[震災] ブログ村キーワード
「絆」という言葉が
これほど頻繁に人の口の端に
のぼることは、今までに
なかったろう。
ここにも一つ、
絆の大切さを訴える活動が
あった。
不慮の事故や難病で
生死の境をさまよった
男女が手を携え、
東日本大震災の被災者を
応援する歌をつくった。
「完治が難しい病を患った
という状態を
自分で『受け入れる』
ことで、
『生きている』ことに
感謝できるようになった
んです」
8月下旬に石巻市で開かれる
被災地支援イベントの
テーマソング「きずな」を
作曲したシンガー・ソング
ライターの小川マキさんは、
病を感じさせない明るい声で
そう語る。
小川さんは3年前、
リンパ球が赤血球のもとと
なる細胞を破壊する難病
「赤芽球癆(ろう)」を発病した。
一時はヘモグロビン値が
通常の4分の1まで低下し、
輸血で
命をつなぐ状態にまで陥った。
現在は、リンパ球の機能を
抑える免疫抑制剤を服用
している。
しかし、本来の免疫機能も
下げるために
ウイルスや細菌などの感染に
気を使わなければならない。
薬の副作用で体が
だるくなることもしばしば
ある。
小川さんが曲作りにかかわる
きっかけは、
震災発生直後にさかのぼる。
被災地支援イベント開催を
思い立った
人材戦略コンサルタントの
雑賀日出夫さんが師と仰ぐ
東洋思想家の田口佳史さん
(69)に相談した。
雑賀さんと田口さんは
「被災地の皆さんの
心と心をつなぐ
歌をつくろう」と考え、
作詞を田口さんが自ら担当し、
雑賀さんが知人を介して
小川さんに作曲を依頼した。
田口さんは、25歳の時に
タイの農村で巨大な水牛
2頭に襲われ、
内臓が体から飛び出すほどの
重傷を負った。
奇跡的に命を取り留めたが、
長年心的外傷後ストレス
障害(PTSD)に悩まされた。
現在も腎臓などに障害が
残り、痛みも消えていない。
「二人とも
1度命を失いかけた人間。
『助かってよかった』
という気持ちが
生きる底力になる。
そんな経験や思いが
伝われば」。
田口さんは静かに語る。
小川さんも
「被災者の皆さんは、
どうか希望を持ち続けて
生きてほしい」と願う。
(文・中山高志
あなたとの絆それは宝物
東京新聞7/22 20面抜粋)
参考
きずな(歌詞)
川は 母のように
やさしく流るる
清らかな水に 導かれて
やがて 辿り着く
大きな世界へ
たゆたいながら
わが道ゆこう
いつか見た 岸辺のタンポポ
今も道標
変わり続ける時代の中で
変わらぬものがあるはず
この手の中に 希望の光
あなたとの絆 (一番)
この「きずな」とは別の曲
YouTube-小川マキ/絆糸
ラベル:難病 重傷 絆