2017年02月28日

日本の外交交渉術を鍛える米トランプ大統領の効用

'17年2月28日(火)    
[外交] ブログ村キーワード
 
『中央公論』ゆかりの
作家やジャーナリストたちが、
時局を論じる会を作った。
正宗白鳥、徳田秋声、石橋
湛山らで、毎月27日を
定例日としたことにちなみ、
「二七会」と呼ばれた。
昭和の初めのことで、
戦時下も続いた
◆外交評論家の清沢洌
(きよし)もメンバーの
一人だった。
正宗の『文壇五十年』に、
清沢は言論統制が進む中、
「小説を書く人は、
 不断通りに書いて
 いられるんでしょう」と
うらやましそうに言ったと
ある
◆若き日、シアトルなどの
日系社会に暮らした清沢。
米国による移民排斥を
目の当たりにしても、
日米協調の重要さ訴えた。
終戦前に病死するまで、
対米戦を阻止できなかった
責任を痛感していたという
◆著書『米国の研究』に
ある、
<時々に見る米国及び
 米国人の傍若無人の態度に
 甚だしき不満を覚え
 ながらも、出来るだけの
 互譲と諒解によって、
 両国の関係を善導したい>
との見解は示唆に富む
◆安倍首相と
トランプ大統領の会談は
成功したが、トランプ氏が
「傍若無人」に振る舞わない
保証はない。
日本には、したたかに
向き合う努力が求められる。
米国を批判するだけで
「善導」はできまい。
(編集手帳 讀賣新聞2/27)
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2017年02月27日

頭を使わなければ、プレミアムフライデーでも続かない

'17年2月27日(月)
[金曜日] ブログ村キーワード

ミヒャエル・エンデの
小説『モモ』に、
時間を貯蓄する
「時間銀行」が出てくる。
「もしも20年前に
 1日わずか
 1時間の倹約を始めて
 いたならば…」。
顧客の理髪師を相手に、
行員は仕事の時短を
勧めてうるさい。

▼「1日2時間の
  倹約なら…」と
行員は続ける。
計算すれば、約1年半に
なる。
感化された理髪師は
時短のとりことなり、
目の色を変えて分刻みの
人生を送った。
仮に、日の高いうちに
2〜3時間を捻出できたら
どうするか。
使い道に胸躍らせる人は
多いはずである。

▼月末の金曜日は
早く仕事を切り上げ、
余暇を消費に振り向けて
もらう。
24日に始まった
「プレミアム
 フライデー」は小旅行や
飲食などに向かう人が、
多かったらしい。
政府や経団連の思惑通りに
運ぶかどうかはともかく
「働き過ぎ」の環境を
改める契機にはなろう。

▼「土日の消費を
  先食いするだけ」の
皮肉も聞こえる中、
ここは時間を使う側が
センスを見せたい。
家族との時間や趣味に
振り向けるのもよい。
スキルアップのため
勉学に充てるのもよい。
月に1度の「2時間」も、
1年で24時間になる。
ばかにできない時間である。

▼人間の行動特性の一つに
「パーキンソンの法則」が
ある。
仕事のために一定時間を
与えられると、
人は効率を度外視して
持ち時間を使い切る習性が
あるという。
まして余暇と睡眠時間を
切り崩してまで会社に
縛られる過酷な労働環境が、
いい仕事を生むはずもない。

▼冒頭の話に戻ると、
無駄口をやめ、仏頂面で
客の髪を切り続けた
理髪師は、怒りっぽい
性格に人変わりした。
眉間にしわが寄る
時短ではいけない。
後々自分の首を絞める
時短も考えものである。
<ノー残業お持ち帰りで
 フル残業>。
十数年前のサラリーマン
川柳がいまも耳に痛い。
(産経抄 産経新聞2/26)
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2017年02月26日

「枝打ち」を決意した金正恩政権の立場とは?

'17年2月26日(日)
[北朝鮮] ブログ村キーワード

昨年夏、韓国に亡命した
北朝鮮のテ・ヨンホ
元駐英公使は21日放送
されたニュース専門テレビ
「YTN」のインタビューで、
金正恩朝鮮労働党委員長が
異母兄の金正男氏の
殺害指令を出したとした
ならは、
「幼い時から
 正男氏を極度に憎悪して
 きた結果」で、正恩氏の
「偏執症」のせいでもある
と述べた。

亡命後、正恩政権の暗部を
暴露し続けているテ氏は、
韓国で現在、最も北朝鮮に
暗殺される恐れのある
人物として
厳重な警備対象となって
いる。

テ氏は、異母兄弟として
幼い頃から後継者争いが
始まっていたと分析。
正恩氏にとって
「北朝鮮住民に金正日
 (キムジョンイル)
 総書記の後継者だと
 認識させることが
 困難な要因の一つに、
 正男氏の存在があった」
と指摘した。

正恩氏は、日本生まれの
高英姫(コヨンヒ)氏を
母に持ち、
金日成(キムイルソン)
主席の血を引く
「白頭山(パクトウサン)
 血統」を受け継ぐ
正当性の面で、
長男の正男氏に劣等感を
持っていたとされる。

正恩氏は最高指導者
就任から5年がたつが、
年齢は公表されず、
誕生日の祝賀指定や
大規模な祝賀行事も
行われたことがない。
テ氏は
「白頭山の血統の
 アイデンティティーと
 大義名分(のなさ)が
 正恩政権の一番の
 アキレスけん」と指摘。
自身の世襲を
正当化するため、正男氏を
殺害するに至ったとの
見方を示した。

また、北朝鮮で
正男氏を知っているのは、
海外在住者か次官級以上の
高官に限られるが、
こうしたエリート層は
「北朝鮮が否定しても、
 (殺害には)正恩氏の
 指示があったと考える
 だろう」と語った。

事件では、殺害場面が
監視カメラで録画されて
おり、
「これまで国内で行われて
 きた恐怖政治とテロの
 証拠を世界が目撃した」
とも指摘。
「国際刑事裁判所へ
 付託する際の物的証拠を
 確保したことに
 大きな意味がある」とし、
「正恩政権は
 障害を一つ取り除いた
 と考えるだろうが、
 長期的には打撃となる」
と述べた。
【ソウル=宮崎健雄】
(讀賣新聞2/25 7(国際)面)


金正恩氏の母高英姫は
父金正日氏の愛人で
あった。
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2017年02月25日

大国が静観するのは多くの密約で縛られているから

'17年2月25日(土)    
[密約] ブログ村キーワード

大戦末期の1945年2月に
米英ソ首脳がクリミヤ半島
ヤルタで、ソ連の対日参戦と
引き換えに日本領土だった
南樺太、千島列島をソ連に
割譲するなどの密約を
交わしたヤルタ会談をめぐり、
ソ連側が作成した合意文書の
草案原本が22日までに
英国立公文書館で見つかった。

日露戦争で帝政ロシアが
失った南樺太は
「返還される」と表記する
一方、千島列島は
「引き渡される」と
起草段階から区別していた
ことが判明。
ソ連側が同列島を日本固有の
領土と認識していた証左で、
カイロ宣言(1943年)の
領土不拡大の原則に違反
するとの議論を想定して
いたためとみられる。

ロシアが北方領土領有の
最有力根拠とする
ヤルタ密約が交わされて
2月で72年が経過したが、
連合国内の批判を封じながら
千島列島の強奪を狙った
ソ連側の謀略が浮き彫りと
なった。

草案の原本は英語で、
文頭に
「2月10日 モロトフ
 (外相)から国務長官に
 手渡される」との
メモ書きがある。
スターリン首相らソ連側が
起草し、ハリマン駐ソ米国
大使を通じて、
ステティニアス米国務長官に
渡され、米英側に提示された。
ソ連がドイツ敗戦後
2〜3カ月で対日参戦すると
定め、条件として、
@外蒙古(現モンゴル)の
 現状維持
A南樺太の「返還」など
 日露戦争で失った領土と
 権利の回復
B千島列島の「引き渡し」
 ――を盛り込んだ。

対日参戦の条件として
スターリン首相は、
43年のテヘラン会談から、
帝政ロシアが、日露戦争を
終結させた05年の
ポーツマス条約で失った
領土と権益の回復を挙げ、
ヤルタでは
ルーズベルト米大統領に対し、
南樺太と千島列島を
抱き合わせて旧ロシア領
として割譲を求め、同意を
得ていた。

ただし、千島列島は、
1855年の日露通好条約で
まず択捉・ウルップ島間に
国境が引かれ、
75年の樺太千島交換条約で
千島北東端のシュムシュ島
までが日本領となった。
このため日露戦争で失った
南樺太とは一線を画する
必要があったとみられる。
草案は中国の権益に関する
箇所に修正が行われた以外は
踏襲され、3首脳は2月11日、
最終合意書に署名。
ソ連は約半年後の1945年8月、
これを根拠に千島列島に侵攻、
占拠した。

カリフォルニア大学
サンタバーバラ校の長谷川毅
教授(日露関係史)は
「草案にはスターリン首相の
 深謀の跡がうかがえる」
と話す。
【ロンドン=岡部伸】 
(ヤルタ密約
 産経新聞2/23 1面)  

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2017年02月24日

独裁者は自分が生き延びることだけを考える

'17年2月24日(金)
[独裁者] ブログ村キーワード

ヒトラーを風刺する
チャプリンの映画
「独裁者」が公開されたのは、
第二次大戦の最中である。
ナチス・ドイツは、
撮影段階からさまざまな
妨害活動を行ってきた。

▼米国では2014年、
北朝鮮の
金正恩朝鮮労働党委員長を
笑い飛ばすコメディー映画
「ザ・インタビュー」が
制作された。作品の質では
比較の対象にはならない
ものの、北朝鮮政府が
上映を阻止しようと躍起に
なった状況は似ている。

▼映画の制作会社に
サイバー攻撃を仕掛けたのは、
工作機関「偵察総局」だった
といわれる。
韓国政府によれば、
クアラルンプールの空港で
正恩氏の異母兄、
金正男氏が殺害された事件を
主導したのも、同じ工作機関
である。ただ防犯カメラは、
実行犯の女が正男氏に
毒物をなすりつけて
逃走する一部始終をとらえ
ていた。工作員の男たちが
犯行直後に出国する映像も
残されている。

▼テレビのワイドショーは、
正男氏の息子、
金ハンソル氏が、5年前に
フィンランドで
インタビューに応じた
番組まで引っ張り出して
きた。ハンソル氏はなんと、
正恩氏を「独裁者」と
呼んでいる。
金正恩体制についての
記録映画を連日見ている
ようなものだ。
皮肉なことに、
へたなコメディー映画の
何倍もその異常さを
伝える宣伝効果がある。

▼チャプリン研究家の
大野裕之さんによれば、
「20世紀の世界で
 もっとも愛された男と
 もっとも憎まれた男」が、
「独裁者」をめぐって
メディア戦争を繰り広げた
(『チャップリンとヒトラー』)

▼なかでも独裁者に
間違えられたユダヤ人の
理髪師が演説する
ラストシーンは、
敵の肺腑(はいふ)
(つ)く。
「ただ愛されない者だけが
 憎むのだ。
 愛されない者と
 血の通わぬ者だけが」。
これほど独裁者の本質を
とらえた言葉を他に知らない。
(産経抄 産経新聞2/23)

北朝鮮では
家系図(family tree)に
将来禍根を残すものがあれば
「枝打ち」と称して、
粛清するのだそうだ。
労働党委員長は全体を眺めて
斬る枝を決める練達の
“庭師”でもあるらしい。
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする