2016年12月08日

どちらも電撃的、真珠湾攻撃も首相の真珠湾慰霊訪問も

'16年12月8日(木)    
[ルーズベルト] ブログ村キーワード

産経新聞コラム

ルーズベルト米大統領が、
連邦議会の
上下両院合同会議で
日本への宣戦布告を求める
演説を行ったのは、
真珠湾攻撃を受けた翌日、
1941年12月8日だった。
「昨日は、『汚辱の日』
として永遠に
とどめられる」。
日本のだまし討ちを非難
するとき、必ず使われる
フレーズである。

▼合同会議では、
海外の要人も多く演説して
きた。日本の首相に機会が
与えられなかったのは、
ルーズベルトの“呪縛”
ゆえであろう。昨年4月、
それを打ち破ったのが
安倍晋三首相だった。

▼首相は、演説の中にあえて
「真珠湾」を盛り込み、
敵対国から同盟関係となった、
日米の
「心の紐帯(ちゅうたい)」を
訴えた。
ほとんどの議員から高く
評価された演説は、
今年5月のオバマ大統領に
よる、被爆地・広島訪問の
下地を作った。
もちろん5日夜、電撃的に
発表された、首相の
真珠湾訪問にもつながって
いる。
 
▼先月、ニューヨークで
行われた首相とトランプ
次期米大統領の会談を
めぐり、米政府が不快感を
示した、との報道が一部で
あった。その後ペルーで
顔を合わせた首相と
オバマ氏が立ち話で
済ました事実も、
「不仲」の証拠とされた。

▼実は数分間の会話の
なかで、
ハワイで行う両首脳の
最後の会談について、
最終確認が行われたようだ。
首相は、オバマ氏とともに
日米和解の総仕上げを
演出するつもりらしい。
同盟の深化を中国やロシア、
韓国、北朝鮮に見せつける、
絶好の機会にもなる。

▼ただ安倍首相は、今回の
慰霊の旅はオバマ氏による
広島訪問の「返礼ではない」
と強調している。当然である。
一般市民を無差別に殺戮し、
放射性物質をまき散らした
原爆投下と、軍事施設を
奇襲した真珠湾攻撃、
道義的に同列に扱うのは
歴史に対する冒涜でしかない。
(産経抄 産経新聞12/7)

読売新聞コラム

記憶に縁のある花、
ワスレナグサは
“忘れるなかれ”「勿忘草」
と書く。学名は
<scorpioides>
(サソリの尾のような)
という。
花穂の形に由来するらしい
◆サソリの尾に刺された
ような痛みが、記憶に宿る
地名がある。
日本人にとっては、
被爆地の「広島・長崎」
である。
米国人にとっては、
宣戦布告なしの奇襲を受けた
「真珠湾」だろう。
腫物である相手の傷痕から
目をそらすようにして、
信頼を培ってきた戦後の
日米関係である
◆心からの和解に向かう
一歩になればいい。
安倍首相がハワイの
真珠湾を訪問し、
日本軍による攻撃の
犠牲者を慰霊するという
◆今年5月には
オバマ大統領が広島を
訪問している。
現職の大統領、現職の
首相が初めて、傷痕の
地を訪ね合う。
歴史的な相互訪問を通じて、
日米両国が
固い不戦の決意を分かち
持つことができるならば、
双方の犠牲者にとっては
何よりの追悼だろう
◆真珠湾はどこにあるの?
評論家の吹浦忠正さんは、
ある大学の講義で学生に
訪ねた。
一人が答えたという。
「三重県です」。
言葉にワスレナグサを
添えて、語り継がねば
ならない過去がある。
(編集手帳 讀賣新聞12/7)
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2016年12月07日

死んでしまった おとうさま もう一度あいたい

'16年12月7日(水)
[交通事故] ブログ村キーワード

「交通事故で親を失った
 子供たちを支援しよう」。
昭和45年、万博開催に
沸く大阪で、
一人の大学生が道行く人に
募金を呼びかけていた。
9年前に
58歳で世を去った、
山本孝史さんの若き日の
姿である。
がんと闘いながら、
参院議員としてがん対策
基本法の成立に尽力した。

▼山本さんの妻、
ゆきさんによると、
小学4年の交通遺児の作文
『天国にいるおとうさま』が、
募金活動にかかわる
きっかけとなった。
「ぼくとキャッチボールを
 したが 死んでしまった 
 おとうさま もう一度
 あいたい おとうさま」。
読んでいるうち、
突然記憶が甦(よみがえ)り、
号泣した。

▼山本さんが5歳のとき、
3歳上の兄が自宅の前で
トラックにはねられて
亡くなっていた
(『兄のランドセル』
 朝日新聞出版)。
大学卒業後は、
交通遺児育英会に就職する。
当時は交通事故による
死者数が、年間で
1万5千人を超え、
交通戦争という言葉が
まかり通っていた。

▼近年は5千人を
下回っている。それでも、
悲劇がなくなったわけでは
ない。
愛知県一宮市で今年10月、
「ポケモンGO」を
操作しながらトラックを
運転していた男が、
下校中の小学4年の男子
児童をはねて死なせた。
横浜市では、認知症の
疑いのある87歳の男が
運転する軽トラックが
児童の列に突っ込み、
1年生の男児が死亡して
いる。

▼今月3日、福岡市の
病院にタクシーが突っ込み、
花田盛幸さん(44)と、
妻の美佐代さん(44)が
巻き込まれて命を奪われた。
「お父さん、お母さん」。
現場に一人残された
小学2年の娘さんが、
泣き叫んでいたという。

▼「あなたが、あなたの
  かわいい子供さんが
  交通遺児にならないと、
  誰が保証できようか」。
山本さんはかつて、
こう訴えた。
交通戦争はまだ続いている。
(産経抄 産経新聞12/6)

優れた車を造れるのは
わが国が誇る
生産技術の賜物だが、
車の安全運転は
その文明のうえに
築かれた精神文化である。
文化は文明に
水をあけられている。
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2016年12月06日

北海道が証明、人口が減少すると住みにくくなる

'16年12月6日(火)
[増毛] ブログ村キーワード

ニシンは「バクチ魚」とも
呼ばれるそうだ。
極端な形で豊漁と不漁を
繰り返す。
北海道沿岸では、なぜか
1955年頃を境に激減し、
復活までに長い年月を
要した
◆江戸期の松前藩の時代
からニシン漁で栄え、
交通の要衝でもあった
北海道増毛(ましけ)町も、
このショックで活気を
失っていった。
今や人口4500人の過疎の
町だ。
4日にはJR留萌線の
増毛―留萌間に最後の
列車が走り、95年の
歴史に幕を閉じた。
増毛駅は高倉健さん主演の
映画「駅 STATION」
(81年)」の舞台にも
なっていた。
多くの人々に惜しまれる
中での廃線だ
◆ただ、近年は
鉄道跡地を活用した
地域再生への様々な
取り組みが全国各地で
見られる。
岐阜県飛騨市では
レール上を走る
マウンテンバイクが
観光客に人気だ。
トンネル跡を貯蔵庫に
利用する酒造業者も珍しく
ない
◆宮沢賢治の
「銀河鉄道の夜」の
ヒントになった
岩手軽便鉄道の跡は、
国の近代化産業遺産に
指定されている。
残された巨大な橋脚を
下から見上げると、
空中を汽車が走るように
見えたのかと想像が膨らむ
◆健さんの駅は今後、
どんな“第二の人生”を
歩むのだろうか。
(編集手帳 讀賣新聞12/5)

増毛 最後の列車
北海道留萌地方の日本海
沿岸を走るJR留萌線の
留萌―増毛間
(16.7`・b)が4日、
運行最終日を迎え、
1921年(大正10年)の
開通から95年の歴史に
幕を閉じた。

午後8時10分頃、
増毛駅を最終列車が
出発すると、
集まった大勢の人たちが
「蛍の光」を合唱、
ペンライトを揺らして
見送った。
(同紙1面)

小さな赤字線を廃止すると
残った大きな線へ乗り継ぐ
その廃止線からの利用客も
減る。

人口減少による利用客の
減少は、ボクシングの
ボディーブローのように
少しずつ確実なダメージと
なる。

北海道の枝線は
物資を運ぶことを目的に
敷設された経緯があると
聞いている。

養毛剤の会社を誘致して
「増毛」の製品名で
販売したら、町おこしに
なるだろうか。
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2016年12月05日

人を疑うことしか身を護る方法がない時代

'16年12月5日(月)    
[師走] ブログ村キーワード

働き口を周旋する
口入れ屋を訪ねたが、
意にかなう仕事がない。
用心棒稼業で糊口をしのぐ
浪人が言い募る。
「商家の掛け取りなどと
 いう仕事がありそうな
 ものだがな」
◆藤沢周平の小説
『用心棒日月抄』が描く
師走の一こまである。
その年のつけ払いの代金を
取り立てに来る掛け取りの
影にせきたてられて、
人は歳末を過ごした
◆作家の中野孝次も
本紙に寄せたエッセーで、
昭和初期の子供時分を
回想している。
<大晦日が近づくと
 父などはいつも
 きりきり舞いをして
 いた>。
金を作らなければ年を
越せない時代があった。
その名残だろうか、
師走になると詐欺犯の
動きが慌ただしくなる。
振り込めなどの特殊詐欺は、
件数も被害額も12月が
最も多い
◆警察にも理由は
よくわからないようだが
過去5年、ずっとそうだ
というから確かな傾向と
言えよう。
つけの返済に気をもむ
必要がなくなった代わりに、
詐欺団の影を警戒せねば
ならない
◆改正通信傍受法が
今月から施行され、
警察が電話を傍受できる
犯罪に詐欺が加わった。
この新しい武器で
犯罪組織の中枢をたたく
という。
巧まずして時宜を得た
施行となった。
(編集手帳 賣新聞12/4)
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2016年12月04日

いたわり合いや助け合いが国を救うのに

'16年12月4日(日)
[流行語大賞] ブログ村キーワード

通勤途上、電車の窓から
白雪をいただく富士山が
くっきりと見えた。
空気の澄んだ冬の晴れた
日ならではの眼福である。
雲一つない快晴の空は
目に痛いほどで、朝から
少し得した気分となった。
「冠雪の富士玲瓏
 (れいろう)と杞憂なし」
(細井隆子)。

▼ところが、職場に着いて
2日付の朝刊各紙を
チェックしているうちに
気持ちは暗転する。
「保育園落ちた 日本死ね」。
今年話題となった言葉に
贈られる流行語大賞の
トップテンには、こんな
不吉な呪詛が選ばれていた。
審査員の良識を疑う。

▼衆院憲法審査会の8日の
開催が見送りとなった
ことも報じられていた。
14日までの国会会期延長に
反対していた民進党が、
開催を拒否したのだという。
衆参両院で、
憲法改正の発議が可能な
3分の2議席を
「改憲勢力」に与えた民意を、
どこまで軽視するつもりか。

▼東電福島第1原発事故で、
福島県から横浜市に
自主避難した中学1年の
男子生徒が深刻ないじめを
受けた問題では、
適切に対応しなかった
市教育委員会担当者が
謝罪したとの記事も。
学校や教委はいつも後手を
引く。そもそも教育現場で、
いじめ以上に緊急対応が
必要な案件がほかにある
のか。

▼紙面は世相の鏡とはいえ、
もう少し明るいニュースが
ほしい。そんな中で
少しさかのぼるが、
11月22日付小紙には
ほっとする記事が載っていた。
国内外の心臓病の子供を救う
「明美ちゃん基金」に、
匿名の男性(88)が
現金100万円を寄託したと
いうものだ。
50年来の小紙購読者という
この男性は平成24年3月
以降、総額900万円を
基金に寄せている。

▼「ずっと名無しのごんべで
  通していますから」。
名乗らずに立ち去った
男性の志の高さを思うと、
富士山を仰ぎ見るかのような
すがすがしさを覚える。
(産経抄 産経新聞12/3)
posted by (雑)学者 at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする