2016年03月31日

自由化によって騙されまいとする不自由が生まれる

'16年3月31日(木) 
[自由] ブログ村キーワード

「自由」という言葉の
歴史は古い。歴史学者の
津田左右吉(そうきち)
よれば、中国では
5世紀に成立した
『後漢書』にすでに用例が
ある。
「専恣横暴(せんしおうぼう)」、
つまり勝手気ままな
振る舞いを指していた。

▼日本でも、マイナス
評価の言葉として長く
使われてきた。やがて
「拘束を受けない」と
いう、
プラスのニュアンスも
加わる。
江戸時代になると、
庶民が「便利」の意味で
使う場合もあった
(『中世の風景』中公新書)。

▼英語のフリーダムや
リバティーに、
自由という訳語をあてた
のは、福沢諭吉である。
「決してわがまま放蕩
 (ほうとう)
 意味しない」とわざわざ
断っているのは、こうした
経緯があったからだ。

▼家庭でも電気の購入先を
選ぶことができる、電力
小売りの全面自由化が、
4月1日から始まる。
大手電力会社をはじめ、
ガスや石油を扱う
エネルギー関連企業から、
携帯電話会社やスーパー
まで参入して、CM合戦を
繰り広げている。
選択肢が多くなったという
意味では、プラスの評価が
できる。

▼ただ料金プランを見ると、
電気使用量が多い世帯が
得をするサービスが目立つ。
節電に励んできた庶民に
とって「便利」どころか、
割高になる場合もある。
電力会社がどんな電源に
依存しているのか、
開示が義務づけられて
いない不備も指摘されて
いる。原発に反対し、
太陽光や風力など
再生可能エネルギーを
選びたい人の、ニーズに
応えていないというのだ。

▼太陽光については、
別の問題もある。パネルを
設置するために、森が切り
開かれ、各地で景観が破壊
されている。
パネルから反射した光が
差し込む近隣の住宅では、
室内の温度が急上昇し、
訴訟に発展するケースも
出ている。
そんな「専恣横暴」な
会社が作る電気を、
とても使う気になれない。
(産経抄 産経新聞3/31)
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2016年03月30日

選べることはだまされるかもしれない自由と同居

'16年3月30日(水)
[電気] ブログ村キーワード

朝焼けの色を琥珀(こはく)に
例えたのは宮沢賢治である。
<まもなく東のそらが
 黄ばらのように光り、
 琥珀いろにかがやき、
 黄金(きん)
 燃えだしました・・・>
(童話『水仙月の四月』)
◆窓明かり。おぼろ月。
ひれ酒。賢治の朝焼けも
含めて、琥珀色から連想
するものはさまざまだろう。
暖かな色合いをした、
天然樹脂の化石である。
琥珀はギリシャ語で
「エレクトロン」という。
こすると静電気を帯びる
ところから、「電気」を
意味する英語の語源にも
なっている
◆家計簿が朝焼けで
いくらかでも暖まると
すれば、誰しも歓迎だろう。
4月から電力の小売りが
自由化される
◆電力会社を“選べる”
時代の始まりだが、
何か新しい仕組みが生まれる
ときは、真っ先に
不届きな輩(やから)
うごめくご時世でもある。
電力会社の代理店などを
装い、購入する必要もない
電力計や太陽光パネルなどを
必需品と偽って売る連中が
いると聞く
◆琥珀の中にトラが棲む。
古代中国ではトラの
魂魄(こんぱく)
地下に潜って琥珀になった
と信じられ、「虎魄」という
表記もあったらしい。
家計簿を暖める知恵は
絞りつつも、
飢えたトラにはくれぐれも
ご用心あれ。
(編集手帳 讀賣新聞3/30)

最近、通信事業にも
動きがあった。
インターネット関連
サービスのうち、
プロバイダー料金と回線
使用料が安くなるからと
いって誘われた。
ところが、旧契約の業者
から違約金を取られ、
新契約の業者からは
工事費を取られた。

国は規制をはずす前に
混乱を防ぐ規制をかけて
欲しかったと感じた。

因みに、朝焼けだが、
その前に空が赤くなる。
2時間かけて、
東京へ通っていたころ、
成田付近で車窓から
眺めた現象である。

東の 野に「かぎろひ」の
立つ見えて
かへり見すれば 月傾きぬ
  柿本人麻呂

かぎろひ、である。
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2016年03月29日

米国のホームレスは、おにぎり食べるかな?

'16年3月29日(火) 
[海外赴任] ブログ村キーワード

「日本の心」持つTCK

米国にも
「サード・カルチャー・
 キッズ(第三文化の子供
 =TCK)が大勢いる。
親の海外赴任などに伴い、
外国の異文化の中で育った
子供たちだ。

バージニア州に住む
ローレン・ゼリックさんも
その一人。
12歳から6年間、東京で
暮らした。
TCKに共通する悩みは、
文化的な
アイデンティティーが
混在していることだ。
日本に思い入れがある
ゼリックさんも
「『故郷はどこ?』と
 聞かれると、答えに
 窮する」と話す。

TCKには多くの長所も
ある。
異文化の違いを乗り越え、
良好な人間関係を構築し
やすいことだ
ゼリックさんはフェイス
ブックのほか、
ワシントンの日本大使館と
連携し、
「Japan In Your Heart」
というウェブサイトを
立ち上げ、日本で暮らした
TCKたちが交流し、
励まし合い、日本に関する
情報を交換する場を提供
している。
「日本の架け橋」として、
大学などでの講義や講演で
TCKのポジティブな側面を
啓蒙してもいる。

日本にいるとき、両親と
新宿などに出かけては、
ホームレスに手作りの
おにぎりをあげていた。
それがきっかけで、
仮設住宅の提供など
ホームレスの救済活動にも
取り組んでいる。
「米国のホームレスは、
 おにぎりを
 食べるかな・・・」。
彼女には日本と、奉仕の
精神が息づいている。
(青木伸行)
(ポトマック通信
 産経新聞3/29 8(国際)面)


第三文化
親の仕事などで
世界各地を転々とし、
自分たちの本来の母国
(つまり第一文化)への
帰属意識は薄く、
色々な国での生活
(第二文化)を重ねる結果
自分の中で、そして
同じように育った
子供たちの間で、
特定の文化に属さない
第三の文化に属する、
またはそれを自ら作り
上 げる子供たちのこと。
「ノーマッド・キッズ」、
「グローバル・キッズ」と
呼ばれ、誰とでもすぐ
友達になれる、異文化間の
コミュニケーションがうまい、
といったポジティヴな面を
多く持つ。でも彼らなりに
つらいことも多い。
特定の文化の中で育ったの
ではないので、人生の中で
最低一度は
「自分はいったい誰なんだ?」
と思うことがあり、
この質問をうまく自分で
乗り切れなかった場合、
人間不信に陥ったり、
鬱になってしまうことも
あるそうだ。
(高木典子
「第三文化の子供たち」の
 日本語教育)
 みどりの丘日本語補習校
 2011年(新春号)No.9)

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2016年03月28日

トランプ米大統領に日本に核武装の権限をお願いしたい

'16年3月28日(月) 
[トランプ] ブログ村キーワード

1920年に発足した
国際連盟は、ウィルソン
米大統領が提唱したものだ。
ただし、肝心の米国は
加盟を見送った。
いわゆる「モンロー主義」に
共鳴する議会が拒絶した
からだ。
第5代大統領モンローの
名に由来する孤立主義は、
米国の伝統的な外交政策の
ひとつである。

▼「世界の警察官」を返上
したオバマ大統領は、
しばしば「新孤立主義」と
揶揄されてきた。
確かに国際紛争への介入に
慎重なあまり、かえって
混乱を拡大させた責任は
大きい。
大統領選の共和党候補指名
争いでトップを走る
トランプ氏は、もっと極端
である。

▼メキシコとの国境沿いに
壁を造り、中国からの
輸入品に高率の関税をかける
だけではない。日米同盟にも
かみついている。
「米国は日本を助けても、
 日本は米国を助けない」
から、不公平との主張だ。

▼米紙とのインタビューで、
さらにとんでもない発言が
飛び出した。
日本が駐留経費の負担を
増額しなければ、
在日米軍を撤退させると
いうのだ。
「米軍は日本から出ていけ」
と叫んできた人たちに
とっては、思わぬ味方が
現れたことになる。

▼いや、誰よりも
トランプ大統領の誕生を
待ち望んでいるのは、中国
かもしれない。
同盟の弱体化は海洋進出を
進める上で、最大の障害が
消え去ることを意味する。
日本としては、
同盟についての誤解の
広がりを座視するわけ
にはいかない。
いかに日本が大きく貢献
しているのか、
米国世論への発信を強めて
いく必要がある。

▼同時に、今回の大統領選は、
日本の安全保障を見直す
きっかけになる。
トランプ氏が言及した
核武装を含めて、冷静な
議論を始めるべきだ。
米国の戦争に巻き込まれる
より、米国に去られた後に
戦争を仕掛けられる
可能性の方が、ずっと高いの
だから。
(産経抄 産経新聞3/28)

米紙ニューヨーク・タイムズ
(電子版)は26日、
大統領選の共和党候補指名
争いで首位を走るドナルド・
トランプ氏(69)のインタ
ビューを掲載。
同氏は大統領に就任した場合、
日本と韓国の核兵器保有を
容認し、在日、在韓米軍を
撤退させ、
日米安保条約について
再交渉する用意があるとの
考えを示した。

トランプ氏はこれまでも、
「日米安全保障条約は
 不公平だ」と負担増を
求める意向を示していたが、
核兵器保有容認や米軍撤退の
可能性に言及したのは初めて。
(略)
【ワシントン=青木伸行】
(2016米大統領選
 産経新聞3/28 2(総合)面)

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2016年03月27日

英国の元首相チャーチルのしゃっくりが中東混迷の基

'16年3月27日(日)
[チャーチル] ブログ村キーワード

英国の元首相チャーチルは
酒をこよなく愛した。
今から95年前、46歳の
若き植民地相として、
カイロで中東の秩序を
決める国際会議に出席
した際、こんな逸話が
残されている。
<昼食で一杯ひっかけた後、
 仕事に取かかった。
 ヨルダン東部の国境を
 線引きしていた時、
 しゃっくりが出て、
 鉛筆がずれた>

ジグザグになった国境線は
「チャーチルのしゃっくり」
として語り継がれている。
カイロで耳にした
この話の真相は不明だが、
エジプトの歴史家アンワル・
ザイタイ氏は
「列強が中東を意のままに
 分割した史実を象徴する
 エピソードだ」と話した。

中東は16世紀から
約400年間、オスマン・
トルコ帝国に支配された。
しかし、1916年、
第1次大戦でトルコの
敗色が強まると、
英仏露は、中東を
それぞれの勢力圏に分割
することで合意する。
英仏の交渉担当者の名を
取り、
「サイクス・ピコ協定」
と言われる。
チャーチルは5年後の
会議で、この協定をほぼ
追認し、
様々な国で様々な宗派や
民族が混在する状況が
生まれた。

「意のままの分割」の
余波は現代にも及ぶ。
フランスの歴史家
ピエールジャン・ルイ
ザール氏は
「国境が抱える
 負の遺産を現代の
 指導者が十分に理解
 していないことが
 問題だ」と語った。

イスラム教シーア派、
スンニ派、クルド人の
モザイク国家と呼ばれる
イラク。
ブッシュ前米大統領は
2003年のイラク戦争で、
スンニ派の独裁者フセインを
倒した。だが、戦後、
フセイン一派を排除する中で、
結果的にスンニ派が政権から
遠ざけられ、シーア派が
政府の要職を独占した。

イスラム過激派組織
「イスラム国」の前身は、
こうしたスンニ派の怒りを
すくい取り、スンニ派の
居住地で勢力を広げた。
やがてパリやブリュッセル
など、欧州各地でテロを
起こす組織へと変貌を
遂げた。

ルイザール氏は
「なぜ『イスラム国』が
 拡大したのか、理由を
 理解しなければ、
 『イスラム国』を倒しても
 何の解決にもならない」
と続けた。
宗派間の対立を解く
政治的な意思がなければ、
怨念をマグマに別の
過激派が生まれるという
警告だ。

スンニ派とシーア派の
分派が混在するシリアで
今、シーア派の一派
アラウィ派のアサド大統領が
「独裁者」と批判されて
いる。
だが、人口の約1割の
アラウィ派は、
政権が倒れれば路頭に
迷うと考え大統領を
必死に支える。
このエネルギーが
方向を誤り、過激化する
と考えるだけで
恐ろしい。

独裁者を倒した民衆蜂起
「アラブの春」から5年。
なお混迷の中東情勢は、
独裁者の追放だけでは安定
しない現実を映し出す。
先人が残した100年前の
「負の遺産」と向き合い、
異なる宗派や民族を束ねる
決意と知恵が問われている。
(カイロ支局長本間圭一
 中東混迷と「国境」の呪縛
 ワールドビュー
 讀賣新聞3/27 9(国際)面)

posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする