2017年05月14日

議員になり手がいないという地方議会の危機

'17年5月14日(日)
[自治体] ブログ村キーワード

連休中に新聞を読んでいて
驚かされたことがある。
高知県大川村が、村議会を
廃止し、村の有権者全員で
構成する「町村総会」を
設置する検討を始めたと
報じられたのである。

村議会議員のなり手を
見つけるのが容易でなく、
これまでも議会定数を
6人にまで減らして
やりくりしてきたが、
それでも前回の選挙では
たった6人の候補者を
確保するのがやっとだった
という。
この先いっそう高齢化が
進行する中で、
次回の選挙ではとうとう
定数割れをきたすのでは
との危惧がその背景にある。

地方自治体では自治体に
必ず議会を置くとされて
いるが、小規模の町村に
ついては例外的に議会を
置かないで町村総会を
設けてもよいとする規定が
ある。
大川村はこの例外を用いる
べきがどうか、検討を
始めたというのである。

現時点でこんな検討をして
いる自治体は大川村だけだ
と思われるが、
他の地域でも決して人ごと
ではない。議員のなり手
不足に悩まされている
自治体は珍しくないからだ。
いい機会だがらこのたびの
大川村の例を他山の石として、
自分のところの議会の
あり方を点検しておくのが
賢明だと思う。

何ゆえ議員のなり手が
いないのか。
それは、地方議会の現状が
今日の社会の実態に合って
いないことに起因している。
ほとんどすべての地方議会
では、年4回の定例会方式を
採用していて、実はそれは
わが国の伝統的な水田農耕
社会に対応している。

田植え後の6月定例会、
田の草取りなどが一段落
して9月定例会、稲刈り
など収穫を済ませて
12月定例会、そして
旧正月の諸行事を終えて
2月定例会である。
いずれも農閑期である。
2週間程度の定例会の
期間中、朝から夕方まで
議会に詰めていても
差し支えないから、
議員のなり手には事欠か
なかった。

ところが今や住民の
ほとんどが勤め人である。
勤め人が定例会方式の
議会に参加するのは無理
である。
勤め先を辞めなければ
議員は務まらないが、
では議員報酬だけで生活
できるかと言えば、
規模の小さい自治体では
それも困難である。
かくして議員のなり手は
だんだんと減ってきて、
大川村のようになる。

こんな事情を見越して、
既に地方自治法では
定例会方式とは違う
議会運営を可能にしている。
例えば、隔週の決まった
曜日の午後6時から議会を
開くなどの方式である。
これなら、会社員でも
家庭の主婦でも議員に就く
ことができる。

誤解を招くことを承知の
上で敢えて言うと、
定例会方式による議会
運営はもはや時代錯誤的で
あり、それが大川村に
象徴的に表れているように
思われる。
地方議会をなくさない
ためにも、心当たりの
自治体では地域社会の
実態に合わせた議会改革を
志すに如くはない。
片山善博早稲田大教授
 羅針盤 山陰中央新報5/14)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする