2017年04月03日

人口が減る地方から鉄道がなくなるかもしれない

'17年4月3日(月)
[民営化] ブログ村キーワード

1987年に国鉄が分割・
民営化され、
JRの旅客6社と貨物
1社が誕生してから
1日で30年を迎えた。
車両やサービスの向上、
駅ビルなどの駅周辺開発が
進む一方、旅客6社間の
経営格差は広がり、
人口減がローカル線に
陰を落とす。
成長の姿を描きつつ、
地域の交通インフラを
支える努力が一層問われて
いる。

「当社の状況は
 『穴の開いたバケツ』の
 ようだ」

JR北海道の島田修社長は
昨年11月の記者会見で、
厳しい経営状況をそう
例えた。
同社は収支改善の見込め
ない赤字ローカル線に加え、
相次ぐ脱線事故を受けた
安全投資が経営を圧迫して
いる。
昨年11月、
全路線の約半分の
13線区1237`・bを
「単独では維持困難」と
表明せざるを得なくなった。
この13線区の2015年度の
営業損失は約158億円に
上り、19年度中に
資金繰りが破綻する恐れ
さえある。

JR北海道に限らず、
高速道路網の整備と人口減
により、JR各社の
ローカル線の維持には
黄信号がともる。
民営化前に
全線約2万2000`・bの
うち83線3160`・bを
バス輸送などに転換する
ことを決めたものの、
民営化後も新たに
計7線275.3`・bの
廃線を迫られた。
JR西日本は昨秋、
広島県三次市と島根県
江津市を結ぶ三江線の
18年の廃線を表明した。
JR東日本の
富田哲郎社長も
「共通する課題だ」と
語る。

この30年で各社
あわせた旅客人員は
約26%増えて
年93億837万人となる
一方、
年間の鉄道事故件数は
約6割減るなど、安全性や
サービスは向上した。

しかし、JR東日本、東海、
西日本の「本州3社」が
利用客の多い都市部の
「ドル箱路線」を持ち、
駅ビルなど鉄道以外の
収入も大きいのに対し、
北海道、四国、九州の
「3島会社」はそうした
環境になく、両者の
収益力の差は歴然として
いる。

3島会社は路線距離に
対して乗客数が少ない
路線が多く、鉄道事業は
毎年赤字を計上している。
JR四国はピーク時の
96年度に370億円だった
運輸収入が09年度には
229億円に落ち込み、
その後は横ばいが続く。
JR九州は経営の多角化に
成功したものの、
北海道と四国は厳しい
経営が続く。

北海道と四国は、国から
付与された経営安定基金の
運用益で鉄道の赤字を
穴埋めする計画だったが、
バブル崩壊後の低金利で、
年利7.3%を想定した
運用益を下回る状態が続く。

一方、国鉄時代の借金の
一部を背負わされた
本州3社にとっては、
低金利が返済負担の軽減
という恩恵をもたらす
皮肉な状況となっている。
JR東日本は山手線
品川―田町間で新駅に
着工し、20年までの
開業を目指す。
JR東海はリニア中央
新幹線
(品川―名古屋間)の
27年開業に向け工事を
本格化させるなど
大型プロジェクトを推進
する。

今後も地方を中心に
人口減が進むことが
見込まれる中で、
首都圏など一部の路線を
除き、鉄道需要の
先細りは免れない。
明治大学の市川宏雄教授
(都市政策)は
「人口減少時代の中で、
 地方の鉄道をどう残し、
 どう収益を上げていくか。
 自治体や企業を
 巻き込んで早急に検討
 する必要がある」
と指摘している。
(讀賣新聞4/2 
 4(政治・経済)面)

posted by (雑)学者 at 08:11| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする