2017年04月07日

経済運営に自信をつけた中国は統治優先に舵を切る

'17年4月7日(金)
[経済優先] ブログ村キーワード

中国の習近平国家主席は、
これまでのように経済優先
ではなく、国内の統治を
優先する考えを打ち出して
いる。

これは日本企業にとり、
新たなカントリーリスク
(その国特有の危険性)
だと言える。

中国は2010年、
尖閣諸島沖の中国漁船の
衝突事件を機に
日本向けのレアアース
(希土類)の輸出を止めた。
12年には
尖閣諸島の国有化に抗議
する反日デモが起きた。
これからも何かあれば、
同じようなことが起きる
可能性がある。

中国政府が妥協できない
「核心的利益」に
関わるような問題が
生じれば、
技術や資本を中国に
持ち込んだ外資系企業に
対しても、中国政府は
容赦しないだろう。

中国市場が小さければ、
日本などの企業は中国から
撤退することを考えても
いい。だが今、世界を
見渡しても中国以上に
ボリュームのある市場は
ない。

特に一般消費者向けの
商品を作るメーカーに
とっては最優先の市場だ。
リスクに対する感度を高め
ながら、慎重にビジネスを
やっていくしかない。

一つのやり方は、
単独出資で事業展開して
いる日本企業は、
中国企業と合弁会社を
作ることだろう。
中国のパートナーと組んで
いれば、その事業が
おかしくなった時、
中国企業にも影響が及ぶ。
パートナーとの人脈や
信頼関係が深まっていれば、
ある種の緩衝的な役割を
果たしてくれる可能性が
ある。

普段からメディアなどを
通じ、中国の発展に
どれだけ貢献しているか、
しっかり
コミュニケーションを
取っておくことも、
できるだけやっておいた
方が良い。
10年と12年の事件が
起きた時も、
進出先の地元政府などの
利害関係者が
「あの企業はこんなに
 地元にメリットを
 もたらしてくれている」
と代弁してくれて、
救われた企業はけっこう
ある。

中国が経済から統治優先に
方針を変えたのは、
経済運営に自信を深めて
きているからではないか
と思う。

3月に開かれた全国人民
代表大会(全人代=国会)
の報告では、そうした
ことがにじみ出ていた。
経済成長率の目標は6.5%
前後だったが、
段階的に下げても十分
やっていけるとみている。
雇用がある程度守られる
ならば、中国にとって
重要なことを優先する
考え方を対外的にも
はっきり打ち出している。

トランプ米大統領が
対中貿易赤字を問題にして
いるので、これから
しばらくの間、米中間で
いろいろなことが取り沙汰
されるだろう。だが、
日本企業は米中両国が
決定的な対立になることを
前提にものを考える必要は
ないと思う。

米国が中国からの輸入品に
高い関税をかけたら、
中国には、報復関税をかけ
たり米国製品をボイコット
したりするカードがある。
両国の経済関係は深まって
おり、貿易戦争になれば
お互いのダメージが大き
すぎる。米中はどこかで
折り合いをつけざるを得
ない。

中国で事業展開する日本
企業は、こうした全体の
情勢を冷静に判断する
ことが求められる。
(此本臣吾野村総合研究所社長
 聴き手・経済部小川直樹 論点 
 讀賣新聞4/6 11(解説)面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする