2017年08月22日

現実は縮むのに、膨張する夢を見ていないだろうか

'17年8月22日(火)
[人口減少] ブログ村キーワード

人口減少は、小手先では
止められない。

止められるかのような
錯覚に陥っているところに
国家の危機がある――。

「人口減少経済」研究の
権威、松谷明彦・
政策研究大学院大名誉教授
(71)=マクロ経済学=の
警告は傾聴に値しよう。
     ◇
「日本は2020年ごろから
 生産年齢人口の大幅な
 現象が続く。
 その落ち込みを女性や
 高齢者、外国人労働者で
 カバーするといっても
 限界があります」

「他の先進国は
 生産年齢が減少しないか、
 減ってもわずかだから、
 経済は拡大し続ける。
 この間、日本の
 国際競争力は急速に
 低下していきます」

「日本だけ減るのは、
 1950年以降、
 日本が大規模な
 産児制限
 (主として人工妊娠中絶
  容認)をやったから。
 この背景と流れが
 理解されていない」

「太平洋戦争当時、
 政府は
 『産めよ殖やせよ』
 『婦人も働け』と
 国民を駆り立てた。
 今も似ています。
 がんばれば
 何とかなる――という
 精神論的集団行動。
 それでは国際競争には
 勝てないということを、
 敗戦を通じ、
 身にしみて学んだはず
 なんですが・・・・・・」

では、どうすればいいのか。
松谷の処方箋の一端を
示せばこうなる。

@明治維新、戦後改革
並みの大ナタをふるい、
企業の3〜5割を退出させ、
先進国の企業、研究者、
技術者を招いて入れ替える
(退出企業の就業者は
 誘致企業に吸収される)。

A地方は大企業の工場誘致
という「植民地」的な
感覚を捨て、独創的な産業を
生み出して自立。

B特に重要なのは、
これから急増する
東京首都圏の
高齢者対策である。
数が多いだけでなく、
田舎のように
人のつながりがないから
孤立する。
経済成長率が大幅に低下、
インフラも老朽化し、
東京のスラム化が進む。
住宅、病院、介護施設を
確保せよ――。

松谷は東大経済学部で
小宮隆太郎
(経済学者、文化勲章受章)
門下。69年、大学院へ
進もうとしたが、
東大紛争のあおりで
入試が流れ、70年、
大蔵省(現財務省)入省。
主計官、横浜税関長、
大臣官房審議官を経て
97年、52歳で辞職、
研究者に転じた。

税関長時代、自ら
監視艇に乗り組んで
東京湾を眺めるうち、
「現状を変えて
 未来を開くのでなく、
 大過なく収めるだけの
 調整」に疑問がつのり、
新たな道を選んだという。

東京・六本木の
政策研究大学院大。
松谷研究室の壁に
税関長の制服を着た写真が
掲げてある。
その下で聞いた話の一節――。

「私はネ、東京五輪で
 経済浮揚――という
 考え方に
 引っかかるんです。
 発展どころか、
 『現状のままで大丈夫
  だヨ』っていう
 メッセージのように
 聞こえる。
 現状より悪くならないで
 くれというだけの、
 非常に消極的、厭世的な
 気分が底にあると思うん
 です」
      ◇
過去にしがみつく膨張の
幻想はいらない。
収縮の現状に見合った
大胆な改革が必要だが、
難しい。
<選挙至上主義>の
デモクラシーでは
「削る」「つぶす」は禁句。
核のゴミの最終処分場
建設をまるで見通せぬまま
原発を動かし、疑問だらけの
高速増殖原型炉
「もんじゅ」に終止符を
打てぬ理由もそこにある。

政治家が世論調査結果の
わずかな変化にも神経を
とがらせる時代。
<明治維新並みの
 リーダーシップ>などと
言うもむなしいが、
それなくしては、未来の
扉が開かない。(敬称略)
(風知草 特別編集委員
 山田孝男
 毎日新聞8/21 2(総合)面)

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2017年08月21日

韓国が決まったことを覆すのには理由がある

'17年8月21日(月)    
[徴用工] ブログ村キーワード

(徴用工について)
日本の朝鮮半島統治時代の
徴用工に絡む請求権に
ついて、韓国の文在寅
大統領は17日、
「個人の権利は残っている」
と述べた。
1965年の日韓請求権協定で、
「完全かつ最終的に
 解決済み」の話である
にもかかわらずである。
15日には徴用工などに関し、
北朝鮮との共同被害実態調査
にも言及している

▼もともとは、韓国政府も
徴用工への補償は
「解決済み」との見解だった。
それが韓国最高裁が
2012年、
「個人請求権は消滅して
 いない」との
日本人には理解し難い判断を
下したことで、
行政と司法の立場が割れて
いた。
今回、文氏は司法側に歩み
寄った

▼実は韓国政府は、
1975年に徴用工への補償を
実施し、2008年から
追加補償も行っている。
徴用工の件は日韓間で
解決済みだと自覚していた
からこそ、日本に要求するの
ではなく自らの責任で金銭を
支払ってきたのである

▼韓国のソウルや仁川
(インチョン)では12日、
やせ細った男性の姿の
「徴用工像」が設置された。
慰安婦問題の
「最終的かつ不可逆的な
 解決」を確認した
一昨年末の日韓合意後も、
増殖を続ける慰安婦像
ともども、日韓間の和解や
友好を妨げるモニュメント
となろう

▼韓国事情に詳しい
作家の豊田有恒さんは、
著書でこう喝破している。
「いったん決まったことを
 蒸し返したり、
 否定したりするのは、
 韓国人のお家芸」。
隣人として厄介この上ないが、
相手がそういう国であるの
なら、それなりの
対処の仕方がある

▼まずは、根拠なく
慰安婦募集の強制性を
認めた平成5年の
河野洋平官房長官談話を、
「あれはひどい誤り
 だった」と取り消そう。
鉄道、港湾、ダム…など、
日本が半島に残してきた
インフラ施設について、
正当な権利だとして対価を
要求するのもいいだろう。
(産経抄 産経ニュース8/19 05:03)

(外信コラム)
文在寅政権を支えている
左翼・革新勢力の得意は
デモや街頭集会である。
文大統領も
前大統領“追放”の
いわゆるロウソク・デモの
おかげで政権を取ったことを
繰り返し自慢している。

そこでロウソク・デモ以来、
デモができるようになった
大統領官邸周辺などは
各種要求を掲げたデモで
にぎわっているのだが、
その騒音に音を上げた
付近住民は
「デモ反対のデモ」をして
いる。韓国は文字通り
“デモ天国”である。

左翼・革新勢力は反米・
親北朝鮮なので
米大使館へのデモを
やりたがる。
最近も米大使館包囲デモを
計画し、ついでに
慰安婦像で反日名所に
なっている近くの
日本大使館前への反日デモも
兼ねたコースを設定した
ところ、司法当局によって
不許可となった。

北ミサイル問題が
かまびすしい折、対米関係に
配慮する文政権下で
「外国公館保護」という
国際法、国内法の原則に従い
不許可にしたのだ。
なんだ、やればできるじゃ
ないか! 
日本大使館前で長く黙認
されている慰安婦像や
デモ・集会も
国際法、国内法違反なの
だから今後ぜひ禁止して
ほしい。

文大統領は
「韓国を国らしい国にする」
と公約し事あるごとにそれを
強調している。
実にいい言葉だ。
韓国を一日も早く
外国公館保護という
国際的常識を守る
「国らしい国」にして
ください。(黒田勝弘)
(外信コラム ソウルからヨボセヨ
 (もしもし)同8/19 11:00


慰安婦も徴用工も
朝鮮半島全体の問題である。

日韓で解決済みにしようと
すれば、日本との
単独合意は許さないという
北朝鮮からの
厳しい横やりが入っている
のだろう。
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2017年08月20日

生物の絶滅には人間の行為が関与している

'17年8月20日(日)
[カワウソ] ブログ村キーワード

湿原植物が美しい尾瀬の
入山口にはブラシ状の
マットがる。
これで入山者は
靴に付いた種子を落とす
◆60周年を迎えた
日本の南極観測史で
一般に最も知られるのは
タロとジロの物語だろう。
1958年に観測隊が
現地に残した
カラフト犬のうち
生き延びて発見された
2頭だが、その後、
南極への生物の持ち込みは
禁じられた。
従来の生き物を
“侵入者”から守る必要が
あるのは尾瀬も南極も
変わらない
◆ならば人はなぜ
入ることを許されるのか。
素朴な疑問には
「人間性善説」が
一応の答えになろう。
万物の霊長なら馬鹿な
ことはするまい、と
◆長崎の対馬で
野生のカワウソを確認
したと、琉球大の
チームが発表した。
絶滅したはずの
ニホンカワウソかどうかは
分からない。
確かなのは、かつて
全国の河川にカワウソが
生息し、
毛皮目当ての乱獲などで
激減した事実である。
人間は水辺への危険な
侵入者だったと言えよう
◆カワウソを捜しに
対馬へ押しかけたり
餌付けしたりしないで――
琉球大の先生が
記者会見で訴えた。
人間の「性」は必ずしも
「善」にあらず。
自戒しつつ、さらなる
調査の進展を待つと
しよう。
(編集手帳 讀賣新聞8/18)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月19日

最も剛毅なる者は最も柔和なる者であるという徳目

'17年8月19日(土)
[基督教] ブログ村キーワード

東京都世田谷区の
住宅街にある
日本基督教団駒場
エデン教会は、
古武道の道場も兼ねて
いる。
今月15日に84歳で
亡くなった笹森建美(たけみ)
さんは、牧師にして
「小野派一刀流」第17代
宗家でもあった

▼最初の一太刀で
相手を倒す一刀流の
創始者は、戦国時代の
剣豪、伊藤一刀斎で
ある。2代目の
小野次郎右衛門忠明は、
徳川2代将軍秀忠の
剣術指南役を務めた。
やがて小野派一刀流は
津軽藩に伝わり、
明治時代になって
笹森さんの父が16代目を
継いだ。
津軽藩の藩士だった
笹森さんの祖父が
改宗して以来、
笹森家は3代にわたる
クリスチャン家系でも
ある

▼聖書に親しみながら、
一刀流の稽古に励むのが、
当たり前の環境で育った。
牧師になるために
米国の大学に留学中には、
武勇伝も残している。
アメリカンフットボールの
選手の男が挑発して
くるので
相手をすることになった。
笹森さんは、自分の倍は
ありそうな巨漢を
一瞬にひっくり返した。
小野派一刀流には、
剣術だけでなく体術も
伝承されている

▼「武の道とキリスト教は
  矛盾しませんか」。
笹森さんは何度も
同じ質問を受けてきた。
「どちらも人の死に方、
 生き方を真剣に問う
 『道』です」。著書の
『武士道とキリスト教』
(新潮新書)のなかで
答えている

▼明治期に入ってきた
キリスト教を率先して
受容したのは
旧武士階級だった。
その一人である
新渡戸稲造が英文で
発表した『武士道』は、
欧米で
ベストセラーとなった。
「最も剛毅なる者は最も
 柔和なる者である」。
新渡戸は武士道の徳目の
一つとして、
「仁(惻隠(そくいん)の心)」を
挙げている

▼米国南部の町で
白人至上主義団体と
反対派が激突した事件は、
波紋を広げている。
憎悪が渦巻く
今の米国にこそ、
武士道が必要ではないか。
(産経抄 産経ニュース8/18 05:04)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月18日

ウサイン・ボルトだって、レース前は必ず祈った

'17年8月18日(金)
[勝利] ブログ村キーワード

ギリシャ神話の女神に、
翼も凛々しいニケ
(Nike=勝利)がいる。
ギリシャのサモトラケ島で
発掘された
「サモトラケのニケ」像を、
パリのルーブル美術館で
ご覧になった方もあろう。
頭部を欠いても美貌の
しのばれる女神である
◆彼女には、ビア(暴力)、
クラトス(権力)という
コワモテの姉妹がいた
そうだが、人気では
ニケ様にかなわない。
スポーツ用品の世界的な
ブランドのほか、
ニコラス、ニコルといった
人名にもその名をとどめて
いる
◆勝利の女神といえば、
移り気で、気まぐれな
いたずら好きと相場が
決まっている。
これほど愛されつづけた
人もめずらしい
◆陸上の男子短距離、
ウサイン・ボルト選手(30)
(ジャマイカ)が現役を
引退した。
金メダルは五輪8個、
世界選手権11個。
100b9秒58。
“人類最速の男”の伝説は
天に向けて弓を引く
ポーズと共に、人々の
記憶のなかで
輝きつづけるに違いない
◆昨年のリオ五輪が
終わった頃、
「読売歌壇」に載った
一首を切り抜いてある。
<十字切り
 ウサイン・ボルトが
 仰ぐとき
 神はこの世に
 いるとおもえり>
(館山市・山下祥子)
ニケ様だろう。
(編集手帳 讀賣新聞8/16)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする