げて退職金を下げ、
年金を上げるべきだ。

他国ではどうか。
多分、一番高いのは
シンガポールで、
次官クラスの年収は
優に1億円を超える。
英仏独等の外交官は
みな優秀だが、処遇も
日本よりも良い。
優秀な人間を厚遇して
働かさなければ
国民が不利益を受けると
考えないのは超大国の
米国だけである。

恵まれない条件でも
優秀な若者が霞が関に
進むのは、国家の運営に
携われる使命感と
満足感からだった。
しかし現在、それも
難しくなっている。

一つは財政状況である。
日本の累積財政赤字は
世界最悪で、新規の事業に
使える予算は極めて少ない。
官僚のやりがいは、
新しい予算をつけて
国家を発展させることだった。

しかも近年急速に進んだ
政治優位の中で、
官僚が正しいと信じる政策が、
なかなか受け入れられなく
なっている。
かつて官僚は、政治家と
協力し、あるいは
時に対立して国政を運営した。
しかし内閣人事局に人事権を
握られた今、政治家に
ノーといえる官僚は減って
いる。(省略)
(北岡伸一東大名誉教授
 地球を読む
 讀賣新聞8/5 1面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする