2017年09月04日

人は相互に影響し合う「掛け算型」で生きている

'17年9月4日(月)
[いじめ] ブログ村キーワード

人と人の関係には
足し算型と掛け算型がある。
先月永眠した
気象エッセイストの
倉嶋厚さんが自著に
そう書き留めていた。
妻の泰子さんとは
「1×1」の掛け算型
夫婦だったという。
自立した2人が暮らす
「1+1」ではなく
一心同体だった、と

▼足し算型なら、
一方が欠けても「1」が残る。
掛け算型は
<一人が「0」になると
 すべてが「0」になって
 しまいます>
(『やまない雨はない』文芸春秋)
病で妻に先立たれた
倉嶋さんはうつ病を患った。
自殺の誘惑に
何度も負けそうになったと
打ち明けている

▼新学期の始まる9月1日
前後に自ら命を絶つ子供が
多い、との内閣府調査が
示されたのは2年前である。
この夏も、
悲しいニュースに何度か
触れた。
人間関係やいじめを苦に
する子供にとって、
死の衝動に突き動かされ
やすい季節であることは
理解できなくもない

▼掛け算型の間柄は、
夫婦にかぎるまい。
親子も、兄弟姉妹も同じ
だろう。
「×1」の相手が失われる
ことで、世界が「0」になる
人は必ずいる。
思い悩む子供たちに伝えたい。
最後の一線を越える前に、
喪失感に嘆き悲しむ
人たちの顔を思い浮かべては
くれないか

▼アメリカバクは
敵から身を守るとき、
一目散に水に飛び込む。
人も同じ。逃げなさい。
上野動物園の
公式ツイッターに載った
書き込みが、共感を呼んで
いる。
「もし逃げ場所がなければ、
 動物園にいらっしゃい」と。
似たような思いを誰もが
抱えているからだろう

▼<冬憶(おも)ふまじ
  今紅くナナカマド>
  嶋田摩耶子。
闘病中の倉嶋さんを慰めた
句だという。
先のことを思い煩うな、
赤い実をつけた目の前の
ナナカマドを楽しもう―。
この先、春秋に富む
子供たちではないか。
耐えきれないときは
遠慮なく逃げなさい。
(産経抄 産経ニュース9/3 05:03)

自室に籠りっきりの
年寄りでも、亡くなると
家が広くなったように
感じる。
不意に廊下でばったり
顔を合わせるような感じが
しばらく続く。

さて、亡くなられた
心理学者の河合隼雄さんは、
こう言っておられた。

夫婦ってのは
川の流れの中に杭を
二本打つようなもの

と思います。

離れたところに
杭を打って

川の流れに苦労しながら
何とか網を張ることが
できれば

魚がたくさん獲れる

あまり相反するところが
なくて
杭を近くに打った夫婦は

網を張りやすいけど
収穫は少ない

(河合隼雄 聞き手上野重喜
 夫婦の絆、友情の絆
 ラジオ深夜便こころの時代
 特選集[下巻] NHKサービス
 センター 抜粋編集)


もともと、別の親から生まれ、
別の環境で育った二人だから、
意見が一致する方が不思議
である。

子どもたちよ、
意見の合う人の方が
少ないのかもしれないよ。
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする